90年代ロック革命!~90年代を彩った洋楽バンドの名曲集
1990年代は、既存のロックにはあてはまらないオルタナティブロックやグランジと呼ばれた一派が台頭し、ロック・シーンが大きな変革を遂げた時代です。
ポップパンクやシューゲイザー、ニューメタルにラップメタル、ダンスミュージックやテクノをロックと融合させた革新的なサウンドなど、正しく「ミクスチャー」と呼びたい感性から生まれた90年代ロックは、2020年代の今も若いミュージシャンへ多大なる影響を及ぼしていますよね。
本稿では、そんな90年代の洋楽ロックバンドの名曲を一挙ご紹介!
これから90年代ロックに触れてみたいという方にもオススメしたい、基本かつ王道の名曲を中心としたラインアップでお届けします。
90年代ロック革命!~90年代を彩った洋楽バンドの名曲集(26〜30)
1979The Smashing Pumpkins

「スマパン」の愛称でも知られるスマッシング・パンプキンズは、ニルヴァーナやパール・ジャムと並んで90年代オルタナティブロックの象徴的な存在の1つです。
そり頭が特徴的な巨漢にして天才的なソングライター、ビリー・コーガンさんを中心としたオリジナル・ラインアップは、日系人ギタリストのジェイムス・イハさんや、紅一点にしてオルタナティブロック時代のアイコンでもあったベーシストのダーシー・レッキーさん、ジャズの素養を持ち卓越した技術を持ったドラマーのジミー・チェンバレンさん、と4人のキャラクターが立っていたこともあり、ここ日本でも絶大な人気を誇ったバンドですね。
静と動の楽曲展開を巧みに操るバンド・アンサンブルから生み出された珠玉の楽曲群の中でも、今回はバンドのメロウな側面が色濃く出た名曲中の名曲『1979』を紹介しましょう。
有名なクリーン・トーンによるギターのメイン・フレーズと、ビリーさんのナイーブな歌声が際立つノスタルジックなメロディ、1979年という時代の風景を少年の目で通して描いた歌詞が実に素晴らしい。
1995年にリリースされ、スマパンの人気と評価を決定的なものとした超傑作『Mellon Collie and the Infinite Sadness』に収録されています。
スマパンの音楽性は多面的であり、この曲だけで全てを理解するのは不可能ですから、やはりアルバムを聴いてその魅力を思う存分味わっていただきたいですね!
Enter SandmanMetallica

90年代初頭のグランジ革命で80年代に活躍していたトップクラスのロック・バンドの多くが路線変更を迫られたり、人気が失墜してしまうようなケースさえあった中で、メタリカはそのような憂き目に合うどころか、記録的な成功を収めた巨大なバンドへと成長した……という事も90年代のロック・シーンにおいて重要なエピソードですよね。
世界で最も成功したヘビーメタル・バンドのメタリカが1991年にリリースした『メタリカ』、通称『ブラック・アルバム』と呼ばれるアルバムの輝かしいまでの成功や影響力などはここでは述べませんが、このアルバムの1曲目に収録されている『Enter Sandman』は、まさに90年代のメタリカだからこそ生み出せた名曲中の名曲です。
ギタリスト、カーク・ハーメットさんがオルタナティブロックの代表的なバンドであるサウンドガーデンのアルバムから触発されたというリフはもはや伝説的であり、それほどメタルに興味がない層にも認知度の高い楽曲ですよね。
スラッシュメタルらしいスピード感よりも90年代的なグルーブ重視のヘビネスは、90年代初頭という時代に呼応したものであり、旧来のファンからの反発もありましたが、この曲の価値は年月が過ぎれば過ぎるほどに増すばかりなのです。
Are You Gonna Go My WayLenny Kravitz

アメリカを代表する世界的ギタリストの1人で、特定のジャンルにこだわらないマルチプレイヤーとしても有名なシンガーソングナイター、レニー・クラヴィッツさんの楽曲。
日本でも多くの場面で耳にすることが多い楽曲で、とくにイントロのギターリフは有名ですよね。
繰り返されるキャッチーなギターリフに乗せたパワフルでエモーショナルなボーカルと、疾走感のあるタイトなビートが心地いい、まさに1990年代を代表するロックナンバーといえるのではないでしょうか。
Vertual InsanityJamiroquai

クラブ世代による踊れるジャズ、アシッドジャズの代表的な存在であり、先鋭的なサウンドで世界的な成功を収めたイギリス出身のジャミロクワイ。
いまだに勘違いされやすいのですが、ジャミロクワイとはアーティスト名ではなく、フロントマンのジェイ・ケイさんのソロ・プロジェクト名なのですよ。
バッファローマンと呼ばれる印象的なロゴ、さまざまな種類の帽子がトレードマークのジェイ・ケイさんのキャラクターも含めて、ヨーロッパのみならずここ日本においても、デビュー当時からおしゃれな音に敏感な層を中心として絶大な人気を誇っておりましたね。
そんなジャミロクワイがアメリカでも成功を果たすきっかけとなったのは、間違いなく1996年に発表された代表曲の1つ『Virtual Insanity』でしょう。
洗練されたジャズ・ファンクによる文句なしのキラーチューンであり、ジョナサン・グレイザー監督による斬新なMVも含めて、まさに伝説的な1曲といっても過言ではない名曲です。
ちなみにこの曲については興味深いエピソードがありまして、ジェイ・ケイさんによると『Virtual Insanity』は本人が目にした「札幌の地下街」に着想を得て製作されたのだとか。
CannonballThe Breeders

不思議な歪みを帯びたベースラインから始まり、歪んだボーカルが重なる—ザ・ブリーダーズがアメリカのオルタナティブロック界に放った鮮烈な印象の一曲は、1993年8月に発売されたアルバム『Last Splash』からのリード曲です。
オハイオ州出身の彼女たちは、元ピクシーズのキム・ディールさんとその双子の妹ケリーさんを中心に結成。
フランスの哲学思想を風刺し「人生は競争ではない」というメッセージを込めた本作は、米Billboard Hot 100で44位、特にフランスでは30週間もチャートインする快挙を達成。
キム・ゴードンとスパイク・ジョーンズが共同監督したミュージックビデオも話題となりました。
長距離ドライブの爽快感を求める方や、90年代オルタナ黄金期の空気感を味わいたい方にぴったりです。