【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り
音楽にはときに人の心を動かし、社会に大きな影響を与える力があります。
なかでも平和への願いを込めた反戦歌は、時代をこえて多くの人々に戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えかけてきました。
日本の音楽史に刻まれた反戦歌には、現代を生きる私たちが決して忘れてはならない深いメッセージが込められているのです。
この記事では、邦楽曲を中心に日本の反戦歌をピックアップし、楽曲の背景や歌詞に込められた思いについて解説します。
この機会に、改めて戦争と平和について、思いを巡らせてはいかがでしょうか。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(21〜30)
教訓1NEW!加川良

語りかけるような優しい歌声と、素朴なギターの音色が心にしみる1曲。
お国のために戦うことを良しとする空気に対し、「命をだいじに、逃げてもいい」とささやく本作は、反戦という枠をこえた普遍的な命の歌として胸に響きます。
この楽曲は1971年7月にシングルとして発売され、アルバム『教訓』にも収められました。
大きな流れに疑問を感じたとき、平和の尊さをかみしめたいとき、本作のメッセージが心に寄り添ってくれるのではないでしょうか。
THE WAR SONGNEW!山下達郎

ファンクとソウルが織りなす高揚感のあるサウンドにのせて、争いのない世界への祈りが歌われる、山下達郎さんの楽曲です。
1986年4月に発売され、第28回日本レコード大賞の優秀アルバム賞に輝いた名盤『POCKET MUSIC』に収録された1曲。
「戦争」という重いテーマを掲げながらも、本作から伝わるのは国益といった小さな枠組みではなく、地球全体で共存していく未来への強い願いです。
悲しみや絶望ではなく、むしろ希望に満ちた力強いエネルギーが、聴く人の心を揺さぶります。
当たり前の平和な日常がどれほど尊いものか、改めて考えさせられるのではないでしょうか?
家路NEW!悠稀。, 三栖

「00年代生まれが作る令和の反戦歌」をコンセプトに、シンガーの悠稀さんとコンポーザーの三栖さんが手がけた壮大な1曲です。
本作で描かれるのは、ありふれた日常の風景を通して見る、戦争のおろかさと平和の尊さ。
誰かの犠牲の上に成り立つ平和への罪悪感や、何もできない無力感という、現代を生きる世代の複雑な心境が歌われているのも印象的ですよね。
この楽曲は2024年10月に音楽プロジェクトの一環として公開されました。
日常の尊さを改めて感じたいときに聴けば、きっと心に深く響くでしょう。
A NEW STYLE WARNEW!浜田省吾

1986年9月に発売された、浜田省吾さんの名盤『J.BOY』の冒頭を飾る社会派ロック。
この楽曲が描くのは、国家間の武力衝突ではなく、テロや格差、情報のなかにひそむ見えない脅威。
まるで現代を予見していたかのような歌詞の世界観に、ハッとさせられる方も多いのではないでしょうか?
本作が収録されたアルバムはオリコンチャートで初の1位を獲得し、第28回日本レコード大賞で優秀アルバム賞に輝いています。
社会の仕組みや本当の自由について、じっくり考えたいときに聴いてみたい1曲ですね。
愛の世代の前にNEW!浜田省吾

広島県出身の浜田省吾さんによる、強烈な反核メッセージが込められたロックナンバーです。
1981年9月に発売されたアルバム『愛の世代の前に』の表題曲で、彼の平和への揺るぎない意志が感じられます。
この楽曲で描かれるのは、核の脅威のもとで生きる世代の虚無感や、未来を案じる切実な思い。
歌詞の中に出てくる閃光という言葉は、原爆の悲劇をありありと想起させますよね。
音楽の力強さとともに、争いのない日常がいかに大切かを改めて考えさせてくれる、魂を揺さぶる1曲です。
死んだ男の残したものは作詞:谷川俊太郎/作曲:武満徹

谷川俊太郎さん作詞、武満徹さん作曲の無伴奏合唱のための作品です。
1965年の「ベトナムの平和を願う市民の集会」のために作られました。
シンプルな構成とメッセージ性の強い歌詞が特徴的で、ジャンルと問わずさまざまな歌い手によってカバーされ、クラシックコンサートでもたびたび演奏されています。
夏の終わり森山直太朗

『夏の終わり』は、森山直太朗さんの2枚目のミニアルバムに収録されている曲です。
離れた恋人への思いを歌った曲だと思われていましたが、時をへて森山本人が反戦歌だと告白しました。
反戦歌として聴いてみると、またちがった情景が思い浮かんできます。