現代音楽(芸術音楽)の名曲。おすすめの人気曲
現代音楽と言われても、そういった音楽ジャンルがあること自体知らない、という方が大多数なのではないかと思います。
知識として多少は知っていたとしても、敷居が高く難解なイメージを抱かれている方も多いのではないでしょうか。
クラシックのみならず、ミニマル・ミュージックからアヴァン・ポップ、フリージャズ、ノイズ・アヴァンギャルドにいたるまで、現代音楽の影響は多くの分野で根付いています。
そんな現代音楽の名曲とされる楽曲を軸として、幅広い分野における楽曲を選出してみました。
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もくじ
- 現代音楽(芸術音楽)の名曲。おすすめの人気曲
- 春の祭典Igor Stravinsky
- 4分33秒John Cage
- The HoursPhilip Glass
- ノヴェンバー・ステップス武満徹
- Poème ElectroniqueEdgard Varèse
- 月に憑かれたピエロArnold Schönberg
- Epitaph for MoonlightRaymond Murray Schafer
- TelemusikKarlheinz Stockhausen
- 交響曲第3番 「悲歌シンフォニー」Henryk Gorecki
- 世の終わりのための四重奏曲Olivier Messiaen
- 海の音調への練習曲Salvatore Sciarrino
- fullmoon坂本龍一
- THE HEART ASKS PLEASURE FIRSTMichael Nyman
- Music for 18 MusiciansSteve Reich
- 断ち切られた歌Luigi Nono
- SinfoniaLuciano Berio
- Jeux vénitiensWitold Lutosławski
- A Rainbow in Curved AirTerry Riley
- Piano ConcertoElliott Carter
- Un tranquillo posto di campagna, Pt. 11Ennio Morricone
- English Country TunesMichael Finnissy
- 8つの演奏会用練習曲 作品40 第5曲:冗談Nikolay Kapustin
- Stravinsky: PetroesjkaAndris Nelsons
- バレエ音楽:「ワイルドスワン」より エリザのアリアElena Kats-Chernin
- 組曲「ミッション」Ennio Morricone
- Prokofiev Violin Concerto No. 2Janine Jansen
- 組曲:「アンタークティカ」より ペンギン・バレエNigel Westlake
- 弦楽四重奏曲第3番Michael Nyman
- Stravinsky – Pulcinella SuiteJaap van Zweden
- 歌劇:「中国のニクソン」より チェアマンの踊りJohn Adams
- 鏡のなかの鏡 (Spiegel im Spiege)Arvo Part
- Anton Webern – Seis Peças para Orquestra, Op. 6Zubin Mehta
- アテネのための歌John Tavener
- 市民のためのファンファーレAaron Copland
- Stravinsky, Symphony of PsalmsRiccard Muti
- Shostakovich: Symphony No. 5Bernstein · New York Philharmonic Orchestra
- 弦楽のためのアダージョ (Adagio for Strings)Samuel Barber
- ディジュリドゥ協奏曲より 第2楽章「風」Sean O’Boyle
- Boulez : Le Marteau Sans MaîtreCallithumpian Consort
- S.Prokofiev. Suite from The Love for Three Oranges.Michail Jurowski
- ダーク・ウェーブJohn Luther Adams
- KraftMagnus Lindberg
- Prokofiev – Symphony No 5Valery Gergiev
- 8つのピアノ小品集Kurtág György
- エレクトリック・カウンターポイントSteve Reich
- Honegger – Pacific 231Marc Andreae
- Chorale VI-Cantus-Song of AeolusKarl Jenkins
- Porz GoretYann Tiersen
- ヴァイオリン協奏曲Erich Wolfgang Korngold
- Béla Bartók – Concerto For OrchestraThe Orchestra of the University of Music FRANZ LISZT Weimar
- Alban Berg – WozzeckBruno Maderna
- ドリーム・オブ・ザ・ソングGeorge Benjamin
- Webern – 5 Movements for String Quartett Op5Alban Berg Quratett
- DorchadasAnn Cleare
- 合唱曲:「イェルサレム」Charles Hubert Parry
- Schoenberg “Gurre-Lieder”Donald Runnicles
- Stravinsky ‘Soldier’s Tale’Leo Geyer
- Arthur Honegger – Symphony No. 2 for strings and trumpetOndřej Vrabec
- ヴァイオリン協奏曲:「Maninyas」より 第3楽章Ross Edwards
- Kodály: Háry-János-SuiteSinfonieorchester ∙ Juraj Valčuha
- Stravinsky: The FirebirdValery Gergiev
- Pie JesuAndrew Lloyd Webber
- 「三文オペラ」より 序曲Kurt Weill
- Arthur Honegger – Oratorio «Jeanne d’Arc au bûcher»National Opera House, Kyiv
- Variations pour orchestre opus 31 d’Arnold SchoenbergPierre Boulez
- Berg: Three Pieces for OrchestraRattle Berliner Philharmoniker
- Alban Berg: LuluStaatsoper Hamburg
- Stravinsky Symphony In Three MovementsTania Miller
- 弦楽四重奏曲第3番Alexander Goehr
- 歌劇「ピーター・グライムズ」より 4つの海の間奏曲Benjamin Britten
- B. Bartok. Ballet suite from The Miraculous MandarinDmitri Jurowski
- Bela Bartok Music for Strings, Percussion and CelestaLinus Lerner
- King KongThe Mothers of Invention
- 連作「ナイン・リバー」から ヴィリディタスJames Dillon
- Arnold Schoenberg – Chamber Symphony No. 1, Op. 9Omega Ensemble
- Berg, Violin ConcertoAkiko Suwanai
- 弦楽のためのレクイエム武満徹
- Webern: PassacagliaJukka-Pekka Saraste
現代音楽(芸術音楽)の名曲。おすすめの人気曲(1〜20)
Jeux vénitiensWitold Lutosławski

戦後におけるポーランドの前衛的な現代音楽家として知られるヴィトルト・ルトスワフスキさんは、欧州ではいわゆる「ポーランド楽派」とも呼ばれ、その代表的な作曲家兼ピアニストとして著名な方です。
ここ日本においても高く評価されており、第9回京都賞精神科学・表現芸術部門において受賞を果たしています。
新古典主義からその作風をスタートさせるも、調性にとらわれない手法を取り入れ、たとえばジョン・ケージさんの『ピアノとオーケストラのためのコンサート』に衝撃を受けるなど、時代の流れとともに常に新しい音楽の表現方法を模索し続けた作風で、独自の個人様式を追求し続けたルトスワフスキさんの作品の中でも、今回は転換期と呼ばれる時期の1961年に作曲された『Jeux vénitiens』を紹介します。
「コントロールされた偶然性」を導入したと言われ、演奏者たちの自由な演奏に任せているようで、実は厳密にコントロールされているという作風の管弦楽曲です。
アドリブという名の偶然性を、あくまでコントロールされたルールの下で成立させることによって、カオティックな音の混乱ではない精密かつ壮絶な音世界を作り上げているのですね。
限りなく前衛的な作品ではありますが、あえてそういったことは気にせずこの音の奔流に飛び込んでみてはいかがでしょうか。
A Rainbow in Curved AirTerry Riley

テリー・ライリーさんは、スティーヴ・ライヒ さんやフィリップ・グラスさん、そしてラ・モンテ・ヤングさんらと並んでミニマル・ミュージックの代表的な作曲家として挙げられる存在です。
2020年の2月、新プロジェクト実施のために佐渡島へ来日していたライリーさんが、パンデミックの影響もあり、85歳という年齢でそのまま日本へ移住することを決意したことも記憶に新しいですよね。
そんなまだまだバリバリ現役なライリーさんが1969年にリリースした、2曲入りの傑作『A Rainbow in Curved Air』の表題曲を紹介します。
1つのフレーズが反復していくミニマル・ミュージックの手法を軸として、オーバーダビングを用いた電子オルガンやハープシコード、タブラッカといった楽器で生み出された18分をこえる音世界は、まさに虹色のサイケデリアのごとし。
どこか異国情緒を感じさせる、というのもポイントです。
あのザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼントさんがこの曲に影響を受けて名曲『Baba O’Railey』を作ったという逸話も踏まえると、この楽曲の偉大さが理解できるというものでしょう。
Piano ConcertoElliott Carter

1908年生まれ、2012年に103歳という生涯を終えるまで、現役で在り続けたのがアメリカ出身の現代音楽家の巨匠、エリオット・カーターさんです。
その長い作曲家人生は、一般的には新古典主義の初期、調性を離れて複雑なリズムを取り入れて、ピッチクラス・セット理論と呼ばれる概念を打ち出した中期、ヨーロッパに紹介されて世界的な名声を得た後期の3つに分けられています。
今回紹介している『Piano Concerto』は1964年に作曲された中期の楽曲であり、いわゆる通常の『ピアノ協奏曲』とは違う、非常に複雑で難解な作品となっており、現在においてもあまり演奏される機会はないそうです。
美しいメロディやフレーズ、といったようなものを求めている方にとっては「これは音楽なのか」と感じてしまうかもしれませんね。
典型的な現代音楽のスタイルとも言える作風ですから、この作品を聴いて何か感じ入るものがあれば、より深掘りしていくきっかけとなるのではないでしょうか。
Un tranquillo posto di campagna, Pt. 11Ennio Morricone

2020年7月26日、映画音楽の歴史において最も重要な作曲家の1人であるエンニオ・モリコーネさんが91歳の生涯を終えました。
1928年にイタリアはローマで生まれたこの偉大なマエストロは、1960年代初頭に映画音楽家としてデビューして以来、映画史に残る素晴らしい楽曲を生み出し続け、映画の添え物ではなく、時には主役級の輝きを放つスコアを提供し、名画の誕生に貢献したとも言えるでしょう。
そんなモリコーネさんは『荒野の用心棒』などの初期のマカロニウエスタンにおける哀愁漂う名曲、または『ニュー・シネマ・パラダイス』などのメロディアスで美しい作風以外にも、実験的な音楽家としての顔を持っています。
今回紹介している楽曲は、1969年に公開された『怪奇な恋の物語』のサウンドトラックで、モリコーネさん自身が所属していた即興演奏グループによる現代音楽ど真ん中のサウンドを聴けば、一般的なモリコーネさんのイメージはがらりと変わるはずです。
モリコーネさんによるトランペット演奏も含まれており、複雑怪奇でトライバル、原始的な音の祭典のような曲も作ってしまうマエストロの新たな一面を、ぜひこの機会に知ってください!
現代音楽(芸術音楽)の名曲。おすすめの人気曲(21〜40)
Stravinsky: PetroesjkaAndris Nelsons

ストラヴィンスキーのバレエ3部作の2作目。
作曲者らしさが初めて表に出てきた一面を持つが、演奏者にとっては「春の祭典」よりも難易度が高いことは意外と知られていない。
もともとピアノと管弦楽の小品として発想されたことから、ピアノの占める割合が高いのでも知られる。
バレエ音楽:「ワイルドスワン」より エリザのアリアElena Kats-Chernin

鳥肌ものの名曲です。
「現代音楽」ということばから想起されるのは、ヘリコプターの音だったり、4分33秒ものあいだ何も聴かなかったり、楽譜に書かれた下手くそな絵を見ながら自由気ままに演奏することなどですが。
もうそろそろ、現代音楽ということばの次を考えないといけません。
それは今を生きる私たちの役目かも知れません。