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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(11〜20)

ピアノソナタ 第3番 第3楽章Alexander Scriabin

Yuja Wang – Scriabin: Piano Sonata No. 3 in F-Sharp Minor, Op. 23: III. Andante
ピアノソナタ 第3番 第3楽章Alexander Scriabin

ロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービンが手掛けた、美しく繊細な作品。

1897年から1898年にかけて書かれた『ピアノソナタ第3番』の第3楽章は、静かで穏やかな音楽が特徴です。

「エタ・ダム(魂の状態)」という副題がつけられた本作は、スクリャービン自身の内面を反映しており、魂が悲しみやメランコリー、そして漠然とした愛や欲望の感情に包まれて浮遊しているようなイメージが描かれています。

さらに、彼自身がこの曲を演奏したとき「ここで星たちが歌う!」と叫んだことから、「星が歌う」という名でも知られています。

穏やかな海に浮かぶような繊細な感情表現は、聴く人の心を静かに洗い流してくれることでしょう。

静かな夜に、ぜひ星を眺めながら聴いてほしい作品です。

乙女の祈りNEW!Tekla Bądarzewska

牛田智大 – バダジェフスカ:乙女の祈り
乙女の祈りNEW!Tekla Bądarzewska

優美で親しみやすい旋律が印象的なテクラ・バダジェフスカの名作。

春の穏やかな日差しのなかで祈りを捧げるような、繊細で感傷的な雰囲気が魅力のピアノ曲です。

主題が変奏されながら繰り返される構成で、きらびやかな装飾音符やオクターブのメロディが多用されており、指先のコントロールが求められますが、その分華やかに響きます。

映画『男はつらいよ』シリーズで使われていることでもおなじみですね。

1859年にパリの音楽雑誌の付録として掲載されたことをきっかけに世界中で大ヒットした本作は、聴く人の心を優しく解きほぐしてくれます。

春の訪れとともに華やかなレパートリーを増やしたい方に、ぜひオススメしたい1曲です。

ノクターン 第20番 嬰ハ短調「遺作」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが1830年に作曲したノクターン。

全21曲からなるうちの、第20番は、姉のルドヴィカへの献呈とともに、『ピアノ協奏曲第2番』の練習用として書かれました。

ショパンの死後21年たった1875年に出版されたため、『遺作』と名付けられています。

レント・コン・グラン・エスプレッシオーネの穏やかなテンポで、左手の分散和音に対して右手が情感豊かな旋律を奏でる構成。

序奏部、中間部、再現部の三部構成で、美しい旋律と華やかな装飾音がメランコリックな雰囲気を引き立てています。

ショパンの内面的な感情や思索が反映された本作は、繊細な音色を味わいたい方にオススメです。

映像第1集 第1番「水に映る影」Claude Debussy

ドビュッシー: 映像 第1集 – 第1番 水に映る影[ナクソス・クラシック・キュレーション #おしゃれ]
映像第1集 第1番「水に映る影」Claude Debussy

印象派音楽の先駆者として知られるクロード・ドビュッシー。

彼が1905年に作曲した本作は、全4集ある『映像』のうちの第1集のなかの1曲目『水に映る影』です。

水面に映る光や影の揺らぎを繊細な音色で描写しており、複雑な和音進行と流動的な旋律が特徴的。

それはまるで、水の動きを目で見ているかのような感覚に包まれます。

ドビュッシーは伝統的な音楽形式にとらわれず、非線形的な音楽の流れを重視しました。

本作は、ピアノの新しい音色を探求する試みでもあったのです。

水をテーマにした作品を好む方や、繊細な音の表現に興味がある方にオススメですよ。

ピアノソナタ 第8番「悲愴」第2楽章Ludwig van Beethoven

ベートーヴェンの初期のピアノ作品を代表する『ピアノソナタ 第8番 悲愴』。

なかでも第2楽章は、ベートーヴェンが書いたメロディーのうちでもっとも美しいといわれ、多くの映画やドラマの挿入曲として使用されています。

シンプルなメロディーで音域もそれほど広くありませんが、それ以外のパートの音に厚みがあるため、バランスを注意深く聴きながら演奏しないとメロディーが埋もれてしまいがち。

聴く者の心を温かく包み込んでくれるゆったりと流れる優雅なメロディーと、それを支える重厚な和音を意識しながら、穏やかに演奏してみましょう。