歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手
ひと口に「歌が上手い」と言っても、その方向はさまざま。
驚異的にピッチ(音程)が安定していたり、超人的な音域があったり、絶妙なリズム感を持っていたり、圧倒的な歌声であったり。
今回は、そんな様々な方向から「歌が上手い」と定評のある女性シンガーさんたち、また僕が長年のボーカルプロデューサー、ボイストレーナーとしての経験から「この人は上手い!」と思う女性シンガーさんたちをピックアップしてみました。
もちろん、シンガー、ボーカリストの魅力は必ずしも「歌の上手さ」にだけあるわけではありませんが、たまには「上手さ」にこだわって聴いてみるのも良いのではないでしょうか?
シンガーを目指す方のご参考にもしていただけると幸いです。
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(1〜10)
美人ちゃんみな

多くの世代の女性から圧倒的な支持を集めるフィメールラッパー、ちゃんみなさん。
K-POPとヒップホップから影響を受けたそうで、ラッパーでありながら、高いボーカルテクニックも有しています。
そんな彼女の魅力はなんといっても、ミックスボイスでしょう。
日本の女性アーティストとしては珍しい、シャウトを効かせたミックスボイスを得意としています。
この手のミックスボイスができる女性アーティストは、日本においては非常に稀有です。
フェイクやフォールといった技術もしっかりとしているので、ぜひチェックしてみてください。
向日葵Ado

Adoさんの通算18作目の配信限定シングルで、2023年7月リリース。
TBS系火曜ドラマ『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』主題歌に採用されています。
この楽曲で聴けるAdoさんの歌唱、楽曲のフレーズごと、パートごとに要求される歌声、発声の使い分けによる歌唱表現が見事だと思います。
メロディそのものはそんなに難解なものではありませんが、この「発声の使い分け」に着目して楽曲を分析してみると、きっと得られるものがたくさんあると思いますので、シンガーを目指す方にはぜひじっくりと聴いていただきたい一曲です。
ひゅるりらぱっぱtuki.

若者から絶大な支持を集める女性シンガーソングライター、tuki.さん。
大ヒットソング『晩餐歌』で全国的な人気を博し、以降もビッグチューンを量産し続けていますよね。
そんな彼女の魅力はなんといっても、ピッチコントロール。
こちらの『ひゅるりらぱっぱ』を聴いても分かるように、ファルセットと地声を繰り返すようなボーカルラインでもピッタリとピッチを合わせてきます。
フェイクやフォール、ヒーカップやシャウトといった技術は一流ではないものの、ことピッチコントロールに関してだけなら、間違いなくトップクラスの実力を持っていると言えるでしょう。
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(11〜20)
Pick you upiri

邦楽の女性アーティストとしては珍しい低音ボイスを持ったシンガーソングライター、iriさん。
初期はポップ色の強いR&Bを主体としていましたが、最近はネオソウルやオルタナティブR&Bなどを主体とした、コアな音楽性を持ち味としていますよね。
そんな彼女の魅力はなんといっても、フォール。
ファルセットも上手く、低音のフォールとのコントラストが非常に印象的です。
音楽性にも優れたアーティストなので、ぜひチェックしてみてください。
Style清水美依紗

バラエティなどでも活躍している女性シンガー、清水美依紗さん。
洋楽から影響を受けたということもあり、高い歌唱力を持っている彼女。
なかでも、高音域におけるフェイクは抜群の安定感をほこります。
ビブラートのブレが多いアーティストですが、それはあくまでも低音のみで、高音域に関しては日本でもトップクラスの歌唱力を持っていると言えるでしょう。
特にホイッスルボイスのピッチコントロールが凄まじく、こちらの『Style』では彼女のホイッスルボイスをたっぷりと味わえます。
ぜひチェックしてみてください。
RE RESCUEREOL

キレのあるダンスミュージックで人気を集める女性シンガーソングライター、Reolさん。
『第六感』で人気を博し、以降もビッグチューンを連発しているので、ご存じの方は多いと思います。
そんな彼女は大衆ウケしているアーティストとしては、珍しくしっかりとした歌唱力を持っています。
ジャンルがジャンルなので注目されませんが、フェイクも完成度が高く、自分の声質を最大限に活かしたスピード感にあふれたボーカルは圧巻です。
キャリアを重ねるごとに歌唱力に磨きがかかっているので、5~10年後の彼女に期待が高まりますね。
瓦礫に咲く花南條愛乃

声優、女優、シンガー、音楽ユニットのボーカリスト……と多彩なフィールドで活躍されている南條愛乃さん。
今回ここでご紹介している『瓦礫に咲く花』は、PCゲーム『グリザイア クロノスリベリオン』エンディングテーマとして制作されたものですが、さすが「声」を扱うプロフェッショナル!
楽曲全編に渡ってとても魅力的で安定した歌声、歌唱を聴かせてくれています。
この安定した歌声と安定したピッチは、特筆に値するのではないでしょうか。