美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い
ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。
繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。
今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。
ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。
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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(91〜100)
コンソレーション 第4番Franz Liszt

世の中のすべてのものが浄化されていくような美しさをたたえた『コンソレーション 第4番』。
和音が連続するコラール風の作品で、中間部にもの悲しい雰囲気の短調の部分が挟まりますが、最後は穏やかに終息します。
テンポが速く音数の多い曲の方が難しいと思われがちですが、和音をきれいに演奏することも同じくらい難しいもの。
左右の縦のラインをそろえることはもちろん、和音の中でどの音に重心を置いて響かせるかを考えることも重要です!
ご自身のピアノの音をよく聴きながら、和音で美しいメロディーを紡いでいきましょう。
夜のガスパール 第1曲「オンディーヌ」Maurice Ravel

フランスの文学に詳しい方であれば、この『夜のガスパール』というタイトルを目にして19世紀のフランスで生まれたルイ・ベルトランによる詩集を思い出すかもしれませんね。
本稿で取り上げているのはモーリス・ラヴェルによるピアノ独奏のための組曲で、実際にルイ・ベルトランの詩集に収録された3編に着想を得た同名の作品です。
全3曲ありますが、今回はそのなかの第1曲『オンディーヌ』を紹介します。
「オンディーヌ」とは四大精霊のうちの水をつかさどる精霊の名前で、日本人としては「ウンディーネ」という名称の方が馴染みがあるかもしれませんね。
ラヴェルによる水をテーマとしたピアノ曲といえば『水の戯れ』が思い浮かべられますが、こちらの『オンディーヌ』もぜひ知ってほしい作品です。
人間に恋したオンディーヌの物語を描いており、恋に破れた精霊のエモーションと激しい雨が降る様を、ラヴェルらしい高度な技術で表現した繊細かつドラマチックな逸品ですよ。
ラ・カンパネラFranz Liszt

鐘の音を模した繊細な旋律が印象的で、高音域での跳躍や装飾音が美しく響き渡ります。
1851年に改訂されたピアノ曲は、ロマン派音楽の真髄を感じさせる情熱的な表現力と、技巧的な演奏が特徴です。
フランツ・リストは、1831年にパガニーニの演奏に感銘を受け、ヴァイオリン協奏曲の主題をピアノ用に編曲。
映画やテレビ番組のBGMとしても度々使用され、多くの人々の心を魅了してきました。
本作は、静かな環境で集中して勉強したい方にオススメです。
鐘の音のような透明感のある音色は、心を落ち着かせながらも適度な緊張感を保ってくれるでしょう。
無言歌集 第2巻 Op.30 第3曲「慰め」Felix Mendelssohn

比較的難易度が低く、子どもの練習用の教材としても使われる『無言歌集』ですが、全48曲の中で多少難易度も変わってきます。
こちらの『第2巻 作品30 慰め』はおそらく最も難易度が低い部類の楽曲ですから、初めて『無言歌集』に取り組むにはもってこいの作品と言えそうですね。
複雑な構造の楽曲ではありませんが、スラーや強弱記号はしっかり意識して弾いてみてください。
落ち着いてゆっくりとしたテンポながらあまり遅くなりすぎず、場面場面でしっかり表情をつけてあげることで楽曲の上品な美しさが表現できるようになりますよ。
亜麻色の髪の乙女Claude Debussy

こちらの曲はドビュッシーがルコント・ド・リールの同タイトルの詩につけた未発表の歌曲から編曲された曲といわれています。
ドビュッシーは、ピアノのための前奏曲24曲作曲しており、それが12曲ずつ二つの曲集におさめられています。
こちらの曲は第1集の8曲目ですが、この曲が最も知られており、人気のある曲なのではないでしょうか。
詩から作られた曲とあって、情景が目に浮かびそうですよね。
ちなみに亜麻色とは白に近い金髪のことだそうです。
5つの小品(樹木の組曲)Op.75 第5曲「樅の木」Jean Sibelius

フィンランドが誇る国民的作曲家ジャン・シベリウスの作品。
北欧の豊かな自然を連想させる美しさが特徴的です。
繊細なピアノのタッチが、樅の木の堂々とした姿や、静かな森の雰囲気を見事に描き出しています。
1914年に作曲されたこの曲は、第一次世界大戦勃発の年に生まれた珠玉の小品。
即興的な奏法が求められ、自由な演奏が推奨されているのも魅力の一つです。
フィンランドの深い森を散策しているかのような感覚を味わってみてくださいね。
ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

21曲もの美しいノクターンを残したフレデリック・ショパン。
ロマンチックな第2番や、映画『戦場のピアニスト』で話題となった第20番が有名ですが、哀愁漂う曲調の『第15番 ヘ短調 Op.55-1』も非常に美しく、芸術の秋にふさわしい作品の一つです。
やり切れない悲しみや苦しみを感じさせる楽曲ですが、最後の明るい響きのアルペジオで、一気に救われ心が軽くなるような感覚に陥ります。
ぜひ、静かな流れのなかでゆっくり変化していく曲調を楽しみながら聴いてみてください。