フランスを代表とする作曲家クロード・ドビュッシーの作品を紹介します。
「月の光」や「夢」、「亜麻色の髪の乙女」など風景や人物を抽象的にイメージした印象主義音楽の世界に浸れます。
ピアノ曲やオーケストラの曲を作曲しているイメージもありますが、「星の夜」などわずか18歳で作曲した若くしてドビュッシーの才能が光る歌唱も多くあります。
そんなフランス近代の大作曲家による美しい旋律の調べにしばし心を奪われてください。
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ドビュッシーの名曲。人気のクラシック音楽(1〜10)
版画より 雨の庭Claude Debussy

雨が降りしきる様子がよく伝わってくる曲です。
ポツポツ、ポロポロ、そして結構な降りっぷりになっていきます。
コロコロと雨粒の性格を現すように音を立たせて演奏するとても高いレベルが求められるため、小曲とはいえあなどれない難曲です。
ピアノのための作品「版画」の最終曲であり、二つのフランス童謡「ねんねよ、坊や Dodo l’engant do」、「もう森にはゆかないよ Nous n’irons plus au bois」を引用されています。
亜麻色の髪の乙女Claude Debussy

クロード・ドビュッシーの作曲したピアノのための前奏曲の中から8曲目の曲です。
見開きで1ページという、とても短い曲ですが、その美しさは有名で、テレビコマーシャルなどでも好んで使用されます。
フラット記号が6つの変ト長調で書かれているため、譜読みは結構大変ですが、覚えてしまえばゆったりとした曲調が弾きやすい曲のため、ピアニストもこぞって演奏されます。
題名にある『亜麻色の紙の乙女』はフランスの高踏派の詩人ルコント・ド・リールの詩にある「la fille aux cheveux de lin」から引用されています。
金色の魚Claude Debussy

フランスの作曲家クロード・ドビュッシーのピアノ曲集「映像 第2集」に含まれる作品です。
1907年にドビュッシーが自らの書斎に飾ってあった日本の漆器盆に描かれた錦鯉に触発されて作られました。
ピアノの音色で水や魚の動きや輝きを表現しており、伝統的な和声やリズムを超えた新しい音楽表現が特徴です。
印象主義音楽と呼ばれることもありますが、ドビュッシー本人はこの分類を好みませんでした。
本作は、聴き手の想像力を刺激し、金魚が水面を滑るような美しい情景を描き出すことに成功しています。
繊細な感性を持つ人や、音楽を通じて豊かなイメージを膨らませたい人におすすめです。
グラナダの夕べClaude Debussy

本作は1903年に完成した『版画』に収録されており、スペインのグラナダをイメージした音楽です。
ギターのかき鳴らしを模倣した音や、ハバネラのリズムを取り入れるなど、まるでグラナダの街を歩いているかのような雰囲気を醸し出しています。
ドビュッシーはスペインを訪れた経験があまりなかったそうですが、想像力が豊かな音楽で異国情緒があふれる世界を見事に表現しています。
クラシック音楽が好きな方はもちろん、スペイン文化に興味がある方にもおすすめの一曲です。
ベルガマスク組曲「パスピエ」Claude Debussy

1900年ごろに作曲された初期ドビュッシーのピアノ独奏曲です。
本曲は4曲で構成される組曲のうち、第4目にあたります。
表題の「パスピエ」とはダンスの名称で、軽やかなステップの舞踊の事を指します。
左手の軽快な雰囲気はまさに「パスピエ」そのもの。
右手が奏でるメロディは、どこか物憂げで切なさを帯びています。
不思議で幻想的な終曲です。
また国民的人気ゲーム第1作目の『ドラゴンクエスト』で流れるフィールドBGM「広野へ行く」のモチーフが非常に似ているということでドラゴンクエストの音楽ファンからも注目されている曲です。
冒頭に1900年ごろと書きましたが、作曲そのものは1890年に行われ、1905年に改訂版が出版されています。
音源がある方は初稿版と改訂版で違いを楽しんでみてはいかがでしょうか
『海』管弦楽のための3つの交響的素描Claude Debussy

1903年から1905年にかけて作曲されたクロード・ドビュッシーの作曲した作品です。
フランスを代表とする作曲家の一人であるドビュッシーの管弦楽曲の中で最も有名な曲の1つで、3つの「海上の夜明けから真昼まで」、「波の戯れ」、「風と海との対話」の表題で海を描いたこの曲は、実は日本の浮世絵にある海の描写からインスピレーションを得て作曲されたとも言われています。
1905年に出版されたスコアの表紙には、葛飾北斎の浮世絵である冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」が使用され、『海 – 管弦楽のための3つの交響的素描』が正式な題名ですが、交響詩『海』という愛称でも知られています。
印象派の始めといわれるようにとても風景的で、日本の浮世絵からインスピレーションを得たといわんばかりに随所にオリエンタルな響きを感じる事ができます。
アラベスク1番Claude Debussy

子どもの発表会でも人気の「アラベスク」です。
2曲あり、どちらもすてきな曲ですが、人気があって知名度も高いのはこちらの1番です。
涼やかな水の流れるような、美しい旋律がなんとも耳に心地よい、癒やしのピアノ曲です。
子供の領分 第6曲「ゴリウォーグのケークウォーク」Claude Debussy

1908年に完成したピアノのための組曲『子供の領分』。
クロード・ドビュッシーが3歳の娘のために作曲したこの作品は、大人が子供らしい気分に浸ることを目的としています。
第6曲は、黒人のダンス「ケークウォーク」をモチーフにした軽快な一曲。
当時人気だった人形「ゴリウォーグ」が陽気に踊る様子を描いているのだそう。
弾むようなリズムと洗練されたハーモニーが特徴的で、聴く人の感性を刺激します。
楽譜に書かれた指示を細かく見つつ、強弱の変化やアクセントを大切に演奏すると、より魅力が引き立ちますよ。
花火Claude Debussy

クロード・ドビュッシーが7月14日のフランス革命記念日の情景を描いた作品です。
ドビュッシーが作曲したピアノのための前奏曲の全24曲のうち、『前奏曲集 第2巻』の12曲目に収録されています。
曲想はまるで本当に花火が夜空に打ちあがっているかのような、描写力の非常に高い作品です。
メロディラインを歌えるような代物ではなく、ドーン、ドーン、キラキラキラ・・・と、まさに花火の絵画を眺めているような気分に。
フランスを祝った曲のようにフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」が引用されています。
弦楽四重奏曲 ト短調 作品10Claude Debussy

フランスが誇る印象派音楽の巨匠クロード・ドビュッシーの唯一の弦楽四重奏曲です。
1893年に31歳で作曲したこの曲は、4つの楽章から構成され、全体を通じて同じ主題が繰り返される「循環形式」が用いられています。
第1楽章の力強い開始から、第2楽章の軽快なリズム、第3楽章の瞑想的な雰囲気、そして最終楽章の情熱的なクライマックスまで聴く人を魅了します。
東洋的な美学も感じられ、ドビュッシーの独自性が光る本作。
新しい音楽表現を追求したい人におすすめの一曲です。
ドビュッシーの名曲。人気のクラシック音楽(11〜20)
小さな羊飼いClaude Debussy

この曲はピアノ曲集『子供の領分』から選ばれた一曲です。
1908年に完成されたこの組曲は、当時3歳だった娘クロード・エマ(愛称シュシュ)のために作られました。
草原で羊飼いが静かに笛を吹いているというイメージで作られた本作は、ドビュッシーの音楽に典型的な静謐さと詩的な雰囲気を持っています。
長音階や短音階以外の旋法、機能和声にとらわれない自由な和声法を用いて作曲されており、19世紀後半から20世紀初頭にかけて最も影響力を持った作曲家の一人とされるドビュッシーならではの独特な音楽スタイルが反映されています。
子供の想像力が豊かな世界を音楽に映し出した本作は、ピアノ初心者の方から上級者の方まで幅広く楽しめる一曲となっています。
夢想Claude Debussy

機能和声にとらわれることのない自由な和声法を代表するように、型破りな作曲でフランスの作曲家をはじめ、現代音楽に多大な影響をもたらしたフランスの作曲家、クロード・ドビュッシー。
美しい旋律の作品が多い彼ですが、その中でも特にオススメしたいのがこちらの『夢想』。
本作は経済的な苦境から必要に迫られて書いた曲なのですが、それらを感じさせない美しい旋律が特徴です。
晩年、ドビュッシーはこの作品に厳しい評価を下していましたが、それでもなお、多くのピアニストと聴衆に愛されています。
ベルガマスク組曲 第3曲「月の光」Claude Debussy

クロード・ドビュッシーの作品の中でもっとも有名な『ベルガマスク組曲』の第3曲。
静かな夜空に浮かぶ月と、その光が降り注ぐ神秘的な空間が目の前に浮かぶ、幻想的で美しい作品です。
1905年に改訂版が出版されたこの曲は、ポール・ヴェルレーヌの詩に触発されたとされています。
ピアノ曲ですが、単独で演奏されることも多く、この曲に憧れてピアノを習い始める大人の方も多くいらっしゃいます。
テクニック的にはそれほど難しくないものの、曲の世界観を表現するのは至難の業!
月の浮かぶ風景の写真などを見て、具体的なイメージを膨らませて演奏するのもオススメですよ!
喜びの島Claude Debussy

印象主義音楽の代表格、クロード・ドビュッシーが1904年に作曲したピアノ独奏曲。
愛の女神ヴィーナスの島、シテール島を題材に、幻想的な愛の喜びを描き出しています。
装飾音やリズムの変化を駆使し、豊かな色彩の細やかな音を連ねた本作。
1905年2月18日にパリで初演されました。
ピアニストにはテクニックと表現力の両方が求められ、聴衆には日常を忘れさせてくれる美しい時間を提供します。
ドビュッシーの豊かな感覚を体感したい方におすすめの一曲です。
ベルガマスク組曲「メヌエット」Claude Debussy

印象主義音楽の始めともいわれているフランスの作曲家クロード・ドビュッシー初期のピアノ作品で、全4曲から構成されるベルガマスク組曲のうち、2曲目にあたる曲です。
冒頭のメロディラインは、実は右手と左手に交互に配置されていて、これが1つのつながったメロディに聞こえるように演奏するためには高い演奏技術が必要とされます。
少々おどけたような雰囲気の可愛らしいイメージの曲です。
小組曲「小舟にて」Claude Debussy

1886年から1889年にかけてピアノ連弾曲として作曲され、1889年に初演の際には作曲者であるクロード・ドビュッシー本人も参加したようです。
もともとピアノ連弾用に作曲された小組曲ですが、ドビュッシーの友人で同じくフランスの音楽家アンリ・ビュッセルによって編曲が行われ高い評価を得ました。
現代はオーケストラ編曲版の方がポピュラーで、よく演奏されます。
フルートの流れるような優雅な旋律が印象的な「小舟にて」はハープが川のゆらめきを美しく表現しています。
原曲とともにオーケストラ版もお楽しみください。
牧神の午後への前奏曲Claude Debussy

後にフランスを代表とする印象派の作曲家クロード・ドビュッシーによる1892年から1894年に作曲された管弦楽曲です。
冒頭のフルートソロのメロディがなんとも不思議な雰囲気で、ハープの響きが一気に物語の世界へと誘います。
幻想的で、想像の世界の中に迷い込んでしまったかのような錯覚に陥る音楽です。
絵本や小説の世界を感性が豊かに表現しています。
本曲はこれまでピアノ曲の作曲家が多かったドビュッシー初の管弦楽曲で出世作となりました。
美しき夕暮れClaude Debussy

ドビュッシー歌曲の中でもかなり人気の高い「美しき夕暮れ」はロマンチックさの中に切なさも込められており、夕暮れ時のたそがれるような風情がよく表現された大人な作品です。
ピアノ伴奏も美しく、思わず聴き入ってしまいます。
チャイコフスキーのパトロンであったフォン・メック夫人の長期旅行にピアニストとして同伴していた1880年頃に作曲されています。
子供の領分 第5曲「小さな羊飼い」Claude Debussy

フランスの印象派音楽を代表する作曲家クロード・ドビュッシーが、愛娘エマのために作曲した組曲『子供の領分』の一曲。
付点リズムの静かなメロディーが印象的な楽曲です。
このピアノ曲のポイントは、絶妙な間合い。
楽譜に書かれたリズムをそのまま再現するというよりは、音のない瞬間を大切にしながら弾いていくことが大切です。
とはいっても、ドビュッシーの作品にまだあまり触れていない方にとっては、感覚をつかむのが難しいはず。
有名ピアニストの名演などを参考に、間合いを研究してみると、ドビュッシーらしさをより早く習得できるかもしれませんよ。
小さな黒人Claude Debussy

フランス近代音楽の巨匠、クロード・ドビュッシーの軽快な作品といえば、この曲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
アフリカ系アメリカ人のダンス「ケークウォーク」にインスピレーションを得た、リズミカルで楽しい小品です。
2拍子の正確なリズムを刻む左手の上に、シンコペーションを含む軽やかな右手のメロディーが重なっていきます。
途中で穏やかな部分に変化しますが、すぐにまた元の活気があるリズムに戻っていきます。
1862年生まれのドビュッシーが、20世紀初頭のアメリカの音楽文化を取り入れた意欲作。
子供から大人まで、幅広い層に親しまれる一曲です。