音楽にはときに人の心を動かし、社会に大きな影響を与える力があります。
なかでも平和への願いを込めた反戦歌は、時代をこえて多くの人々に戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えかけてきました。
日本の音楽史に刻まれた反戦歌には、現代を生きる私たちが決して忘れてはならない深いメッセージが込められているのです。
この記事では、邦楽曲を中心に日本の反戦歌をピックアップし、楽曲の背景や歌詞に込められた思いについて解説します。
この機会に、改めて戦争と平和について、思いを巡らせてはいかがでしょうか。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(1〜10)
heiwaRIZE

RIZEが2000年に放った反戦メッセージが込められた楽曲『heiwa』。
この一曲は、ただ単に心地良いメロディをリスナーに届けるだけでなく、彼らが抱く戦争への強い否定と平和への願いをダイレクトに伝えます。
日本のロックシーンで独特の存在感を示してきた彼らですが、本作ではエネルギッシュなサウンドとは対照的に、しみじみとした感情がリスナーの心をつかみます。
とくに、今日の平和への意識を再考させてくれる力強い内容は、すべての世代に共感を呼んでくれるはずです。
平和に関する曲を探している方、心に響くメッセージを音楽で感じたい方にオススメですよ!
Love The WarzNEW!SEKAI NO OWAR

ファンタジックなサウンドにのせて、平和の本質を痛烈に問いかけるSEKAI NO OWARIの1曲です。
平和を強く願うあまり、皮肉にも争いを繰り返してしまう人間のどうしようもない姿が、胸に突き刺さる言葉で描かれています。
「本当の平和とは?」という重い問いを、あえてポップなメロディで表現することで、そのメッセージが一層深く響くのかもしれませんね。
この楽曲は2012年7月に発売されたアルバム『ENTERTAINMENT』に収録され、ドラマ『おわらないものがたり』の主題歌にもなりました。
本作を聴きながら平和について考えてみてはいかがでしょうか?
腰まで泥まみれNEW!元ちとせ

静かに、しかし鋭く胸に突き刺さる、物語のような1曲です。
本作は、アメリカのフォークソング歌手、ピート・シーガーさんが1966年に書き上げた楽曲。
指導者の誤った判断によって部下たちが犠牲になるという、アメリカで実際に起きた事件を基にした悲しい物語が歌われています。
奄美のシマ唄をルーツに持つ元ちとせさんの、深く静かな怒りすら感じさせる歌声と、戦争の非合理性を淡々と綴る歌詞が見事に融合していますね。
2015年7月に発売された名盤『平和元年』に収録されたこの楽曲。
物語に描かれた理不尽な現実に、平和の尊さを改めてかみしめる方もいらっしゃるかもしれません。
Horse RidingNEW!the HIATUS

本作は、the HIATUSが2013年7月に発表したEP『Horse Riding EP』の表題曲。
戦いに向かう人々の行進や武器を手に取る姿を描く一方で、穏やかな日常や家族の笑顔といった守るべき平和な光景も歌詞に織り込まれています。
その音像からは、争いのおろかさと失われてはならない日々の尊さがひしひしと伝わってくるかのようです。
音楽を通して平和の意味を静かに考えたい、そんな夜に聴いてみてはいかがでしょうか。
しあわせについてNEW!さだまさし
平和への強い祈りが込められた、さだまさしさんの叙情的なバラード。
静かなピアノと荘厳な弦楽の響きが印象的な作品です。
繰り返し投げかけられる「幸せですか」という問いは、平和な時代を生きる私たちの心に深く突き刺さりますね。
この楽曲は1982年5月に、沖縄戦の悲劇を描いた映画『ひめゆりの塔』の主題歌として世に出ました。
一方でダスキンのCMソングとしても親しまれ、その普遍的なメッセージが広く浸透。
当たり前の日常がどれほど尊いものか、改めて考えさせられる作品です。
No.9NEW!ASIAN KUNG-FU GENERATION

激しいサウンドのなかに平和への切実な祈りを込めた、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲です。
「不条理がまかり通る世界でも、信じるものを手放したくない!」という、ささやかな日常への愛おしさを表す叫びが心に刺さります。
この楽曲は、2008年3月当時にリリースされ、オリコンチャートで第1位を獲得した名盤『World World World』に収録されています。
アルバム収録曲ながら、その強いメッセージ性から根強い人気を誇る本作。
世界のニュースに触れて無力感を覚えるとき、当たり前の平和の尊さを改めて考えさせてくれるのではないでしょうか。
世界平和NEW!SEKAI NO OWAR

ファンタジックな世界観で知られるSEKAI NO OWARIの、原点ともいえる強烈なメッセージソングです。
人々が理想として掲げる「平和」という言葉の裏にひそむ矛盾や暴力性が、痛烈な視点で描かれています。
平和を願うこと自体が、実は新たな争いを生み出す怪物なのではないかという、根源的な問いを突きつける世界観に、心を揺さぶられますね。
2010年4月にインディーズで発表されたアルバム『EARTH』に収録された本作。
作詞作曲を手がけたFukaseさんが当時抱えていた社会への違和感や、個人的な苦悩が色濃く反映されており、バンド名の由来とも重なる深い思索が感じられます。