【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り
音楽にはときに人の心を動かし、社会に大きな影響を与える力があります。
なかでも平和への願いを込めた反戦歌は、時代をこえて多くの人々に戦争の悲惨さや平和の尊さを訴えかけてきました。
日本の音楽史に刻まれた反戦歌には、現代を生きる私たちが決して忘れてはならない深いメッセージが込められているのです。
この記事では、邦楽曲を中心に日本の反戦歌をピックアップし、楽曲の背景や歌詞に込められた思いについて解説します。
この機会に、改めて戦争と平和について、思いを巡らせてはいかがでしょうか。
【心に刺さる反戦歌】日本の名曲が伝える平和への祈り(111〜120)
No more warGReeeeN

『愛唄』や『キセキ』など、デビュー以来数多くのヒットチューンを世に送り出してきた4人組ボーカルグループ、GReeeeN。
2ndアルバム『あっ、ども おひさしぶりです』に収録されている楽曲『no more war』は、哀愁を感じさせるギターのアルペジオのイントロが耳に残りますよね。
一部の愚かな大人のために、何も知らない子供たちが命を落とす事への憂いと憤りを紡いだメッセージからは、戦争という行為が奪う未来の重さを考えさせられるのではないでしょうか。
奥行きのあるアンサンブルに乗せたラップや疾走感のあるサビが心を震わせる、叙情的なポップチューンです。
教訓I加川良

フォークシンガーの加川良さんが1971年に発表したファーストアルバムに収録されている代表曲で、命を何よりも大切にしなさいと歌った反戦歌です。
2020年に女優の杏さんが弾き語りで歌ったことでも注目されました。
演奏される音色の温度感や牧歌的な雰囲気との差を感じることもあって歌詞がより身に染みます。
たとえ国を守る意思が強くとも、それ以上に命を守ることが未来につながっていく。
そう信じずにはいられない願いがこめられています。
祈りさだまさし

フォークデュオ、グレープでメジャーデビューを果たし、その叙情的な楽曲や軽妙なトークで長年に渡りファンを魅了しているシンガーソングライターさだまさしさんの楽曲。
8thアルバム『風のおもかげ』に収録されている楽曲で、自身の出身地にして被爆地でもある長崎県への祈りが込められたナンバーです。
透明感のある歌声に乗せた平和へのメッセージは、かつて戦争の犠牲となった地で生まれ育ったからこそのリアルな思いが詰め込まれていますよね。
戦争が奪ってしまう未来の尊さを考えさせられる、日本人だからこそ歌える反戦歌です。
快走!ラスプーチンザ・リーサルウェポンズ

日本人とアメリカ人による2人組ロックユニットとして、さまざまなカルチャーから着想を得た作品をYouTube中心に発表しているザ・リーサルウェポンズの楽曲。
帝政ロシア末期に実在した祈祷師ラスプーチンの予言をベースに制作された楽曲で、コミカルな中にあるストレートなメッセージが強烈なインパクトを作り出しています。
人類の歴史上何度も繰り返される争いという現実の中で、いつの時代もそれを止めようと奔走した人の存在を感じさせるストーリーからは勇気をもらえるのではないでしょうか。
悲惨な現状を少しでも早く終わらせてほしいと思わせる、何度も聴きたくなるロックチューンです。
いつも見ていたヒロシマ吉田拓郎

J-POPにおけるロックやフォークといったジャンルをメジャーにまで押し上げた功労者としても知られているシンガーソングライター吉田拓郎さんの楽曲。
11thアルバム『アジアの片隅で』に収録されている楽曲で、アコースティックギターの繊細な音色とノスタルジックなメロディーが心地いいですよね。
終戦の翌年に鹿児島県で生まれた吉田拓郎さんの目に映る広島県からは、戦争の悲惨さと同時に立ちあがろうとする人間の力強さを感じられたのではないでしょうか。
二度と繰り返してはいけない過ちを思い出させてくれる、不朽の反戦歌です。
廃虚の鳩ザ・タイガース
ジュリーの愛称で知られ、現在も音楽活動や俳優活動を精力的におこなっている沢田研二さんを擁したザ・タイガースの7作目のシングル曲。
グループサウンズ特有の哀愁と浮遊感に乗せた、人間の持つ負の側面を描いた歌詞が心に響きますよね。
自分たちで作り上げたものを一瞬で破壊してしまう戦争の愚かさと、失敗から学べるという希望を感じさせる歌詞は、人間の弱さを認めながらも強さを信じる祈りとも受け取れるのではないでしょうか。
誰もが何度でもやり直せるというメッセージが印象的な、世界中の人たちに知ってほしい反戦歌です。
死んだ女の子元ちとせ

あまりにも悲しい現実をそのまま歌われた反戦歌です。
トルコの詩人ナーズム・ヒクメットさんが1956年に発表した詩で、広島市への原子爆弾投下により亡くなった7歳の少女を題材としており、翻訳され世界中で歌われるようになった有名な曲です。
日本語での歌詞はつらく心が痛い本当の反戦歌ともいえるでしょう。
救われることはこの曲が世界の人々に歌われた事実です。
二度と繰り返してはいけないという思いがあふれています。