ビートルズの解散、という1960年代の終わりを告げる象徴的な出来事から幕を開けた70年代の洋楽は、従来のロックに加えてハードロック、プログレッシブ・ロック、グラム・ロックなど多種多様なジャンルが発展し、記録的なヒットを飛ばすスタジアム・バンドも多く登場。
そのカウンターとしてパンク・ロックが生まれるなど、ロック史において重要な時代であることは論を待たないところでしょう。
今回は、そんな洋楽ロック黄金期の70年代を彩った名曲やヒット曲を、王道のナンバーを中心としたラインアップにてご紹介。
70年代の洋楽ロックに興味はあるけど何を聴いていいか分からない……という若い音楽ファンにもオススメの内容です!
70年代は洋楽ロック黄金期!おすすめの名曲・ヒット曲(1〜10)
Stairway to HeavenLed Zeppelin

1970年代において最も売れたロック・バンドの1つであり、象徴的な存在として巨大な影響力を持つ存在といえば、1968年にデビューを果たしたレッド・ツェッペリンです。
ミュージシャンとしての素晴らしい才能と個性を持った4人のメンバーによる革新的なハードロックは、もはや芸術の域にまで達したといっても過言ではないでしょう。
そんな彼らが単なるハードロックの枠内を軽々と飛びこえて、あまりにも有名なイントロのアルペジオを奏でるアコースティック・ギターを軸として、徐々にドラマチックに変化していく楽曲展開が壮絶なまでに美しい名曲『天国への階段』は、まさに彼らの音楽の芸術性を物語る名曲中の名曲です。
8分に及ぶ大作であり、バンドの持つ比類なき創造性が生んだロックの歴史に残る楽曲であることは間違いありませんし、クラシック畑のミュージシャンからも称賛されているというのも、思わず納得してしまいますよね。
Bohemian RhapsodyQueen

日本で最も有名なロック・バンドの1つといっても過言ではない、イギリスが世界に誇るロック・バンドのクイーンが1975年に発表した名曲中の名曲です!
近年、同タイトルの映画が公開されたことで、若い音楽ファンがクイーンの魅力に目覚めるといった現象が起きたことも記憶に新しいですよね。
この楽曲が生まれた背景や歴史的な経緯などはここで語れるようなものではありませんが、たとえクイーンの音楽に興味がないという方でも一度は耳にしているであろう、もはやロックという枠内を軽く飛びこえた知名度を持った曲と言えるでしょう。
ロック・ソングという文脈で語るのであれば、クイーンの創造性が遺憾なく発揮された歴史的な名曲であり、多重コーラスによるオープニング、作詞と作曲を手掛けたフレディ・マーキュリーさんによるピアノの弾き語りで歌われるAメロ、バンド・サウンドが加わったロック・バラードへの展開、その後突然オペラ・パートが導入され、後半はダイナミックなハードロックへと突入し、最終的にバラードへと戻るという展開は、2020年代を過ぎた今も多くのアーティストやバンドにインスピレーションを与えています。
これからこの楽曲を聴かれる方は、まずはまっさらな気持ちで聴いて、その後で歌詞の意味や楽曲の背景などを探ってみてください!
Highway to HellAC/DC

2020年11月、さまざまな困難を乗りこえてリリースした新作『Power Up』が世界中でチャート初登場1位を記録したことも記憶に新しいAC/DCの代表曲!
1979年に発表して世界中で大ヒット、AC/DC流儀のハードロックを世界中に知らしめた傑作アルバム『地獄のハイウェイ』の表題曲であり、ライブでは必ず演奏される定番の名曲ですね。
極限まで削ぎ落とされたシンプルなギター・リフとブルースの魂を宿した熱いソロ、激タイトなリズム隊、抜群にキャッチーなメロディ……70年代ハードロックを語る上では欠かせない楽曲ですし、彼らの本質的な魅力がこれでもかと詰まった最高のロック・ナンバーですよね。
この曲が気に入ったのであれば、基本的にAC/DCのアルバムはどれも楽しめるはずですから、ぜひ他の作品もチェックしてみましょう!
Hotel CaliforniaThe Eagles

音楽史に残るセールスを記録し、アメリカは西海岸出身のバンドとして世界中の音楽ファンからリスペクトされ続けているイーグルス。
70年代の洋楽ロック・バンドという観点からも象徴的な存在の1つである彼らの代表曲にして、永遠の名曲『ホテル・カリフォルニア』を紹介します。
おそらく、哀愁を帯びた印象的なサビのメロディを耳にすれば、一度は聴いたことがあると感じる方がほとんどでは?
1976年に発表された、アメリカで史上3番目に売れたとされる大傑作アルバム『ホテル・カリフォルニア』のタイトル曲であり、その突出した創造性が2020年代の今も語り草となっている大名曲です。
示唆に富んだ物語性のある歌詞、あまりにもドラマチックな楽曲展開、ロックの歴史に刻まれたギター・ソロの素晴らしさ、どれをとっても超一級品ですね。
70年代の洋楽ロックが黄金期と呼ばれる理由は、この曲だけ聴いただけでも分かるかもしれませんよ。
ParanoidBlack Sabbath

世界的に著名なイギリス産ハードロック・バンドにしてヘビーメタルの元祖的な存在であり、ストーナーやブラックメタルといったメタルのサブジャンル、果てはオルタナティブ・ロックに至るまで、ジャンルをこえて多くのアーティストからリスペクトされ続けているのがブラック・サバスです。
愛されキャラとしてもおなじみのロック・アイコン、オジー・オズボーンさんを始めとして歴代のボーカリストが在籍した時期によって音楽性が違っていることも特徴的なのですが、今回取り上げている『Paranoid』は彼らにとっての代表曲の1つであり、1970年に発表されて全英1位を獲得したセカンド・アルバム『Paranoid』のタイトル曲です。
重苦しいイメージの強いブラック・サバスの中では格別な疾走感を味わえますし、トニー・アイオミさんによる独創的なイントロのリフとザクザクしたリフ、呪術的なオジーさんのボーカルはポップさすら感じさせますから、初めてブラック・サバスを聴く方でもお気に入りのナンバーとなるのでは?
Ziggy StardustDavid Bowie

常に時代を見すえながら、カメレオンのように音楽性やキャラクターまでも変化させて、ミュージシャンという枠内をこえて、イギリスが生んだ世界一有名なカルト・ヒーローとして永遠にその名を残すデヴィッド・ボウイさん。
ボウイさんの一般的なイメージとして一番知られている、グラム・ロックの代表格として人気を博していた時期の1972年に発表された傑作コンセプト・アルバム『ジギー・スターダスト』のタイトル曲を紹介しましょう。
『屈折する星くず』という邦題も付けられたこちらの楽曲は、70年代英国音楽の最高の名曲の1つであり、当時ボウイさんの右腕として活躍したギタリスト、ミック・ロンソンさんのプレイもまさに名演と呼ぶにふさわしい出来。
もちろん、歌詞の内容や楽曲の背景を知った上で聴けばその魅力もより深く理解できるのですが、楽曲としての素晴らしさ自体が突出しているからこそ、歴史に残る名曲となったのだと個人的には感じます。
ソングライターとしてのボウイさんの才能に、ほれぼれしてしまいますね!
Another Brick in the WallPink Floyd

イギリスが生んだプログレッシブ・ロックの代表的な存在であり、1970年代を象徴する巨大なスタジアム・バンドとしてすさまじい商業的な成功を収めたピンク・フロイド。
子どもたちのコーラスも印象的なこちらの『Another Brick In The Wall』は、基本的にアルバム・アーティストであり、シングルをリリースすることに懐疑的なタイプの彼らが、珍しくシングルとして1979年にリリースして大ヒットを記録した楽曲です。
コンセプチュアルなロック・オペラ作品として記録的なセールスを生んだ1979年のアルバム『The Wall』のリード曲であり、同アルバムをけん引したベーシスト兼ボーカリストのロジャー・ウォーターズさんが作詞と作曲を手掛けています。
ヘビーなディスコ風のビート、耳に残るメロディ、練り上げられた楽曲構成、どれを取っても超一級品としか言えませんね。
歌詞の世界観に合わせたMVも映像作品として興味深い内容となっていますから、合わせてチェックしましょう!