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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(1〜20)

ピアノソナタ 第8番「悲愴」第2楽章Ludwig van Beethoven

ベートーヴェンの初期のピアノ作品を代表する『ピアノソナタ 第8番 悲愴』。

なかでも第2楽章は、ベートーヴェンが書いたメロディーのうちでもっとも美しいといわれ、多くの映画やドラマの挿入曲として使用されています。

シンプルなメロディーで音域もそれほど広くありませんが、それ以外のパートの音に厚みがあるため、バランスを注意深く聴きながら演奏しないとメロディーが埋もれてしまいがち。

聴く者の心を温かく包み込んでくれるゆったりと流れる優雅なメロディーと、それを支える重厚な和音を意識しながら、穏やかに演奏してみましょう。

子供の情景 Op.15 第7曲「トロイメライ」Robert Schumann

フジコ・ヘミング「トロイメライ(子供の情景 作品15 ~ 第7曲)/ シューマン」
子供の情景 Op.15 第7曲「トロイメライ」Robert Schumann

夢見心地な美しい旋律に思わずうっとりしてしまう、ロベルト・シューマンの『トロイメライ』。

子供心を描いた大人のためのピアノ作品として作曲された曲集『子供の情景 Op.15』の第7曲目に収録されている楽曲です。

曲集のなかでも特に有名なこの曲は、ピアノだけでなく、バイオリンやチェロ、フルートなど、さまざまな楽器で演奏されており、クラシックファンのみならず、多くの人の心をとらえています。

じっくり聴いて味わうもよし、ピアノで演奏としてその旋律と和声の美しさにひたるもよし!

静かな秋の夜長に、ゆったりとお楽しみください。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(21〜40)

ピアノソナタ 第2番 第1楽章Alexander Scriabin

Scriabin: Piano Sonata in G-Sharp Minor Op. 19, No. 2, “Sonata Fantasy” – 1. Andante
ピアノソナタ 第2番 第1楽章Alexander Scriabin

ロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービンが1897年に発表したピアノソナタ。

南国の海岸の静かな夜を描いた第1楽章は、穏やかに始まり、やがて深海の暗く激しい動きを表現。

中間部では月光の柔らかな輝きが美しく表現されています。

ロマン派的な情緒と印象派的な要素が融合した、豊かな感情をたたえた作品です。

スクリャービンは音楽を色で感じ取る「共感覚」の持ち主。

E長調部分は「月光の青白い輝き」を象徴するとされ、音の色彩的な描写も魅力的。

繊細な音色と豊かな響きを味わいたい方にオススメの1曲です。

8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

正田彩音 (小3) フォーレ:8つの小品 即興曲 op.84-5 AYANE SHODA PLAYS FAURE
8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

ホ短調の3拍子で、しっとりと奏でられる繊細な旋律美が心に染み入る珠玉の小品です。

1902年にリッカルド・ヴィニェスによって初演されたこの楽曲は、アルバム『8つの小品 Op.84』に収められた作品の一つ。

アンダンテ・モルト・モデラートというゆっくりとしたテンポで進行し、中声部に配置された旋律がエレガントな変奏となって展開されていきます。

落ち着いた雰囲気と上品な和声進行が印象的な本作は、優美なフランス音楽の魅力を存分に味わえる一曲となっています。

演奏技術に過度な負担がないため、フランス音楽の表現力を磨きたい方やクラシック音楽の新たな世界を開拓してみたい方におすすめの楽曲です。

ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2Frederic Chopin

Seong-Jin Cho – Chopin: Nocturnes, Op. 9: No. 2 in E Flat Major. Andante
ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2Frederic Chopin

美しい旋律に心洗われるフレデリック・ショパンの名曲。

彼が20歳の頃に作曲した本作は、現在でもさまざまな場面で使用されており、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

優雅なワルツのリズムと繊細な装飾音が魅力的で、静かでありながらも深い感動を与えてくれます。

メロディや表情の変化を際立たせるには、左手の伴奏を穏やかに演奏することが大切。

左右のバランスに気を配りながらも、機械的な音楽にならないよう、やわらかく温かい雰囲気の演奏に仕上げましょう。

交響的練習曲 作品13より遺作第5曲Robert Schumann

19世紀ドイツロマン派を代表する作曲家ロベルト・シューマンが手掛けた『交響的練習曲』。

ピアノソロでありながら、まるでオーケストラのような豊かな響きが特徴的です。

主題と12の変奏、それから『遺作』と呼ばれる5曲から成り立っています。

今回紹介する曲は、その『遺作』のなかの第5曲目。

キラキラとした旋律と、美しい響きがとても魅力的です。

この曲のみを聴くととても癒やされますが、曲全体をとおして聴くと、ピアノ音楽の奥深さを感じられるかもしれません。

気になった方はぜひ聴いてみてくださいね。