世界中で愛されている賛美歌と聖歌。
キリスト教の神をたたえる歌として知られている賛美歌と聖歌ですが、日本では仏教徒が多いため知名度は決して高くありません。
優れた楽曲も多いのですが、探しづらい部分が難点ですね。
今回はそんな賛美歌と聖歌の有名な作品をピックアップしてみました。
作品が作られた経緯や、歌詞の意味なども細かく解説しているので、賛美歌と聖歌の知識がない方でも楽しめる内容です。
日々のストレスで疲弊しきった心を賛美歌と聖歌で癒やしてみてはいかがでしょうか?
それではごゆっくりとお楽しみください!
【讃美歌】有名な賛美歌・聖歌。おすすめの讃美歌・聖歌(1〜10)
いつくしみ深きJoseph M. Scriven, Charles Crozat Converse

日本ではなじみの深い『いつくしみ深き』。
聞き慣れた曲ということで、葬儀や結婚式、入学式でも歌われることがあります。
作曲家のチャールズ・コンヴァースが当時、作者不詳であったこの詞に感銘して作曲をし、完成したと言われています。
作詞者ジョセフ・スクライヴンの婚約者が結婚直前に亡くなり、深く悲しみ失望していた彼が、その苦しみの中でイエス・キリストに祈り、全ての苦しみをイエスにゆだねた時に生まれた詞といわれています。
「悲しみや困難が訪れたとき、イエス・キリストはいつでも見守っている」という思いが込められている賛美歌です。
讃美歌320番「主よみもとに近づかん」Sarah Adams

『旧約聖書』の中の一節を基に、イギリスのサラ・フラー・アダムスによって19世紀に詩が書かれました。
現在知られている旋律は、アメリカの作曲家ローウェル・メイスンによって書き起こされた旋律が基となっています。
1912年、豪華客船タイタニック号が沈没する際に、沈みゆく船上で同船の弦楽奏者たちがこの曲を演奏したといわれています。
この話は1997年の映画『タイタニック』の中でも描写され、この曲が広く知られる一助となりました。
讃美歌103番「牧人ひつじを」William Sandys

この曲は、クリスマスに歌われるイギリスのキャロルです。
キャロルとは元来、踊りのための民謡でしたが、宗教的な礼拝のなかで歌われるようになり、現在では賛美歌の一種となったものです。
この曲の旋律は、イングランド西部地方に17世紀以前から伝わっている旋律です。
このクリスマス・キャロルで歌われているのは新約聖書の一節で、羊飼い達が羊の群れの番をしていたその夜に、空から神の使いが現れるシーンが描かれています。
アメイジング・グレイスJohn Newton

イギリスの牧師ジョン・ニュートンによって作詞された賛美歌です。
ニュートンが牧師になる以前、黒人奴隷を輸送するいわゆる「奴隷貿易」に関わっていた時の体験を基にして書かれています。
黒人奴隷貿易に関わったことに対するニュートンの悔恨と、それにもかかわらず許しを与えてくれた神の愛に対する感謝が歌われています。
現在では、特にアメリカで最も慕われ愛唱されている曲の一つであり、バグパイプで演奏されることもあります。
讃美歌257番「神は我がやぐら」Martin Luther

ドイツの宗教改革者として有名なマルティン・ルターが1527年から1529年の間に作詞・作曲をした曲。
ルターの作品の中で最もよく知られている讃美歌で、現在では英語をはじめとして多くの言語に訳されています。
プロテスタント教会がローマ・カトリック教会から分離する際、彼が中心人物の一人であったため、プロテスタント教会でもよくこの曲が歌われています。
歌詞は『旧約聖書』の「詩編46」が元となっており、困難な時の私たちの逃げどころである神への感謝や賛美を表している曲です。