ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。
繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。
今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。
ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。
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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(1〜10)
楽興の時 作品16 第5番Sergei Rachmaninov

ロシア出身でありロマン主義の巨匠、セルゲイ・ラフマニノフが1896年に作曲した『楽興の時』。
全6曲からなり、そのうちの第5曲目にあるこの曲は、緩やかなテンポで奏でられる抒情的な作品です。
ラフマニノフは4歳でピアノを始め、モスクワ音楽院で学び、ピアノだけでなく作曲や指揮者としても活躍しました。
本作は、彼が経済的困難の中で生み出された珠玉の小品。
変ニ長調の美しい旋律が、夜想曲のような夢幻的な雰囲気を醸し出します。
ピアノの音色を堪能したい方にオススメの、心に染み入る名曲です。
ピアノソナタ第14番「月光」第1楽章Ludwig van Beethoven

ドイツ出身のルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の『ピアノソナタ第14番「月光」第1楽章』は「月光ソナタ」という愛称で親しまれてきました。
この楽曲は難聴や持病があったベートヴェンが、恋心を抱いていた伯爵令嬢グイチャルディに献呈されたと言われています。
全4楽章からなるうちの第1楽章は、重く緩やかな表情を見せており、楽章が進みフィナーレに近づくにつれ、より重みのある均衡の取れたベートーヴェンらしい端正な作りに仕上げられています。
16のワルツ 作品39 第15番『愛のワルツ』Johannes Brahms

ロマン派音楽の巨匠、ヨハネス・ブラームスが1865年に作曲した『16のワルツ』。
そのなかの第15番、『愛のワルツ』は、美しいメロディで広く親しまれています。
はじめはピアノ連弾用として作曲されましたが、後にピアノ独奏用にも編曲されました。
愛をテーマにした繊細な音色は、聴く人の心に染み入るよう。
ブラームスならではの複雑なリズムや時間操作も魅力的です。
ピアノの優美な響きに酔いしれたい方にオススメの1曲。
テレビドラマやCMでも使用され、多くの人々を魅了し続けています。
ブラームスの音楽性が凝縮された、心洗われる名曲といえるでしょう。
パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43 第18変奏Sergei Rachmaninov

『パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43』は、ピアノ協奏曲の形で作曲された作品です。
超絶技巧を有することで「伝説のバイオリニスト」と称されているニコロ・パガニーニが作曲した『24のカプリース』の第24番の主題をもとに、24の変奏が繰り広げられます。
中でも第18変奏は、優美で魅力的な旋律と和声で多くの人を魅了している人気の高い1曲!
和音の中のメロディラインを意識的に響かせながら、穏やかにかつロマンティックに演奏しましょう。
ヴォカリーズ 作品34-14Sergei Rachmaninov

重厚でいて陰影に富んだメロディ、繊細さと壮大さとを表現するロシアの偉大な作曲家、セルゲイ・ラフマニノフの作風は聴く者の心にずっしりと響き渡ります。
本稿で紹介している『ヴォカリーズ』は、ラフマニノフの中でも著名なピアノ伴奏つきの歌曲で、ピアノ独奏のみならず多くの楽器による編曲が行われている人気の高い名作ですね。
あまりにも美しくメランコリックな主旋律を聴いていると、まるで誰かの人生の1ページが垣間見えるかのようです。
誰かの歌詞が存在しないからこそ、演奏する人のイメージや表現力が問われる作品ですし、ピアノと歌唱によるもともとの『ヴォカリーズ』はもちろん、前述したように多くのアレンジでこの曲を聴いてみることをオススメします!
練習曲 作品10-3 「別れの曲」Frederic Chopin

ポーランド出身の作曲家フレデリック・ショパンの『別れの曲』という名称で親しまれている練習曲。
こちらの正式名称は『練習曲作品10-3』といい、1832年に作曲されています。
ショパン本人を描いたドイツ映画『別れの曲』で使用されたことからこの愛称は由来しています。
穏やかに始まる序盤から難易度も高い劇的な中間部を経て、最後は再びゆっくりとした主題に戻ります。
練習曲とはいえ、ショパンの練習曲は公共の場での演奏を考慮された魅力的なものが多く、高い芸術性などテクニックの習得以上の価値が求められます。
ジムノペディ第1番Erik Satie

フランスの異端児として知られるエリック・サティ。
19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した彼の作品は、従来のロマン派音楽からの脱却として高く評価されています。
1888年に作曲された本作は、ゆったりとした美しい旋律が印象的です。
クラシックをあまり知らない方でも、一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。
独特な和音の色彩やメロディの構成が、聴く人の心に深い感動を与えます。
サティの苦悩や挫折が色濃く反映されているとも言われる本作は、静寂と穏やかさの中に、メランコリックな雰囲気が漂います。
心を落ち着かせたい方にもオススメの1曲ですよ。