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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(21〜30)

献呈Robert Schumann=Franz Liszt

金子三勇士 – 献呈(シューマン/リスト編) S.566
献呈Robert Schumann=Franz Liszt

ベートーヴェンやシューベルトの遺伝子を色濃く受け継いでいる作曲家、ロベルト・シューマン。

ピアノ曲や歌曲集に関して、圧倒的な才能をほこる偉大なドイツの作曲家ですね。

そんな彼の作品のなかでも、特にオススメしたい楽曲が、こちらの『献呈』。

この曲には非常にロマンティックな背景があります。

というのもこの曲は作品として作られたわけではなく、シューマンの妻に対して結婚式の前夜に送った楽曲なのです。

そういった背景もあり、メロディーからあふれる感情が感じられますね。

歌曲集ですが、ピアノ独奏曲にアレンジされたバージョンも存在します。

ピアノ独奏曲のバージョンは、よりファンタジーな雰囲気に仕上がっているので、ぜひ聴き比べてみてください。

夜の海辺にてHeino Kasuki

ひんやりとしたピアノの音色で、夏の暑さを忘れてみませんか。

フィンランドの作曲家ヘイノ・カスキが手掛けた美しい小品です。

ピアノの一音一音がまるで夜の海辺にきらめく光の粒のように感じられ、北欧の静謐な自然へと心を誘うことでしょう。

穏やかで幻想的な旋律は、聴く人を優しく包み込むようで、内省的な気分にさせてくれます。

ピアニストの舘野泉が演奏し、1999年4月に録音されたアルバム『Kaski: Night By the Sea』に収録されたことで、この楽曲の魅力は広く知られるようになりました。

暑さでお疲れ気味の心にそっと寄り添い、涼やかな気分に浸りたい方に、ぜひおすすめしたい作品です。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(31〜40)

8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

正田彩音 (小3) フォーレ:8つの小品 即興曲 op.84-5 AYANE SHODA PLAYS FAURE
8つの小品 Op.84 第4番 アダージェットGabriel Fauré

ホ短調の3拍子で、しっとりと奏でられる繊細な旋律美が心に染み入る珠玉の小品です。

1902年にリッカルド・ヴィニェスによって初演されたこの楽曲は、アルバム『8つの小品 Op.84』に収められた作品の一つ。

アンダンテ・モルト・モデラートというゆっくりとしたテンポで進行し、中声部に配置された旋律がエレガントな変奏となって展開されていきます。

落ち着いた雰囲気と上品な和声進行が印象的な本作は、優美なフランス音楽の魅力を存分に味わえる一曲となっています。

演奏技術に過度な負担がないため、フランス音楽の表現力を磨きたい方やクラシック音楽の新たな世界を開拓してみたい方におすすめの楽曲です。

「8つの演奏会用練習曲」より「夢」Nikolai Kapustin

カプースチン 8つの演奏会用エチュード Op.40-2 『夢』 Kapustin Eight Concert Etudes Op.40-2
「8つの演奏会用練習曲」より「夢」Nikolai Kapustin

カプースチンは、ジャズとクラシックを融合し、ピアソラとも違った独自の道を切り開いています。

「夢」はややおとなし目の作品ですが、とても高い演奏効果を持つ難曲です。

右手の細かい音の組み合わせがメロディーを形作り、独特の浮遊感を生み出しています。

アヴェ・マリアFranz Schubert

アヴェマリア・シューベルト~ピアノ~
アヴェ・マリアFranz Schubert

オーストリアを代表する作曲家、シューベルト。

非常に有名な作曲家ですね。

いくつもの名曲を生み出してきた彼ですが、なかでもこちらの『アヴェ・マリア』は美しいという表現が最も似合う楽曲ではないでしょうか?

シューベルトの最晩年の楽曲ということもあって、無駄な音楽が1つも存在しない、非常に洗練された楽曲です。

ピアノではその洗練された音楽性がより一層味わえますね。

ルチアーノ・パヴァロッティさんによるオペラでの『アヴェ・マリア』も非常に秀逸ですので、ぜひチェックしてみてください。

ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2Frederic Chopin

Yundi Li – Frederic Chopin Nocturne Des-Dur Op. 27 Nr. 2 2010
ノクターン 第8番 変ニ長調 Op.27-2Frederic Chopin

ロマン派を代表する作曲家ショパンが1836年に作曲したピアノ曲。

とても人気の高い作品の一つで、単一の旋律から進化していく構成が特徴的です。

左手の壊れた和音のハーモニーに、右手で奏でられる主旋律が重なり、繊細でメランコリックな雰囲気を醸し出しています。

クライマックスに向かって美しく構築され、ショパンならではの装飾的な手法で締めくくられます。

ポーランドの民俗音楽の影響も感じられ、夜のロマンティックなビジョンを表現した作品となっています。

ピアノの魅力を存分に引き出した本作は、ピアノを演奏する人はもちろん、クラシック音楽を聴くのが好きな方にもオススメです。

アラベスク ハ長調 作品18Robert Schumann

Schumann – Arabesque in C major, Op.18 – pianomaedaful
アラベスク ハ長調 作品18Robert Schumann

ロベルト・シューマンの偉大な名曲『アラベスク ハ長調 作品18』。

アラベスクというのはアラビア風という意味で、文字通り、アラビアンなメロディが登場します。

そんな本作は手の大きさによって難易度が変わるものの、声部を両手で補うなどをすれば、問題なく演奏できます。

付点のリズムで流れるメロディは軽やかでありながら繊細でロマンティック。

曲全体は6つの部分に分かれ、最初のメロディを再現しながらさまざまな場面が登場します。

ぜひアラビア風をイメージして弾いてみてくださいね。