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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(71〜80)

ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

Alexander Ullman – Nocturne in F minor Op. 55 No. 1 (second stage)
ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

21曲もの美しいノクターンを残したフレデリック・ショパン。

ロマンチックな第2番や、映画『戦場のピアニスト』で話題となった第20番が有名ですが、哀愁漂う曲調の『第15番 ヘ短調 Op.55-1』も非常に美しく、芸術の秋にふさわしい作品の一つです。

やり切れない悲しみや苦しみを感じさせる楽曲ですが、最後の明るい響きのアルペジオで、一気に救われ心が軽くなるような感覚に陥ります。

ぜひ、静かな流れのなかでゆっくり変化していく曲調を楽しみながら聴いてみてください。

5つの小品(樹木の組曲)Op.75 第5曲「樅の木」Jean Sibelius

フィンランドが誇る国民的作曲家ジャン・シベリウスの作品。

北欧の豊かな自然を連想させる美しさが特徴的です。

繊細なピアノのタッチが、樅の木の堂々とした姿や、静かな森の雰囲気を見事に描き出しています。

1914年に作曲されたこの曲は、第一次世界大戦勃発の年に生まれた珠玉の小品。

即興的な奏法が求められ、自由な演奏が推奨されているのも魅力の一つです。

フィンランドの深い森を散策しているかのような感覚を味わってみてくださいね。

コンソレーション 第5番Franz Liszt

Franz Liszt – Consolation No. 5 (audio + sheet music)
コンソレーション 第5番Franz Liszt

高度なテクニックを要する『超絶技巧練習曲』などとは異なり、比較的やさしいレベルの楽曲で構成されているピアノ曲集『コンソレーション』。

第5曲は、左手の穏やかな伴奏の上に希望の光を感じさせるような明るくやさしいメロディーが重なった、とても美しい作品です。

譜読みしやすくテクニック的にもそれほど難易度は高くありませんが、トップのメロディーラインが伴奏やハーモニーを作り出す他の音にかき消されてしまいがち。

メロディーがどこにあるのかしっかり把握し、よく響かせながら演奏してみてくださいね。

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(81〜90)

ノクターン 第19番Op.72-1 ホ短調「遺作」Frederic Chopin

1827年頃、わずか17歳で作曲されたとは思えないほど深い哀愁を湛えた夜想曲です。

左手の絶え間なく続く三連符のアルペジオが心の揺らぎを表現し、その上に乗る右手の素朴で物悲しい旋律が、胸の内に秘めた想いを静かに語りかけます。

本作はホ短調で始まりながら、最後は温かい長調で静かに終わる構成が特徴的で、涙のあとの穏やかな安らぎを感じさせます。

ドラマ『Fringe』でも使用されました。

感傷的な夜に一人でじっくり向き合いたい、そんな気分に寄り添ってくれる一曲です。

無言歌集 第4巻 Op.53 第1曲 海辺でFelix Mendelssohn

Barenboim plays Mendelssohn Songs Without Words Op.53 no.1 in A flat Major
無言歌集 第4巻 Op.53 第1曲 海辺でFelix Mendelssohn

穏やかな波のうねりと海風のさざめきを思わせる、静かで詩情が豊かなピアノ曲です。

変イ長調で書かれた本作は、1841年にアルバム『無言歌集』第4巻の1曲目として公開された作品です。

透明感のある和音の響きと美しい旋律が織りなす優美な音の世界は、海辺の風景を目の前に広がるかのように感じさせてくれます。

シンプルながらも繊細な表現力が求められる作品ですが、ゆっくりと丁寧に練習を重ねることで、確実に演奏できるようになれます。

リラックスした雰囲気の中で練習したい方や、表現力を磨きたい方にぴったりの一曲といえるでしょう。

「動物の謝肉祭」より「白鳥」Camille Saint-Saëns

サン=サーンス 白鳥 ピアニスト 近藤由貴/ Saint-Saëns: The Swan (Le Cygne) ,Yuki Kondo
「動物の謝肉祭」より「白鳥」Camille Saint-Saëns

サン=サーンスは多くの才能に恵まれた稀有な作曲家でした。

「白鳥」は《動物の謝肉祭》の中の1曲ですが、エレガントな雰囲気が多くの人に愛され、ピアノ・ソロ、ピアノ連弾、チェロやヴァイオリンなど、さまざまな楽器用にアレンジされて親しまれています。

歌曲集「3つの歌」Op.7 第1曲「夢のあとに」Gabriel Fauré

Gabriel Fauré-『Après un rêve』/フォーレ『夢のあとに』
歌曲集「3つの歌」Op.7 第1曲「夢のあとに」Gabriel Fauré

ピアノやチェロ、バイオリン、フルートなど、さまざまな楽器で演奏されているガブリエル・フォーレの歌曲集『3つの歌』の第1曲『夢のあとに』。

夢で美しい女性と幻想的なときを過ごした男性が目覚め、「あの美しい女性を返してくれ」と悲しみに暮れる様子が描かれています。

男性の嘆きが聴こえるような切ないメロディは、ピアノの音色とも相性抜群。

メロディを際立たせながらも、メロディの美しさのみに頼らず、伴奏でも感情の波をしっかり表現できるとよいでしょう。