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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(21〜30)

ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

高音質【Clair de lune−Debussy】ドビュッシー-月の光/CANACANA
ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

クロード・ドビュッシーの作品の中で最も有名な曲とされ、たびたび演奏会で取り上げられたり、映像作品のBGMに使用されたりしている『ベルガマスク組曲』の第3曲『月の光』。

夜空に月のやわらかな光が浮かび上がる幻想的な風景を思い起こさせる、とても美しいピアノ曲です。

テンポや音数で考えれば、それほど難易度は高くありませんが、曲の持つ独特な世界観を表現するのは至難の業!

この曲の練習は、譜読みが終わってからスタートするといっても過言ではありません!

ぜひ、音の美しさや穏やかな流れにこだわって練習してみてくださいね。

樅の木Jean Sibelius

Jean SIBELIUS :The spruce, Izumi TATENO
樅の木Jean Sibelius

フィンランドの作曲家であるシベリウスは、さまざまな楽器や編成のための作曲をしましたが、生涯を通じて小さなピアノ作品を書き続けました。

「樅の木」はその美しい旋律と比較的演奏が易しいことで多くの人に親しまれています。

18の小品 Op.72 第5曲「瞑想曲」Pyotr Tchaikovsky

黒木 雪音/チャイコフスキー:18の小品 Op.72 より 第5番 「瞑想曲」(2019ピティナ 特級セミファイナル )Tchaikovsky – “Meditation” Op.72-5
18の小品 Op.72 第5曲「瞑想曲」Pyotr Tchaikovsky

ロシアの大作曲家チャイコフスキーの最晩年に作曲された作品です。

彼自身も少しずつ迫る死を意識していた時期だったかもしれませんが、この曲はとにかく美しい作品です。

この世への未練のような気持ちも感じ取れます。

夜の海辺にてHeino Kasuki

ひんやりとしたピアノの音色で、夏の暑さを忘れてみませんか。

フィンランドの作曲家ヘイノ・カスキが手掛けた美しい小品です。

ピアノの一音一音がまるで夜の海辺にきらめく光の粒のように感じられ、北欧の静謐な自然へと心を誘うことでしょう。

穏やかで幻想的な旋律は、聴く人を優しく包み込むようで、内省的な気分にさせてくれます。

ピアニストの舘野泉が演奏し、1999年4月に録音されたアルバム『Kaski: Night By the Sea』に収録されたことで、この楽曲の魅力は広く知られるようになりました。

暑さでお疲れ気味の心にそっと寄り添い、涼やかな気分に浸りたい方に、ぜひおすすめしたい作品です。

組曲「鏡」より「洋上の小舟」Maurice Ravel

暑い日に聴きたくなる、モーリス・ラヴェルの涼やかな一曲はいかがでしょうか。

1906年にパリで出版されたピアノ組曲『Miroirs』の第3曲で、画家ポール・ソルドへ献呈された作品です。

広い海原を小舟がゆったり漂う情景が目に浮かび、聴くだけで心が洗われる気分になりますね。

本作の魅力は、きらめくアルペジオによる水の表現。

光を受けて揺れる水面や深い海の静けさを感じさせ、ピアノ一台とは思えないほど表情が豊かです。

140小節で36回も拍子が変わるのも、絶え間ない波の動きを巧みに捉えているからでしょう。

美しい音色で涼みたい方、印象派音楽がお好きな方に、きっと気に入っていただけるはず。

組曲『Miroirs』の他の曲とあわせて楽しむのも良いかもしれませんね。

8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

正田彩音 (小3) フォーレ:8つの小品 即興曲 op.84-5 AYANE SHODA PLAYS FAURE
8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

ホ短調の3拍子で、しっとりと奏でられる繊細な旋律美が心に染み入る珠玉の小品です。

1902年にリッカルド・ヴィニェスによって初演されたこの楽曲は、アルバム『8つの小品 Op.84』に収められた作品の一つ。

アンダンテ・モルト・モデラートというゆっくりとしたテンポで進行し、中声部に配置された旋律がエレガントな変奏となって展開されていきます。

落ち着いた雰囲気と上品な和声進行が印象的な本作は、優美なフランス音楽の魅力を存分に味わえる一曲となっています。

演奏技術に過度な負担がないため、フランス音楽の表現力を磨きたい方やクラシック音楽の新たな世界を開拓してみたい方におすすめの楽曲です。

水の戯れMaurice Ravel

近代クラシックで最も有名な作曲家の1人、モーリス・ラヴェル。

彼はクラシックに多様性をもたらした人物として知られており、それまでにはなかなか存在しなかった、ジャズやブルースを取り入れたクラシックをいくつも生み出しました。

そんな彼の代表的な作品が、こちらの『水の戯れ』。

4分の4拍子を徹底した作品であるにもかかわらず、楽曲のなかでもさまざまな変化を見せる作品です。

まるで風にあおられて不規則に揺れる水面のように目まぐるしく変化していくメロディーは、美しさとともに胸をざわつかせるような感覚におちいらせてくれます。