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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(61〜70)

巡礼の年 第3年 S.163/R.10 A283 第4曲「エステ荘の噴水」Franz Liszt

巡礼の年 第3年から 「エステ荘の噴水」  フランツ・リスト
巡礼の年 第3年 S.163/R.10 A283 第4曲「エステ荘の噴水」Franz Liszt

今回ご紹介する『エステ荘の噴水』は、ハンガリー出身のピアニスト兼作曲家で超絶技巧でも知られるフランツ・リストによるピアノ独奏曲集『巡礼の年』の『第3年』の第4曲で、代表作の一つとして知られる作品。

繊細かつ大胆なアルペジオで水の動きを表現した華麗な楽曲であり、後にモーリス・ラヴェルの『水の戯れ』やクロード・ドビュッシーの『水の反映』に直接的な影響を与えたとも言われています。

全編に渡ってアルペジオやトレモロの響きが実に美しくドラマチックですが、暑苦しいものではなくどこまでも繊細でロマンチックというのが素晴らしい作品です。

きらきらと舞う水をイメージしながらぜひ聴いてみてくださいね。

3つの演奏会用練習曲 第3番「ため息」Franz Liszt

ロマン派の巨匠フランツ・リストが1849年に作曲した『3つの演奏会用練習曲』。

そのなかの第3曲『ため息』は、甘美な旋律が流れるように歌われる名曲です。

リストといえば超絶技巧を連想しがちですが、本作からは繊細な感性と詩情豊かな音楽性が感じられます。

ピアノ1台で奏でられる優美な音色は、心を癒し、深い安らぎをもたらしてくれることでしょう。

ため息という名のとおり、リラックスして聴いてみてくださいね。

24の前奏曲 Op.28 第15番「雨だれ」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが29歳の頃に作曲した『24の前奏曲』。

そのなかの第15番、『雨だれのプレリュード』という名で有名な本作は、その名のとおり雨音のような断続的に連打されるA♭音が特徴的。

その音にのせて奏でられる穏やかな旋律は、聴く人の心を優しく包み込みます。

中間部では短調に転じ、不安げな雰囲気が漂いますが、最後は再び穏やかな表情を見せて静かに終わります。

静かな雨の日に聴きたくなる、心落ち着く1曲です。

ぜひ、ゆったりとした気分で楽しんでみてください。

幸福 作品292-6Gustav Lange

G.Lange: Ersehntes Glück Op.292-6 ランゲ:幸福 作品292-6
幸福 作品292-6Gustav Lange

優雅な旋律とリズミカルな演奏が印象的な本作は、上品さと華やかさを兼ね備えた美しいピアノ曲です。

19世紀のヨーロッパで人気を博したサロン音楽の魅力を存分に味わえる作品で、穏やかで優美な旋律が聴く人の心を癒やしてくれます。

和声の豊かな響きと、シンプルながらも情感が豊かなメロディーラインが絶妙なバランスで織り込まれており、表現力を活かした演奏を楽しめます。

家庭や小規模な集まりでの演奏に最適で、グスタフ・ランゲの代表作品として多くの人々に愛され続けてきました。

音楽を通じて幸福感を共有したい方や、優雅な雰囲気の曲を探している方におすすめの1曲です。

舟歌 嬰ヘ長調 Op.60Frederic Chopin

【10 minutes concert】第5回 ピアノ:藤田 真央 ショパン/舟歌 Op.60 CT6 嬰ヘ長調
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60Frederic Chopin

「舟歌」とはヴェネツィアのゴンドラで歌われる舟唄を模した楽曲であり、たとえばメンデルスゾーンによる『無言歌集』に収められた『ヴェネツィアのゴンドラの歌』などが有名ですね。

多くの著名なクラシック音楽作曲家がそれぞれの『舟歌』を残していますが、こちらのフレデリック・ショパンによる『舟歌』も非常に有名でショパンの晩年に作曲されたピアノ独奏曲です。

舟歌の特徴といえばゆったりとした8分の6拍子ですが、ショパンの『舟歌』は4拍子系の8分の12拍子であり、3部形式で9分以上に及ぶ大作なのですね。

同じ嬰ヘ長調で書かれた『夜想曲第5番』と近しい雰囲気も感じ取れ、ゴンドラの不規則な動きを表現したかのような左手の特徴的な伴奏と、時に繊細に時に情熱的な右手の旋律はとても美しいものですが、同時に晩年のショパンがどのような思いでこの曲を作ったのかを想像させるドラマ性に思わず心を奪われることでしょう。