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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(61〜80)

アラベスク ハ長調 作品18Robert Schumann

Schumann – Arabesque in C major, Op.18 – pianomaedaful
アラベスク ハ長調 作品18Robert Schumann

ロベルト・シューマンの偉大な名曲『アラベスク ハ長調 作品18』。

アラベスクというのはアラビア風という意味で、文字通り、アラビアンなメロディが登場します。

そんな本作は手の大きさによって難易度が変わるものの、声部を両手で補うなどをすれば、問題なく演奏できます。

付点のリズムで流れるメロディは軽やかでありながら繊細でロマンティック。

曲全体は6つの部分に分かれ、最初のメロディを再現しながらさまざまな場面が登場します。

ぜひアラビア風をイメージして弾いてみてくださいね。

間奏曲 Op.118-2Johannes Brahms

【4K・高音質】間奏曲 Op.118-2/J.ブラームス Brahms : Intermezzo Op.118-2
間奏曲 Op.118-2Johannes Brahms

穏やかで優美な旋律が心に染み入る一曲。

寄せては返す波のように、ゆったりと流れるメロディーの中に、深い感情と静かな思索が込められています。

1893年に書かれた本作は、右手が歌うような旋律を奏でる一方で、左手が柔らかな和音で支えていく構成が特徴的です。

中間部では情熱的な展開を見せながらも、再び穏やかな旋律へと戻っていく流れが、人生の起伏を思わせます。

秋の夕暮れのような静けさと、内に秘めた想いを表現した楽曲は、ピアノの深い魅力に触れたい方や、繊細な表現力を磨きたい方にぴったりです。

技巧的な難しさよりも、音色の変化や感情表現を大切にしながら、ぜひ挑戦してみてください。

アルゼンチン舞曲 第2番A.E.Ginastera

Martha Argerich plays Ginastera danzas argentinas pt. 2
アルゼンチン舞曲 第2番A.E.Ginastera

アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のヒナステラは、わかりやすい音楽を書くことで知られています。

この「アルゼンチン舞曲第2番」は、とてもメランコリックな雰囲気を持っており、楽譜上もシンプルで見やすいのが特徴です。

4つの即興曲 Op.90-3Franz Schubert

澄み渡る音色と繊細な表現が心を打つシューベルトの名作。

1827年に作曲された『4つの即興曲 Op.90』の第3番は、シューベルトの円熟期の作品として知られています。

長い旋律が途切れることなく流れ、祈りのような静寂さを感じられます。

ピアノ1台で奏でられる音色の中に、シューベルトの豊かな感性と深い情感が込められています。

心洗われるような美しい旋律は、日々の喧騒から離れ、穏やかな時間を過ごしたい方におすすめ。

秋の夜長に、ゆったりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

カノンJohann Pachelbel

松田華音 – パッヘルベル:カノン(ピアノ編曲版)
カノンJohann Pachelbel

ドイツ・バロック音楽の巨匠、ヨハン・パッヘルベルが残した名作。

3つのヴァイオリンと通奏低音のために作曲され、穏やかながらも喜びに満ちた特徴が高く評価されています。

繰り返される和音進行と地を這うようなベースラインが魅力的で、無限のバリエーションと解釈を可能にしています。

1653年生まれのパッヘルベルは、ウィーンでイタリア音楽の影響を受け、エアフルトでは影響力のある音楽教師として活躍。

この曲の優雅なメロディは、喜びやノスタルジアを呼び起こし、世代を超えて愛されています。

たくさんの方がピアノ独奏用に編曲しているので、ぜひお気に入りの楽譜を見つけて弾いてみてくださいね。

練習曲 作品25-1「エオリアンハープ]Frederic Chopin

Yunchan Lim – Chopin: 12 Études, Op. 25 – No. 1 in A-Flat Major “Aeolian Harp”
練習曲 作品25-1「エオリアンハープ]Frederic Chopin

ショパンがこの作品をシューマンの家で弾いた時に、シューマンが「エオリアン・ハープを思い浮かべた」と語ったことから、この愛称で親しまれるようになりました。

エオリアンハープとは、箱状の木に複数の弦が張られている弦楽器のこと。

自然の風で音が奏でられ、風の強さや方向、勢いによって、振動する弦が異なり、さまざまな音色が奏でられます。

両手が奏でる分散和音のニュアンスの微妙な変化が、まさにこのエオリアンハープを想起させますよね。