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華麗なる歌声の世界。オペラから歌曲まで、人気の声楽曲特集

歌い手の身体そのものが楽器になるのが「声楽」。

あまりちゃんと聴いたことはないという人も多いのではないでしょうか?

声楽曲にはオペラや歌曲などさまざまなものがありますが、初心者にもぜひぜひおすすめしたい有名な曲を集めました。

人の体からこんなに豊かな表現が生まれるのか!と、感動することまちがいないですよ。

メロディだけでなく歌詞やストーリーを意識しながら聴いてみるのもおすすめです。

華麗なる歌声の世界。オペラから歌曲まで、人気の声楽曲特集(21〜30)

サムソン HWV.57 より「万軍の主よ、帰りたまえ」Georg Friedrich Händel

ヘンデル サムソン(オラトリオ) HWV.57 より 「万軍の主よ、帰りたまえ」 クラシック 作業用BGM
サムソン HWV.57 より「万軍の主よ、帰りたまえ」Georg Friedrich Händel

バロック音楽の巨匠、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルによるオラトリオの名作『サムソン』。

その劇中で歌われるこの作品は、絶望の淵にいる英雄と、英雄を想う民の切実な祈りを描いています。

そんな本作の魅力は、アルト独唱による内省的な祈りが、やがて荘厳な合唱へと発展していく部分。

神への深い嘆願と、苦難のなかで希望を求める人々の想いを見事に表現した楽曲です。

1743年の初演時から高い評価を得ており、名歌手キャスリーン・フェリアーが残した1952年10月の録音は歴史的名盤として知られています。

荘厳な物語を持つクラシック音楽が好きな方はぜひ!

帰れソレントへErnesto De Curtis

Luciano Pavarotti. Torna a Surriento. London 1982.
帰れソレントへErnesto De Curtis

『帰れソレントへ』。

エルネスト・デ・クルティスが作曲したカンツォーネです。

カンツォーネの意味はナポリ民謡ですが、民謡とあり親しみやすさが特徴です。

町の広場でごきげんに歌う姿が想像できますね。

のびやかで迫力満点の声量、陽気でかっこいい作品です。

約束の地~The Promised Land~植松伸夫

讃美歌を思わせる神聖なコーラスが印象的な楽曲です。

作曲を担当したのはゲーム音楽の巨匠として世界的に知られる植松伸夫さんで、荘厳なコラール風の作品に仕上げられています。

ラテン語で歌われる詞には、なぜ人は罪を背負い苦しむのか、そして命はどこへ還るのかといった根源的な問いと、避けられない運命への哀しみが込められているようです。

この楽曲は、2005年9月発売のサウンドトラック『FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN』に収録。

映像作品の挿入曲として、登場人物たちが天へと昇っていく感動的な場面で使用されました。

壮大な物語の世界に静かに浸りたい夜におすすめです。

聖エリーザベトの伝説Franz Liszt

ピアノの魔術師として有名なフランツ・リストですが、祖国ハンガリーの聖女をテーマにした壮大な宗教音楽も作曲したことはご存じでしょうか?

この楽曲は、テューリンゲン方伯家に嫁いだ王女エリーザベトの慈愛に満ちた生涯を描いたオラトリオです。

実はこの壮大な構想は、ワルトブルク城にある連作フレスコ画から着想を得たという経緯があるのです。

聖女を象徴する祈りの旋律が全編を通じて繰り返し現れ、物語に深い精神性と統一感を与えているのが本当に素晴らしいですよね。

1865年8月にリスト自らの指揮で初演された本作は、ヤーノシュ・フェレンチク指揮の『Hungaroton』盤などで聴くことが可能です。

オペラとは違う、荘厳な合唱と管弦楽が織りなす感動的な音の世界に浸りたい時にオススメです!

マタイ受難曲J.S.Bach

バッハ《マタイ受難曲》全曲 リヒター指揮(1958)
マタイ受難曲J.S.Bach

バロック音楽を代表するヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲した、受難オラトリオの最高峰と称される大作です。

二つの合唱とオーケストラが織りなす壮麗な音の建築は、まさに圧巻の一言。

この楽曲は、聖書の物語をなぞるだけでなく、登場人物の痛切な心情を映すアリアや、聴き手自身の祈りとなるコラールが深く胸に響きます。

1829年にメンデルスゾーンが再演し、バッハ再評価の大きなきっかけとなったことでも有名ですよね。

カール・リヒター指揮の名盤『Matthäus-Passion』をはじめ数々の録音が存在し、時代を超えて愛され続けています。

本作は、壮大な音楽の世界に身を委ね、深い感動に浸りたいときにぴったりの不朽の名作です。

ヨハネ受難曲J.S.Bach

Bach – St John Passion BWV 245 – Van Veldhoven | Netherlands Bach Society
ヨハネ受難曲J.S.Bach

荘厳なハーモニーと劇的な展開で、聖書の物語を音楽で表現する受難オラトリオの金字塔。

音楽の父ヨハン・ゼバスティアン・バッハによる本作は、福音史家の語りを軸に、激しく感情をぶつける群衆の合唱と、個人の深い嘆きや祈りを歌うアリアが交錯する構成なのです。

まるで壮大なオペラを聴いているかのような緊張感と、魂を静めるコラールの安らぎが同居する世界観に引き込まれますよね。

この大作は1724年4月7日にライプツィヒで初演され、今日ではBach Collegium Japanによるアルバム『J.S. Bach: St. John Passion, BWV 245』など数多くの名盤が存在します。

物語性豊かなクラシック音楽にじっくりと浸りたいとき、そのドラマティックな響きに心を委ねてみてはいかがでしょうか。

オラトリオ「日蓮聖人」黛敏郎

黛敏郎:オラトリオ「日蓮聖人」(初演)
オラトリオ「日蓮聖人」黛敏郎

戦後の日本音楽界を代表する作曲家として知られる黛敏郎さん。

現代音楽のみならず映画音楽の分野でも活躍した音楽家です。

黛さんの作品のなかでも、仏教的世界観を西洋のオラトリオ形式で表現したこの大作は、まさに圧巻の一言に尽きます。

日蓮の生涯を「海・花・光・雪・山」の5部構成で描き、日本語の朗読と重厚な合唱、シンフォニックなオーケストラが一体となって壮大な物語を紡ぎだすのですね。

終盤、題目を反復しながら高揚していくクライマックスは、聴く者の魂を揺さぶるでしょう。

本作は、日蓮聖人第七百遠忌の記念事業として1982年4月に初演された作品です。

西洋音楽の枠組みに日本の精神性を融合させた、唯一無二の音楽体験を求める方にぜひ聴いていただきたい名曲です。