歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手
ひと口に「歌が上手い」と言っても、その方向はさまざま。
驚異的にピッチ(音程)が安定していたり、超人的な音域があったり、絶妙なリズム感を持っていたり、圧倒的な歌声であったり。
今回は、そんな様々な方向から「歌が上手い」と定評のある女性シンガーさんたち、また僕が長年のボーカルプロデューサー、ボイストレーナーとしての経験から「この人は上手い!」と思う女性シンガーさんたちをピックアップしてみました。
もちろん、シンガー、ボーカリストの魅力は必ずしも「歌の上手さ」にだけあるわけではありませんが、たまには「上手さ」にこだわって聴いてみるのも良いのではないでしょうか?
シンガーを目指す方のご参考にもしていただけると幸いです。
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(51〜60)
薔薇のように咲いて 桜のように散って松田聖子

2016年9月リリースの松田聖子、通算82枚目のシングル。
作詞、作曲、アレンジは、X JapanのYOSHIKIで、TBS系火曜ドラマ『せいせいするほど、愛してる』の主題歌に起用されています。
1980年のデビュー当時は、決して歌が上手いとは言えない、可愛いアイドルだった「聖子ちゃん」。
しかし、すっかり大人のシンガーとして成長していることがよくわかる歌唱になっています。
30年以上に及ぶ歌手生活は伊達ではないことを雄弁に物語っていますね!
YOSHIKI x 松田聖子という異色の(?)のコラボが楽しめるのも、この楽曲の聴きどころでしょう。
ソフトなピアノの音色と高音の倍音成分の多い松田聖子の声が絶妙にマッチしていて、とても気持ちよく聴ける一曲に仕上がっています。
My Revolution渡辺美里
日本の女性シンガー、シンガーソングライターの渡辺美里さん。
今回ご紹介するの『My Revolution』は、その4作目のシングルで1986年1月22日リリース。
ちなみに作曲は小室哲哉さん。
近年のシンガーさんの歌唱は、その発声法や表現、楽曲など非常に複雑なものが多いのですが、この楽曲は非常に正統派なポップソングで、そこで聴ける渡辺美里さんの歌唱も、その発声、歌唱表現力など、とてもわかりやすい正統的な「歌の上手さ」を感じさせてくれます。
そういう意味では、今のお若い世代の方には少し時代を感じさせてしまう歌唱スタイルかもしれませんが、こういう正統派な歌唱スタイルは時代を超えて生き続きるものだと思います。
当時をリアルタイムで知らない世代の方にこそ聴いていただきたい女性ポップシンガーです。
やさしさで溢れるようにJUJU

日本の女性シンガー、JUJUの9作目のシングルでリリースは2009年2月。
高い歌唱力で定評のあるJUJUですが、元々ジャズに強く影響を受けていた彼女の歌唱は、デビュー当時は子音の発音など今とは全く違ったもので、また喫煙していたこともあって、現在のような透明感のあるハイトーンを生かしたものではなかったそう。
喫煙を止めることで声がクリアになり、音域も広がったとのことなので、歌う人間にとってタバコは良くない!と言う好例かもしれないですね。
彼女の歌唱、ジャズに影響を受けているだけあってか、16ビート感を失わないバイブのある歌唱も特筆ものですね。
あなたが泣いてしまう時は柴田淳

日本の女性シンガー、柴田淳の12枚目のアルバム『ブライニクル』収録曲で2018年10月リリース。
非常に落ち着いた優しい、ソフトな歌声が魅力の柴田ですが、このスローバラードも、そんな柴田の魅力が存分に味わえる楽曲に仕上がっています。
ハイトーンの箇所でも刺激的にならず、ミックスボイスとファルセットをうまく使った発声の切り替えによる表現は、非常に高度だと思います。
大人な女性を感じさせる一曲ですね!
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(61〜70)
もし君を許せたら家入レオ

高次倍音成分をたくさん含んでいると思われる、明るい…というよりは非常に輝きのある優しい歌声は、歌が始まった途端に一瞬にして聴く人の耳を奪ってしまう魅力を備えていますね。
圧倒的な声量や音域などで圧倒するような歌唱ではありませんが、優しく語りかけるようなソフトな歌声の中にある説得力は、生来のものと思われる、その魅力的な歌声と融合して非常に高い完成度を誇る楽曲、歌唱になっていますね。
こういう歌、実際やってみるとなかなか歌えるものじゃないですよ!
レット・イット・ゴー ~ありのままで~松たか子

皆さんご存知、ディズニーアニメ「アナと雪の女王」日本語版の主題歌。
それを歌うのは、アニメの主役エルサの声も務める松たか子。
さすがは歌舞伎の家柄の中で生まれ、早くから舞台も多く経験している彼女、その安定した歌声、日本語歌詞の響のキレイさ、ハイトーンのヌケやキレ、どこを取っても非の打ち所のない歌唱を聴かせてくれます。
この松たか子の歌う日本語版は、海外でも「本家May.Jバージョンよりも心に響く!」と評判になっているようです。
透き通るようなハイトーンが素晴らしいとは先ほども書きましたが、この曲の聞き所は、何と言っても曲のエンディング部分、締めのフレーズじゃないかと思います。
ピッチは外さず、歌として立派に成立させつつも、セリフとしても十分に表現されています。
これ、なかなか普通のシンガーではできないんですよね。
ミュージカルを目指す方はぜひこれをお手本に頑張ってみてください!
恋物語shiki

京都出身のシンガーソングライター、Shikiのファーストアルバム『Love Story』収録のリード曲で、2008年リリース。
これ、実は僕のプロデュース作品で、インディーズ作品なのですが、彼女の素晴らしい歌声をぜひ多くの方に知っていただきたく、今回、ここに掲載することにしました。
ボストンの名門音大、バークリー音楽院で歌を学んだShikiの歌唱はまさに「日本人離れした」もので、メジャー系のシンガーにもまったく引けを取りません。
きっと多くの方に共感していただけるものと思います。
ポップス系のシンガーを目指す方の参考になる部分も多いと思いますので、ぜひお楽しみください。
下記からオススメのアルバムをお聴きいただけます!