歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手
ひと口に「歌が上手い」と言っても、その方向はさまざま。
驚異的にピッチ(音程)が安定していたり、超人的な音域があったり、絶妙なリズム感を持っていたり、圧倒的な歌声であったり。
今回は、そんな様々な方向から「歌が上手い」と定評のある女性シンガーさんたち、また僕が長年のボーカルプロデューサー、ボイストレーナーとしての経験から「この人は上手い!」と思う女性シンガーさんたちをピックアップしてみました。
もちろん、シンガー、ボーカリストの魅力は必ずしも「歌の上手さ」にだけあるわけではありませんが、たまには「上手さ」にこだわって聴いてみるのも良いのではないでしょうか?
シンガーを目指す方のご参考にもしていただけると幸いです。
歌が上手い。歌唱力が高い日本の女性歌手(41〜50)
舟唄八代亜紀

八代亜紀さんは1950年生まれ、熊本県出身の日本の演歌歌手。
お父さんは浪曲師だったそうで、そんなお父さんの影響もあってか、小さい頃から合唱コンクールに出場する等、とても歌うことが大好きなお子さんだったそうです。
15歳の時にご両親の反対を押し切って上京し、音楽学院に通いながら銀座のクラブ歌手になり、1971年に『愛は死んでも』でメジャーデビューを果たしました。
この八代亜紀さんの歌の魅力ですが、なんと言ってもその少しハスキーで魅力的な歌声と安定した歌唱力、そしてビブラート、コブシ回しなどを絶妙に使いこなした情感の表現にあるのではないでしょうか。
今回、代表曲の一つである『舟唄』は、彼女の見事な歌唱で「男の気持ち」を表現しており、1曲聴けば彼女の魅力がすぐにわかると思います。
おひさま~大切なあなたへ平原綾香

幼少時からクラシックバレエやピアノを嗜み、音楽高校、音大でサックスを学んだ彼女の歌唱は、そのバックボーンをしっかりと感じさせるように安定しており、特に管楽器(サックス)を習得、経験していることに起因すると思われる卓越した息遣いは非常に見事。
「息」から「声」への変換効率が非常に高くて、高音部で使うフッと力が抜けるような優しい声は、たとえぼーっと曲を聞いていたとしても、一瞬でリスナーを楽曲の世界へ引き込む力を秘めているものと言えるでしょう。
Anything Goes!大黒摩季

大黒摩季は小学生の頃から作曲を行っていたシンガーソングライターです。
「Anything Goes!」は2010年にリリースされたシングルで、「仮面ライダーオーズ/OOO」の主題歌として使われました。
後にバラードバージョンもリリースされています。
あたしの向こうaiko

2014年11月12日に32作目のシングルとしてポニーキャニオンからリリースされた、aikoの32作目のシングル。
フジテレビ系テレビドラマ『素敵な選TAXI』主題歌。
影響を受けたアーティストはKAN、シュガー・ベイブ、松任谷由実、DREAMS COME TRUE、Carole King、Jackson 5、Billy Joel、Stevie Wonderといった、いわゆるちょっと「黒い」人たちと公表されていますが、aiko自身の歌からは、あまり黒い要素は感じられず、一聴しただけでは、あまり本格的シンガーという印象はないかもしません。
しかし、上記のアーティストからの影響は、主に楽曲作りの面で存分に発揮されていますね。
ブルーノートを多用した、とても難解なメロディーを複雑なジャズコードを多用したアレンジの中で見事に歌いこなしているのは特筆に値すると思います。
「この発声でこれを歌えちゃうの?」と驚く部分も非常に多く、生来の才能としての「ピッチ(音程)の良さ」を持ち合わせているのだろうな、と思います。
この曲を実際に歌ってみて、「予想以上に難しい!」「メロディが覚えられない!」なんて思った方も多いのではないでしょうか。
StoryAI

イタリア系アメリカ人のクオーターでロサンゼルス育ち、小さい頃からゴスペルに親しんで育ったというバックボーン持つAIさん。
その彼女のバックボーンを色濃く反映したようなソウルフルな歌唱は、持って生まれた中低域の少しハスキーな歌声とともに独自の歌世界を表現しています。
この『Story』にしても、昨今のポップソングとしては比較的メロディも平易で音域的にも一般の人でも十分に歌えるような音域で作曲されてはいるものの、このAIさんのように楽曲の世界観をしっかりと表現して歌いこなせるシンガーさんは、なかなか他にいないのではないでしょうか。
ブラックミュージックからの影響もしっかりと残しつつ、それをJ-POPとして昇華しているところも賞賛に値するところだと思います。
亜麻色の髪の乙女島谷ひとみ

島谷ひとみは演歌歌手としてデビューしており、いろいろなジャンルの曲を歌いこなす実力の持ち主です。
代表曲である「亜麻色の髪の乙女」は2002年にリリースされました。
島谷が出演した花王のCMソングとして使用されています。
残響散歌Aimer

このAimerさん、いい意味で少し曇った歌声がとても魅力的なシンガーさんですが、その歌声が、どちからといえばクリアで突き抜けるような声の方が合うことが多い激しいロック調の楽曲の中でも、とても魅力的に響いていることが多いように感じます。
筆者の勝手なイメージですが、宇多田ヒカルさんがロックを歌っているようなイメージ…と言えばわかりやすいでしょうか。
J-POP、J-ROCKのある意味での新しい方向性を感じさせてくれるシンガーさんだと思います。





