ピアノが弾けたらかっこいいし楽しいだろうな……と思われている方はきっと多いはず!
私は普段、自宅でピアノを教えていますが、「今からでも弾けるようになれるでしょうか?」とお越しくださる大人の生徒さんもたくさんいらっしゃいます。
そこで今回は、難しそうで意外にピアノで弾きやすいピアノ曲を、クラシックを中心にご紹介します!
楽曲の本質を追求して完ぺきに弾くとなると相当なテクニックが必要になりますが、中にはピアノをはじめて間もない方でも弾けるシンプルなアレンジの楽譜が出版されている場合もあります。
これからピアノを始めようと考えている方や、いつか発表会で弾きたいと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
【ピアノ名曲】難しそうで意外と簡単!?発表会にもオススメの作品を厳選(1〜5)
サマータイムGeorge Gershwin

ジャズとクラシックを融合させた独特の魅力あふれる本作は、子守唄として書かれた温かな曲調が印象的。
1935年に初演されたオペラ『ポーギーとベス』のなかで歌われ、その後ジャズスタンダードとして世界中で親しまれてきました。
ガーシュウィンさんらしい美しいメロディと、ジャズの要素を取り入れたリズムが絶妙なバランス。
シンプルなアレンジなら、ピアノをはじめて間もない方でも挑戦しやすいでしょう。
発表会でインパクトのある演奏をしたい方にもピッタリの1曲です!
乙女の祈りTekla Bądarzewska

ポーランドの作曲家テクラ・バダジェフスカによる本作は、多くのピアノ曲集に収録されています。
甘美なメロディが印象的なこの曲は、跳躍が多いため音ミスなく仕上げるのはなかなか大変!
ですが、テーマが変奏曲のように形を変えて繰り返されるシンプルな構成なので、譜読みや暗譜に苦労することはないでしょう。
1856年にワルシャワで初めて出版された本作は、その後世界中で愛され、日本へは明治時代に持ち込まれました。
メロディが1オクターブの重音になっているため、手が固まって音が硬くならないよう気を付けてくださいね。
練習曲 変イ長調 Op.25-1「エオリアンハープ」Frederic Chopin

ポーランド生まれのピアニスト兼作曲家、フレデリック・ショパンによる、風に揺れるエオリアンハープの音色を連想させるアルペジオが印象的な練習曲です。
1835年に作曲された本作は、優雅で流れるような旋律が特徴的で、ピアノ独特の美しさが存分に引き出されています。
決して易しい曲ではありませんが、ショパンの他の練習曲と比べると随分弾きやすい作品といえるでしょう。
繊細な表現力が求められる一方で、ショパンならではの詩的な世界観を楽しめる1曲です。
3つの演奏会用練習曲 S.144/R.5 第3曲「ため息」Franz Liszt

静かに波打つアルペジオの上に、一言ずつ丁寧に言葉を紡いでいくようなやさしく穏やかなメロディが重なる、フランツ・リストの詩的で美しい楽曲。
1848年から1852年にかけて作曲されたこの曲は、リストの作品のなかでも人気が高く、演奏会でもたびたび取り上げられています。
技巧面の難易度は高いものの、なめらかに手が交差する様子も美しく、視覚効果の高い曲でもあります。
ピアノの魔術師と呼ばれたリストならではの、技巧と芸術性を兼ね備えた作品。
十分に歌いながら、情感を込めて演奏したい1曲です。
5つの小品(樹木の組曲) Op.75 第5曲「樅の木」Jean Sibelius

フィンランドの自然を音楽で表現した作曲家、ジャン・シベリウスさん。
彼の『5つの小品(樹木の組曲)Op.75』の最後を飾る本作は、静かな雪山に立つ樅の木を連想させる、穏やかな1曲です。
1914年に作曲されたこの曲は、フィンランドの風土を色濃く反映しており、聴く人の心に静かな感動を呼び起こします。
繊細なタッチと表現力が求められる本作は、ピアノの魅力を存分に味わえる作品として、発表会曲や演奏会のアンコール曲としてたびたび演奏されています。
1音1音丁寧に奏でながら、北欧の美しい景色に思いをはせてみませんか?
【ピアノ名曲】難しそうで意外と簡単!?発表会にもオススメの作品を厳選(6〜10)
ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 Op.27-2「月光」第1楽章Ludwig van Beethoven

『月光ソナタ』という愛称でも知られているベートーヴェンによる楽曲。
ベートーヴェンの弟子となった14歳年下の伯爵令嬢ジュリエッタに贈った曲でもあります。
ゆるやかな第1楽章、軽やかな第2楽章、テンポの速い第3楽章で構成されています。
第1楽章はゆっくりとしたリズムなので、ピアノ初心者の方にとてもオススメです。
同じリズムの繰り返しと静かに進んでいく曲調が、月光の幻想的な雰囲気をかもしだしてくれますね!
無言歌集 第4巻 Op.53 第3曲「プレスト・アジタート(胸騒ぎ)」Felix Mendelssohn

ドイツロマン派の巨匠フェリックス・メンデルスゾーンが手掛けた『無言歌集』。
その第4巻に収められている本作は、その名の通り熱く激しい感情を表現した、情熱的な小品です。
1841年に作曲された本作は、メンデルスゾーンの優れた作曲技術と豊かな感情表現が随所に見られる名曲。
テクニック的には難易度が高めですが、音楽を通して言葉では言い表せない感情を伝えるというメンデルスゾーンの意図が込められた、魅力的な作品です。
ロマン派音楽の深い感情表現に触れたい方や、ピアノの表現力を磨きたい方にオススメの1曲。
丁寧に練習を重ねて、ぜひチャレンジしてみてくださいね!