【上級者向け】ピアノ発表会で挑戦すべきクラシックの名曲を厳選
ピアノ上級者になると、高速のパッセージや激しいポジション移動をともなう難曲に挑戦する機会が増えると思います。
また、技術面だけでなく、複雑な歴史的背景を持つ作品や、音楽的理解が難しい作品に出あい、つまずくこともあるでしょう。
このような要素を持つ楽曲を弾くことは、ピアノ学習者にとって大きなステップアップのチャンスです!
今回は、テクニックや表現、解釈、いずれの観点からも上級者向けとして知られている楽曲をピックアップしました。
発表会をきっかけに自分の可能性をさらに切り開いていきたい!という方は、最後までじっくりとご覧ください。
【上級者向け】ピアノ発表会で挑戦すべきクラシックの名曲を厳選(61〜70)
幻想小曲集 作品12-2「飛翔」Robert Schumann

8曲からなるピアノ小品集『幻想小曲集 作品12』の第2曲『飛翔』は、コンクールや発表会、コンサートなどで演奏される機会の多い作品。
冒頭の力強い短調部分と、甘くやさしい長調部分の対比の美しさに魅了され、「この曲を弾いてみたい」と憧れるピアノ学習者も多いんです。
ドラマチックな展開をピアノの音で十分に表現できるよう、テクニックだけでなく、強弱や表現記号にも注目しながら練習しましょう。
他の7曲も魅力的なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
スペイン組曲 第1集 作品47『アストゥリアス』Isaac Albéniz

スペイン各地の風景や文化を音楽で描写した、情熱的で印象的なピアノ組曲『スペイン組曲 第1集 作品47』から、魅力的な楽曲をご紹介します。
神秘的な雰囲気を持つ中間部と、力強いリズム主題が織りなすコントラストが見事な本作は、ギター的な奏法をピアノで表現する独特の技法が用いられています。
1886年に作曲された本作は、映画やテレビ番組、CMなどでも使用されており、多くの人々の心を捉えてきました。
ピアノ技術を持ち合わせた方や、表現力が豊かな演奏を目指す方におすすめです。
スペインの民族音楽の要素を取り入れた味わい深い曲調は、発表会で聴衆を魅了することでしょう。
幻想曲 ニ短調,K.397Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトの代表的な高難易度の楽曲、『幻想曲 ニ短調 K.397』。
一般的に上級者向けとされるピアノ作品は、どれも速弾きであったり持久力が求められるような、わかりやすい難易度の高さが印象的な楽曲ばかりです。
しかし、こちらの楽曲は違います。
速弾きも持久力も求められないこの作品の何が難しいのか。
その答えは表現力にあります。
ただ音符を追うだけの演奏では、あまりにも無機質に聞こえてしまうこの曲。
抑揚や表現力の面で見れば、間違いなくトップクラスの難易度を持つ作品といえるでしょう。
古風なメヌエットMaurice Ravel

近代クラシックにおいて大きな影響を与えてきたフランス出身の作曲家、モーリス・ラヴェル。
それまでは敷居の高いクラシックでしたが、彼が登場してからクラシックにも民族音楽が取り入れられるようになり、現代クラシックに多大な影響をもたらしました。
こちらの『古風なメヌエット』は、そんな彼の作品のなかで特に難易度の高い作品として知られています。
譜読みが難しい作品ですが、高速のパッセージがふんだんに盛り込まれているわけではないので、上級者になりたての方にもオススメです。
「パガニーニ大練習曲」より第4曲「アルペジオ」Franz Liszt

パガニーニのヴァイオリン作品をピアノに編曲した壮大な変奏曲です。
1838年に初版が発表され、その後改訂を重ねて現在の形になりました。
主題に続く11の変奏では、トレモロ、オクターブ、アルペジオなど、ピアノならではの技巧が贅沢にちりばめられています。
フランツ・リストがパガニーニの演奏に感銘を受け、ピアノでもヴァイオリンのような表現を目指して作曲した本作は、聴衆を魅了する華やかさと、深い音楽性を兼ね備えています。
音の重なりや展開の美しさは、ピアノの魅力を存分に引き出しており、コンサートやピアノコンクールでも人気の高い作品です。
確かな技術と表現力を持つ演奏者の方におすすめの、発表会で存在感を放つ一曲といえるでしょう。
ピアノソナタ第18番 K.576Wolfgang Amadeus Mozart

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが、最後に書き上げたピアノソナタ。
1789年にプロイセンの王女のために作曲されたこの作品は、モーツァルトの存命中には出版されず、1805年に初めて世に出ました。
高度な技術を要する対位法的なパッセージが特徴的な本作は、モーツァルトのピアノソナタのなかでも特に難しい作品の一つとされています。
発表会で披露すれば、大きな自信につながるはず!
怖がらずチャレンジしてみましょう!
絵画的練習曲「音の絵」Op.33 第1番 ヘ短調Sergei Rachmaninov

『絵画的練習曲「音の絵」』は全2巻、18曲からなるピアノ独奏曲集です。
1911年に作曲されたOp.33は超絶技巧を要する練習曲として知られていますが、第1曲は比較的難易度が低いとされています。
ショパンの『練習曲 Op.25-4』に似たフレーズがあり、セルゲイ・ラフマニノフ自身も冗談まじりで「ショパンの曲を聴きながら作曲した」と語ったのだとか。
なかなか難儀な曲ですが、ショパンの作品とも聞き比べながら楽しく練習を進めていきましょう。