【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り
音楽にはときに人の心を動かし、社会に大きな影響を与える力があります。
なかでも平和への願いを込めた反戦歌は、時代をこえて多くの人々に戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えかけてきました。
日本の音楽史に刻まれた反戦歌には、現代を生きる私たちが決して忘れてはならない深いメッセージが込められているのです。
この記事では、邦楽曲を中心に日本の反戦歌をピックアップし、楽曲の背景や歌詞に込められた思いについて解説します。
今回、新たに令和に入ってからリリースされた楽曲も加えました。
この機会に、改めて戦争と平和について、思いを巡らせてはいかがでしょうか。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(101〜110)
戦争は知らないThe Folk Crusaders

フォークルという略称でも知られ、デビューシングル『帰って来たヨッパライ』をはじめとした数々の名曲を世に送り出してきた音楽製作集団The Folk Crusadersの楽曲。
戦争そのものは知らなくても、それが原因で人生に影を落としてしまう世代もいるということをつづった歌詞が切ないですよね。
取り返しのつかない悲惨な出来事があっても幸せをつかんでいくという歌詞からは、誰もが幸福を求めているという人間としての当たり前の願いが感じられるのではないでしょうか。
戦争による負の影響をリアルに描きながらも、先人から与えられた命を未来につないでいくことの尊さを教えてくれる反戦歌です。
ヒロシマの有る国で合唱曲

日本にとって戦争というイメージと直結する広島県と原子爆弾をテーマとした合唱曲。
戦争により理不尽に奪われた命や人生をリアルに描いた歌詞は、その悲惨さを現代に伝えてくれていますよね。
世界で唯一の被爆国である日本だからこそ、その悲しさや苦しみを発信していくべきだというメッセージは、これまでもこれからも語り継いでいくべき使命なのではないでしょうか。
今もなお絶えることのない争いの愚かさを後世に伝えてくれる、世界中に広まってほしい反戦歌です。
War & Peace坂本龍一

2023年3月、惜しまれつつこの世を去ってしまった坂本龍一さん。
生前からいろんな活動にも参加されていた坂本さん、とくに環境保全や平和に向けての活動、言葉を耳にされた方も多いはず。
『War & Peace』、タイトルからも対局である「戦争と平和」をぶつけてくるこの曲は2004年にリリースされたアルバム『キャズム』に収録されています。
この曲のリリックは平和や戦争に対する疑問を、心の底からの言葉を投げかけているもの。
ぜひ日本語訳を合わせて耳を傾けてみてください。
時をこえHY

切なくなるラブソングをたくさん世に送り出し、ずっと愛され続けているバンド、HY。
この曲『時をこえ』は2010年にリリースされたアルバム『Whistle』に収録されています。
言葉の一つひとつに沖縄出身のバンドだからこそ歌える、伝えられる歌詞に胸が締め付けられる思いになりませんか?
祖母から聞かされた戦争にまつわる話、戦争から生まれるものなど何もないと思わされます。
命の大切さはもちろん、戦争はいけないことだとずっと語り継がれるべきだと強く思える楽曲です。
コバルトブルーThe Back Horn

反戦の思いを込めたTHE BACK HORNの楽曲は、人生のはかなさと再生をテーマにした深い歌詞が特徴です。
夜明けとともに風になり、一つになるという表現は、人々の結束と連帯を象徴しています。
2005年3月にリリースされたアルバム『Headphone Children』に収録され、映画『CASSHERN』の挿入歌としても使用された本作は、力強いギターリフとメロディックなボーカルが印象的な楽曲。
世界の不条理さに苛立ちながらも、生きる証を刻もうとする姿勢が描かれており、人生に悩む人々の心に寄り添う1曲となっています。
教訓I加川良

フォークシンガーの加川良さんが1971年に発表したファーストアルバムに収録されている代表曲で、命を何よりも大切にしなさいと歌った反戦歌です。
2020年に女優の杏さんが弾き語りで歌ったことでも注目されました。
演奏される音色の温度感や牧歌的な雰囲気との差を感じることもあって歌詞がより身に染みます。
たとえ国を守る意思が強くとも、それ以上に命を守ることが未来につながっていく。
そう信じずにはいられない願いがこめられています。
A NEW STYLE WAR浜田省吾

1986年9月に発売された、浜田省吾さんの名盤『J.BOY』の冒頭を飾る社会派ロック。
この楽曲が描くのは、国家間の武力衝突ではなく、テロや格差、情報のなかにひそむ見えない脅威。
まるで現代を予見していたかのような歌詞の世界観に、ハッとさせられる方も多いのではないでしょうか?
本作が収録されたアルバムはオリコンチャートで初の1位を獲得し、第28回日本レコード大賞で優秀アルバム賞に輝いています。
社会の仕組みや本当の自由について、じっくり考えたいときに聴いてみたい1曲ですね。
RussiansSting

ロックバンドのポリスを結成し、さまざまな名曲を世に放ってきたイングランドのミュージシャン、スティングさん。
『RUSSIANS』は彼が1985年に発表したソロデビュー作品の『The Dream of the Blue Turtles』に収録された楽曲です。
ロシアの作曲家、セルゲイ・プロコフィエフの組曲である『キージェ中尉』第2曲が引用されており、1980年代の東西冷戦の中で生まれた反戦歌。
加害者と被害者という視点だけではない、同じ人間として同じように子供を愛する心を問いかけている歌詞が刺さります。
この曲を聴くとよりいっそう、立場は違えどそうした愛情を持って接する大切さを考えられます。
タガタメMr.Children

J-POPシーンにおいて誰もが親しみやすい名曲を多く歌ってきたMr.Childrenですが、中にはこういった強いメッセージソングもあります。
2004年にリリースされた名盤『シフクノオト』の収録曲。
子供たちの未来を自分たちで壊してしまうことの愚かさや嘆きが描かれた激しい怒りと同時に、人とのつながりや寄りそうことの真を歌っていて鋭く突きつけられます。
アルバムで最後の楽曲『HERO』に続く位置付けでもあり、一人の人を思うことにつながる1曲ではないでしょうか。
桜ひとひらMISIA

桜の花びらに託した平和への思いが胸に迫る1曲。
歌詞には、戦争の悲しみを繰り返さないという強いメッセージが込められています。
MISIAさんの圧倒的な歌唱力と情感豊かな歌声が、聴く人の心に深く響く本作は、2015年2月に発売されたシングル『白い季節/桜ひとひら』に収録され、テレビ東京系ドラマスペシャル『永遠の0』の主題歌として起用されました。
春の訪れとともに、平和について考えるきっかけを与えてくれる楽曲です。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(111〜120)
愛の世代の前に浜田省吾

広島県出身の浜田省吾さんによる、強烈な反核メッセージが込められたロックナンバーです。
1981年9月に発売されたアルバム『愛の世代の前に』の表題曲で、彼の平和への揺るぎない意志が感じられます。
この楽曲で描かれるのは、核の脅威のもとで生きる世代の虚無感や、未来を案じる切実な思い。
歌詞の中に出てくる閃光という言葉は、原爆の悲劇をありありと想起させますよね。
音楽の力強さとともに、争いのない日常がいかに大切かを改めて考えさせてくれる、魂を揺さぶる1曲です。
返信竹内まりや

世界中で見直されつつある日本産のシティポップを象徴するシンガーソングライター竹内まりやさんの32作目のシングル曲。
映画『出口のない海』の主題歌として書き下ろされた楽曲で、『シンクロニシティ (素敵な偶然)』との両A面シングルとしてリリースされました。
戦争で散ってしまった命を胸に未来へ進んでいこうとする歌詞は、残された人たちの悲しみや強さをリアルに描いていますよね。
誰もが幸せになれない戦争の無意味さや、それでも歩いていかなければいけない切なさを実感させられる、聴いていて胸を締めつけられるミディアムバラードです。
おばぁの涙Cojaco

平和への祈りが込められたCojacoの『おばぁの涙』。
沖縄戦の悲しみを背負った方の話を元に作られた歌だそうです。
美しい曲ですが、歌詞を読むと涙をこぼさずにはいられません。
戦争がどれほどつらく悲痛なものであったか、この曲を聴けばかならず感じられるはずです。
同じ過ちを繰り返さないために、語り継いでいくべき1曲だと思います。
いつも見ていたヒロシマ吉田拓郎

J-POPにおけるロックやフォークといったジャンルをメジャーにまで押し上げた功労者としても知られているシンガーソングライター吉田拓郎さんの楽曲。
11thアルバム『アジアの片隅で』に収録されている楽曲で、アコースティックギターの繊細な音色とノスタルジックなメロディーが心地いいですよね。
終戦の翌年に鹿児島県で生まれた吉田拓郎さんの目に映る広島県からは、戦争の悲惨さと同時に立ちあがろうとする人間の力強さを感じられたのではないでしょうか。
二度と繰り返してはいけない過ちを思い出させてくれる、不朽の反戦歌です。
What’s Going OnMarvin Gaye

『What’s Going On』は、マーヴィン・ゲイさんがベトナム戦争から帰還した弟から戦場の様子を聴き、反戦曲として、アル・クリーヴランドさん、レナルド・ベンソンさんらとともに書き上げました。
印象的な曲とともにメッセージ性の高いこの曲は、たくさんのアーティストにカバーされています。
フランシーヌの場合新谷のり子

ベトナム戦争への抗議のためにパリの路上で焼身自殺したフランシーヌ・ルコントさんのことを歌った反戦歌で、この事件は多くの日本人に衝撃を与えました。
たった一人の人間の死が世界を変えることなどないけれど、人々の心に残り続けているという大きなメッセージが込められています。
希望のうたMISIA

その圧倒的な歌声で世間を魅了し続けるMISIAさん。
この曲『希望のうた』は、世界中の戦争に反対する感情を音に表現したMISIAさんの名曲です。
この曲は矢野顕子さんが平和に対する熱い気持ちを込めて、MISIAさんに楽曲提供されたもの。
その歌詞には「あきらめずに歩み続ければ必ず明るい未来が来るはず」という、永遠の希望が力強く響きます。
また、歌の序章となるイントロ部分は、まるでオペラの開演を予感させるかのような荘厳さと神々しさに満ちています。
多くの人たちから心からの支持を得ているこの曲は、そこに強く訴えられるメッセージがあるからこそ、言葉の壁を超えて人々の心を揺さぶっています。
虹の麓元ちとせ

奄美民謡歌手としても活躍する元ちとせさんが歌う、平和への願いが込められた楽曲です。
民謡の特徴ともいえるうねりのある歌唱と、レゲエをベースにした明るくゆったりとしたサウンドが印象的ですね。
宝物が埋まる場所といわれる虹のふもとがタイトルにあるように、遠い目標への強い願いと、助け合って目標に向かおうとする心が伝わってきます。
それぞれが平和という大きな目標を持ち、助け合いながら進んでいくことが大切であると教えてくれているようです。
快走!ラスプーチンザ・リーサルウェポンズ

日本人とアメリカ人による2人組ロックユニットとして、さまざまなカルチャーから着想を得た作品をYouTube中心に発表しているザ・リーサルウェポンズの楽曲。
帝政ロシア末期に実在した祈祷師ラスプーチンの予言をベースに制作された楽曲で、コミカルな中にあるストレートなメッセージが強烈なインパクトを作り出しています。
人類の歴史上何度も繰り返される争いという現実の中で、いつの時代もそれを止めようと奔走した人の存在を感じさせるストーリーからは勇気をもらえるのではないでしょうか。
悲惨な現状を少しでも早く終わらせてほしいと思わせる、何度も聴きたくなるロックチューンです。
大空の弟福来スズ子

福来スズ子さんが歌うこの曲は、戦争の影響下にある家族の思いを繊細に描き出した心に響く1曲です。
遠く離れた場所にいる弟への思いや、日々の生活のなかでの不安が優しい言葉でつづられており、聴く人の心を打ちます。
NHKの連続テレビ小説『ブギウギ』の劇中歌として披露されたこの曲は、2023年12月に発売されたアルバム『福来スズ子傑作集』に収録。
戦争を体験した人々の思いが込められており、平和の大切さを訴えかけています。
戦争の苦しみを知るすべての人、そして平和を望む人々に聴いてほしい1曲です。


