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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(81〜90)

ワルツ 第15番 変イ長調 Op.39Johannes Brahms

ワルツ 作品39−15(ブラームス)Brahms – Waltz As-dur Op. 39 No. 15 – pianomaedaful
ワルツ 第15番 変イ長調 Op.39Johannes Brahms

緻密で優雅な作風で知られる偉大な作曲家、ヨハネス・ブラームス。

落ち着いた楽曲が多いため、YouTubeの睡眠用クラシックなどでも彼の作品は頻繁に登場しますね。

そんなブラームスの作品のなかでも、特にオススメしたいのが、こちらの『ワルツ 第15番 変イ長調 Op.39』。

4手の連弾用として作曲された本作は、後に独奏曲としても編曲され、現在に至るまで多くの演奏家に演奏されています。

シューマンの意匠を持つ非俗世的なブラームスによるワルツは、他のワルツにはない深い芸術性を感じさせます。

シチリアーノ Op.78Gabriel Fauré

ロマン派音楽を得意とする偉大なフランスの作曲家、ガブリエル・フォーレ。

ドビュッシーと同じように「サロン音楽」と呼ばれることが多い作曲家でしたが、決してクラシックの作曲家として優れていないわけではありません。

彼の魅力はどの時代にも通用する音楽性にあると思います。

こちらの『シチリアーノ』はそんなフォーレの魅力を存分に味わえる作品です。

非常に有名な作品なので、誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。

特にイントロの部分が印象的で、短音を主体としながら、決して暗すぎない独特の雰囲気をただよわせています。

舟歌 嬰ヘ長調 Op.60Frederic Chopin

【10 minutes concert】第5回 ピアノ:藤田 真央 ショパン/舟歌 Op.60 CT6 嬰ヘ長調
舟歌 嬰ヘ長調 Op.60Frederic Chopin

「舟歌」とはヴェネツィアのゴンドラで歌われる舟唄を模した楽曲であり、たとえばメンデルスゾーンによる『無言歌集』に収められた『ヴェネツィアのゴンドラの歌』などが有名ですね。

多くの著名なクラシック音楽作曲家がそれぞれの『舟歌』を残していますが、こちらのフレデリック・ショパンによる『舟歌』も非常に有名でショパンの晩年に作曲されたピアノ独奏曲です。

舟歌の特徴といえばゆったりとした8分の6拍子ですが、ショパンの『舟歌』は4拍子系の8分の12拍子であり、3部形式で9分以上に及ぶ大作なのですね。

同じ嬰ヘ長調で書かれた『夜想曲第5番』と近しい雰囲気も感じ取れ、ゴンドラの不規則な動きを表現したかのような左手の特徴的な伴奏と、時に繊細に時に情熱的な右手の旋律はとても美しいものですが、同時に晩年のショパンがどのような思いでこの曲を作ったのかを想像させるドラマ性に思わず心を奪われることでしょう。

2つのアラベスク 第1番Claude Debussy

妊婦が弾く「アラベスク第1番」ドビュッシー – Arabesque No.1 – Debussy – Classical Piano – クラシックピアノ – CANACANA
2つのアラベスク 第1番Claude Debussy

フランス印象派の作曲家クロード・ドビュッシー初期のピアノ作品であり、ドビュッシーの作品の中で最も有名な曲の1つに数えられる『2つのアラベスク』。

特に第1番は、優雅で美しいメロディで広く親しまれており、ピアノ発表会曲としても人気の高い作品です。

左手の8分音符と右手の三連符が重なる2対3の合わせ方に、はじめは苦戦するかもしれませんが、縦がそろう部分をしっかり合わせながら細かく区切って練習を積み重ねることで、自然に感覚をつかめるようになるはず。

「難しそう」と先入観を持たずに、思い切ってチャレンジしてみましょう!

3つの演奏会用練習曲 第3番「ため息」Franz Liszt

ロマン派の巨匠フランツ・リストが1849年に作曲した『3つの演奏会用練習曲』。

そのなかの第3曲『ため息』は、甘美な旋律が流れるように歌われる名曲です。

リストといえば超絶技巧を連想しがちですが、本作からは繊細な感性と詩情豊かな音楽性が感じられます。

ピアノ1台で奏でられる優美な音色は、心を癒し、深い安らぎをもたらしてくれることでしょう。

ため息という名のとおり、リラックスして聴いてみてくださいね。

カノンJohann Pachelbel

松田華音 – パッヘルベル:カノン(ピアノ編曲版)
カノンJohann Pachelbel

ドイツ・バロック音楽の巨匠、ヨハン・パッヘルベルが残した名作。

3つのヴァイオリンと通奏低音のために作曲され、穏やかながらも喜びに満ちた特徴が高く評価されています。

繰り返される和音進行と地を這うようなベースラインが魅力的で、無限のバリエーションと解釈を可能にしています。

1653年生まれのパッヘルベルは、ウィーンでイタリア音楽の影響を受け、エアフルトでは影響力のある音楽教師として活躍。

この曲の優雅なメロディは、喜びやノスタルジアを呼び起こし、世代を超えて愛されています。

たくさんの方がピアノ独奏用に編曲しているので、ぜひお気に入りの楽譜を見つけて弾いてみてくださいね。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(91〜100)

野ばらに寄す 作品51−1(森のスケッチ)Edward MacDowell

野ばらに寄す – 森のスケッチ(マクダウェル)To a Wild Rose – Woodland Sketches – MacDowell
野ばらに寄す 作品51−1(森のスケッチ)Edward MacDowell

アメリカを代表するロマン主義音楽の作曲家の作品です。

春の野原に咲く一輪の野ばらをイメージさせる、シンプルで美しい旋律が特徴的。

わずか1分30秒ほどの短い曲ですが、その中に込められた情感は深く、聴く人の心に静かな感動を与えます。

1896年に作曲されたこの曲は、ニューハンプシャー州の自然からインスピレーションを得たとされています。

フルートやオーボエなどさまざまな楽器で編曲されており、結婚式やリラックスした場面でも演奏されることが多い曲です。

クラシック音楽に興味があるけれど難しそうと感じている方にもおすすめの1曲。

ゆったりとした気分で聴いてみてはいかがでしょうか。