若者の初期衝動の発露だったロックミュージックがさまざまな音楽と出会いながら成長していくことで、メロウで都会的なサウンドに洗練されていったアダルトオリエンテッドロック(AOR)。
みなさんが日々、生活の中で遭遇する楽しさや悲しさ、そして寂しさなどを優しく包み込んでくれるAORは、まさに大人のサウンドトラックですね。
ここでは、そんな名曲をセレクトしてみました。
コクのあるサウンドと歌詞に、みなさんの思いを重ね合わせながら聴いてみてください。
きっと、乾きがちだった心もうるおいに満ちるはずですよ。
AORの名曲。時代をこえるオススメの人気ナンバー(1〜10)
Valentine (I Was Wrong About You)Ned Doheny

なめらかでメロウなサウンドが特徴的なこの曲は、70年代カリフォルニアの音楽シーンを象徴する1曲。
ネッド・ドヒニ―さんの感傷的で繊細なボーカルが、失敗した愛への後悔と自己反省を見事に表現しています。
1976年3月にリリースされたアルバム『Hard Candy』に収録され、洗練されたコード進行と感情豊かな歌詞で多くのリスナーの心をつかみました。
ラテンやジャズ、ソウルの影響を受けた独特のサウンドは、ドヒニ―さんの音楽性の豊かさ物語っていますね。
失恋の痛手や人間関係の複雑さに悩むあなたの心を優しく包み込んでくれる、大人のための極上のバラードです。
ユア・オンリー・ロンリーJ.D. Souther

1979年リリース。
J.D.サウザー(ジョン・デヴィッド・サウザー)さんはアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト出身もミュージシャンです。
ソロ活動と並行してイーグルスやリンダ・ロンシュタットらに作品を提供したり、俳優活動も行うなど多彩な人物です。
本作は彼にとって唯一のヒット曲になりました。
ニューヨーク・シティ・セレナーデChristpher Cross
1981年にリリースの都会的なサウンドが印象的なナンバーで、誰もが一度は聴いたことがあるだろうと思われるほど有名な曲です。
オリジナルタイトルは『アーサーのテーマ』ですが、歌詞の中に出てくるフレーズをそのままとってこの邦題が付けられました。
ダドリー・ムーア主演の映画『ミスター・アーサー』の主題歌ですね。
Heart of MineBobby Caldwell

『Heart of Mine』は、ボビー・コールドウェルさんによる1988年の作品です。
この曲はボズ・スキャッグスさんに提供し、大ヒットしています。
AORの新星として脚光を浴びた1987年のデビューの時から、都会的で洗練された大人のポップスを聴かせてくれましたね。
Driving Home For ChristmasChris Rea

冬の到来を感じさせるメロディと歌詞で、クリスマスの雰囲気をまとった心温まるバラードです。
渋滞の中、家族のもとへ帰る喜びを描いた歌詞は、多くの人の共感を呼び、クリスマスの定番曲となりました。
クリス・レアさんのハスキーで温かみのある歌声が、長い帰り道の疲れを癒してくれるようですね。
1986年に録音されたこの曲は、1988年リリースのベストアルバム『New Light Through Old Windows』に収録。
当初は大ヒットとはなりませんでしたが、年月を重ねるごとに人々に愛され、今ではクリスマスシーズンになると各国のチャートで上位にランクインする人気曲です。
家族や恋人と過ごすクリスマスを前に、あなたの心も温かくなること間違いなしですよ。
アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーンEarth, Wind & Fire

デヴィッド・フォスターさんが作曲したAORの傑作。
1980年にエアプレイもこの曲をリリースしています。
しかしアース・ウィンド&ファイアの方がそれよりも1年リリースが早かったのです。
アースはもちろんジャンル的にAORアーティストではありませんが、この曲に関しては文句のつけようがない仕上がりになっていますね。
クリスタルの恋人たちGrover Washington Jr.

雨が降る都会の夜を想起させるAORの名作。
映画『クリスタルの恋人たち』の中で使われたため、日本ではオリジナルタイトルとは全く関係のない邦題が付けられています。
作品の魅力をさらに盛り上げる見事なボーカルを聴かせているのは、ニューソウルの旗手、ビル・ウィザースさんです。