歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手
ひと口に「歌が上手い」と言っても、その方向はさまざま。
驚異的にピッチ(音程)が安定していたり、超人的な音域があったり、絶妙なリズム感を持っていたり、圧倒的な歌声であったり。
今回は、そんな様々な方向から「歌が上手い」と定評のある女性シンガーさんたち、また僕が長年のボーカルプロデューサー、ボイストレーナーとしての経験から「この人は上手い!」と思う女性シンガーさんたちをピックアップしてみました。
もちろん、シンガー、ボーカリストの魅力は必ずしも「歌の上手さ」にだけあるわけではありませんが、たまには「上手さ」にこだわって聴いてみるのも良いのではないでしょうか?
シンガーを目指す方のご参考にもしていただけると幸いです。
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(41〜50)
もし君を許せたら家入レオ

高次倍音成分をたくさん含んでいると思われる、明るい…というよりは非常に輝きのある優しい歌声は、歌が始まった途端に一瞬にして聴く人の耳を奪ってしまう魅力を備えていますね。
圧倒的な声量や音域などで圧倒するような歌唱ではありませんが、優しく語りかけるようなソフトな歌声の中にある説得力は、生来のものと思われる、その魅力的な歌声と融合して非常に高い完成度を誇る楽曲、歌唱になっていますね。
こういう歌、実際やってみるとなかなか歌えるものじゃないですよ!
Runwaymilet

miletさんの2ndシングルからの1曲。
彼女の歌声、楽曲冒頭のいわゆるAメロ部分では、かなり脱力したような歌唱をしていて、さほど高い歌唱力を持っているようには聞こえませんが、それが一変するのがサビに入ってからのハイトーン!
地声のハイトーンは、わりと絞り出すように出していて、突き抜けるようなハイトーンというわけではありませんが、何と言っても素晴らしいのは、難しい高音のメロディーをファルセット(裏声)をキレイに使って抜くように歌っているところでしょう。
お世辞にもキレイな声とは言えない平歌部分とのコントラストが鮮明で、まさに賞賛に値する歌に仕上がっていると思います。
女性ボーカルでファルセットの使い方のいいお手本になるような楽曲ですね!
舟唄八代亜紀

八代亜紀さんは1950年生まれ、熊本県出身の日本の演歌歌手。
お父さんは浪曲師だったそうで、そんなお父さんの影響もあってか、小さい頃から合唱コンクールに出場する等、とても歌うことが大好きなお子さんだったそうです。
15歳の時にご両親の反対を押し切って上京し、音楽学院に通いながら銀座のクラブ歌手になり、1971年に『愛は死んでも』でメジャーデビューを果たしました。
この八代亜紀さんの歌の魅力ですが、なんと言ってもその少しハスキーで魅力的な歌声と安定した歌唱力、そしてビブラート、コブシ回しなどを絶妙に使いこなした情感の表現にあるのではないでしょうか。
今回、代表曲の一つである『舟唄』は、彼女の見事な歌唱で「男の気持ち」を表現しており、1曲聴けば彼女の魅力がすぐにわかると思います。
君に夢中宇多田ヒカル

音楽一家に生まれ、ニューヨークで育った経歴を持つ宇多田ヒカルさん。
1998年のデビュー作『Automatic/time will tell』で、日本の音楽シーンにR&Bブームを巻き起こしましたよね。
彼女の登場によって、日本語を16ビートのグルーヴに乗せる歌唱スタイルが一般にも浸透したのではないでしょうか。
翌年の1stアルバム『First Love』は国内約765万枚という記録を打ち立て、日本ゴールドディスク大賞を受賞するなど、その影響力は絶大でした。
R&Bを軸にエレクトロニカなども取り入れた多彩な音楽性ですが、どの曲にも心地よい体の揺れを誘うリズムが根底に流れている印象です。
言葉とビートが一体となる感覚を、ぜひ体感してみてくださいね。
おひさま~大切なあなたへ平原綾香

幼少時からクラシックバレエやピアノを嗜み、音楽高校、音大でサックスを学んだ彼女の歌唱は、そのバックボーンをしっかりと感じさせるように安定しており、特に管楽器(サックス)を習得、経験していることに起因すると思われる卓越した息遣いは非常に見事。
「息」から「声」への変換効率が非常に高くて、高音部で使うフッと力が抜けるような優しい声は、たとえぼーっと曲を聞いていたとしても、一瞬でリスナーを楽曲の世界へ引き込む力を秘めているものと言えるでしょう。
Anything Goes!大黒摩季

大黒摩季は小学生の頃から作曲を行っていたシンガーソングライターです。
「Anything Goes!」は2010年にリリースされたシングルで、「仮面ライダーオーズ/OOO」の主題歌として使われました。
後にバラードバージョンもリリースされています。
あたしの向こうaiko

2014年11月12日に32作目のシングルとしてポニーキャニオンからリリースされた、aikoの32作目のシングル。
フジテレビ系テレビドラマ『素敵な選TAXI』主題歌。
影響を受けたアーティストはKAN、シュガー・ベイブ、松任谷由実、DREAMS COME TRUE、Carole King、Jackson 5、Billy Joel、Stevie Wonderといった、いわゆるちょっと「黒い」人たちと公表されていますが、aiko自身の歌からは、あまり黒い要素は感じられず、一聴しただけでは、あまり本格的シンガーという印象はないかもしません。
しかし、上記のアーティストからの影響は、主に楽曲作りの面で存分に発揮されていますね。
ブルーノートを多用した、とても難解なメロディーを複雑なジャズコードを多用したアレンジの中で見事に歌いこなしているのは特筆に値すると思います。
「この発声でこれを歌えちゃうの?」と驚く部分も非常に多く、生来の才能としての「ピッチ(音程)の良さ」を持ち合わせているのだろうな、と思います。
この曲を実際に歌ってみて、「予想以上に難しい!」「メロディが覚えられない!」なんて思った方も多いのではないでしょうか。





