昭和の秋の歌。J-POPシーンを彩る名曲まとめ
どこか哀愁漂う秋の夕暮れ、窓辺に立って見る夕焼けを眺めながら、懐かしい昭和の歌謡曲を聴きたくなる季節になりました。
もみじや銀杏が色づく季節に心を癒してくれる珠玉の秋の名曲の数々。
子供の頃に耳にした秋の歌が、大人になった今聴くと、不思議と違った表情を見せてくれるものです。
この記事では、昭和の時代に愛された秋にまつわる名曲や、秋っぽい雰囲気が漂うナンバーをご紹介。
青春時代を思い出す方も、初めて出会う方も、素晴らしい歌の世界をお楽しみください。
昭和の秋の歌。J-POPシーンを彩る名曲まとめ(1〜10)
セプテンバーチューリップ

フォークとロックを融合させた、チューリップならではのサウンドが光る一曲ですよね。
過ぎ去った夏の気配と、どこか物悲しい秋風が心の琴線に触れるようなメロディーが印象的です。
リーダーの財津和夫さんが手掛けた本作は、夏の喧騒が遠のいた心に不意に訪れた恋の始まりを描いており、ときめきと切なさが入り混じる複雑な心模様に引き込まれてしまうのではないでしょうか。
1974年1月にシングルとして世に出され、同年のアルバム『TAKE OFF(離陸)』にも収められました。
夏の思い出を振り返りながら、新しい季節の訪れに感傷的になる秋の夜長にぴったりのナンバーです。
あの日にかえりたい松任谷由実

この曲はシンガーソングライターの先駆けであるユーミンこと荒井由実さんの代表曲の一つです。
昭和の秋の歌と聞けば、このメロディーを思い浮かべる方も多いかもしれませんね。
過ぎ去った恋を忘れられず、青春の日々に戻りたいと願う女性の痛いほどの未練が歌われています。
破り捨てた写真をつなぎ合わせる様子や、涙でにじんだ住所を扉にはさんで帰る情景からは、主人公の執着にも似た感情が伝わってきますよね。
1975年10月に発売された本作は、TBS系ドラマ『家庭の秘密』の主題歌に起用され、オリコンチャートで週間1位を獲得しました。
哀愁漂う秋の夕暮れに、昔を懐かしみながらそっと聴きたくなるナンバーです。
落葉の物語ザ・タイガース

讃美歌を思わせる荘厳なイントロから、優雅で甘美なメロディが広がる、ザ・タイガースが手掛けた秋の名曲ですね。
沢田研二さんと加橋かつみさんの二重唱が織りなすハーモニーは、まるでおとぎ話の世界へ誘われるかのようです。
本作は、舞い落ちる葉に、はかなくも美しい恋の物語を重ねたような世界観が描かれています。
その切なくも温かい音色は、聴く人の心をそっと包み込んでくれるんですよね。
1968年1月に発売されたシングル『君だけに愛を』のB面であり、同年のアルバム『世界はボクらを待っている』にも収録されました。
秋の夜長、過ぎ去った日の淡い記憶をたどりながら聴くと、その優しい音色が心に染み渡るのではないでしょうか。
秋亜蘭知子

作詞家としてTUBEのヒット曲なども手がけ、シティ・ポップシーンで異彩を放ったシンガー、亜蘭知子さん。
本作は、秋の訪れがもたらす一抹の寂しさと、過ぎ去った日々の記憶をテーマにしています。
都会的な哀愁を帯びたアンサンブルと、繊細な心情をつづったリリックは、もの悲しい季節の空気感と見事にリンクしますよね。
1989年12月に発売されたこの楽曲は、亜蘭さん自身が出演したタケダ「スプリエ・ホワイトED」のCFイメージソングとしても流れました。
切ないメロディーと憂いを帯びた歌声が溶け合うサウンドは、一人静かに思い出に浸りたい夜に聴くと、そのノスタルジックな世界観に引き込まれてしまうのではないでしょうか。
メランコリックな気分に寄り添う名曲です。
10月の青い空森川美穂

澄み渡る秋空が、かえって別れの切なさを際立たせる、森川美穂さんの隠れた名曲です。
この楽曲は、1986年10月に発売されたシングル『姫様ズーム・イン』に収録された珠玉のバラードで、作詞作曲は松宮恭子さんが手がけられました。
バスに乗り込み、もう二度と会わないと心に決めながらも、涙が出そうなほど青い空を見上げてしまう主人公の姿が目に浮かぶようですよね。
アイドルから本格派アーティストへと歩みを進めていた森川さんの、表現力の奥深さを感じさせます。
本作は後にアルバム『Nude Voice』にも収録されました。
物思いにふけりたい秋の夜長、過去の思い出にそっと浸りたいあなたの心に優しく寄り添ってくれる1曲です。
白い秋桜小泉今日子

純粋な恋心を白い秋桜に重ねて歌った、小泉今日子さんの隠れた名曲です。
まだ何色にも染まっていない心が、好きな人との出会いで鮮やかに色づいていく様子を、可憐な歌声でしっとりと表現していますよね。
本作は1982年12月発売のセカンド・アルバム『詩色の季節』に収録された楽曲で、アイドルとしてデビュー間もない彼女の、大人びた表情が垣間見えるフォーク調のバラードです。
秋の少し寂しい空気感と、恋の始まりの切なさが溶け合ったメロディは、聴く人の心を優しく包み込んでくれます。
センチメンタルな気分に浸りたい秋の夜長に、じっくりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
秋の扉日暮し

70年代のフォークシーンを彩った日暮しが手掛けた、秋の切なさが胸に迫る一曲です。
愛する人との関係が終わりに向かっていることを静かに受け入れようとする、女性の繊細な心情がつづられていますね。
この楽曲には、風に舞う枯葉や寂しげな夕暮れなど、もの悲しい秋の情景が巧みに描かれており、聴いているとその世界に引き込まれてしまうようです。
本作は1978年9月に発売されたシングルで、翌1979年発表のアルバム『記憶の果実』にも収録されました。
榊原尚美さんの透き通る歌声と洗練されたメロディが溶け合い、忘れがたい余韻を残します。
感傷的な気分に浸りたい秋の夜長に、そっと耳を傾けたくなるナンバーではないでしょうか。





