偉大なるブラックミュージック・おすすめの名曲
ブラックミュージックの偉大な功績は、ジャズやブルース、ゴスペルにソウルといった音楽ジャンルを生み出したというだけではありません。
ロックやポップスの歴史に残る名曲におけるインスピレーションの源泉でもありますし、20世紀以降の音楽ジャンルに対して最も影響力があり、それは21世紀以降も脈々と受け継がれています。
そんな偉大なるブラックミュージックのルーツを探るべく、今回は60年代から90年代までのソウル~R&B系のクラシックな名曲を中心にリサーチしています。
後半は近年の楽曲も紹介していますから、最新のヒップホップやR&Bがお好きな方も、ブラックミュージックをよく知らないという方も要チェックです!
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偉大なるブラックミュージック・おすすめの名曲(1〜10)
I Love You More Than You’ll Ever KnowDonny Hathaway

1970年代にブームになった、ニューソウルの代表的なアーティスト、ダニー・ハサウェイさん。
当時、アメリカは黒人差別がひどかったのですが、彼の家庭は裕福で幼い頃からクラシックなどを学んでいました。
そのため、白人に対する差別意識もなかった彼は、当時は前例のなかった白人アーティストのカバーを多くリリースしました。
オリジナルも非常に評判が高く、クラシックを応用したエレガントな音楽性は、独自のものと言えるでしょう。
こちらの『I Love You More Than You’ll Ever Know』は、そんあ彼の個性的な音楽性を味わえるソウルに仕上げられています。
SuperstitionStevie Wonder

1970年代に大ブームとなった、ニューソウル。
現在でこそ、世界的なアーティストとして高い知名度をほこるスティービー・ワンダーさんですが、1970年代はニューソウルを代表するアーティストとして知られていました。
ご存じの通り、彼の音楽性は非常に独特で、単純なソウル・ミュージックでは言い表せません。
こちらの『Superstition』もそういった彼の特徴を表しており、レゲエのようなサウンドに、いくつものフェイクが織り交ぜられたソウルフルなボーカルが印象的な作品に仕上げられています。
Purple RainPrince

どのジャンルにも属さない、オリジナリティがあふれる音楽性で世界的な人気を集めた、アメリカ出身のアーティスト、プリンスさん。
1980年代にかけて活躍し、当時はマイケル・ジャクソンさんと対をなす存在として話題になりました。
そんな彼の作品のなかで、最も偉大な作品といえば、やはり、こちらの『Purple Rain』ではないでしょうか。
独特のバラードに仕上げられた作品で、後のアーティストであるディアンジェロさんの『Untitled』といった名曲に大きな影響を与えました。
偉大なるブラックミュージック・おすすめの名曲(11〜20)
TreasureBruno Mars

ブルーノ・マーズの大ヒットモダンファンクソング、『Treasure』。
テレビやラジオなどで聴いたことがある人も多いと思うこの名曲。
小気味の良いファンクのリズムに乗せたダンサブルなボーカルが最高に踊れる楽曲です。
ミラーボールに真っ赤なジャケット、80年代を思い起こさせるファッションもまさにファンク、ご存じの方も多いかもしれませんが、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのミュージックビデオからヒントを得た映像効果が面白いです。
Papa Was A Rolling StoneThe Temptations

ブラックミュージックの歴史を語る上では欠かすことのできない名門レーベル「モータウン」を代表するコーラスグループの一つであり、1960年代のデビューから2020年代の現在にいたるまで活動を続けているのがテンプテーションズです。
今やオリジナルメンバーはオーティス・ウィリアムスさんだけとなってしまいましたが、メンバーチェンジを繰り返しながらもさまざまな時代においてヒット曲を発表しているというのは本当にすごいですよね。
本稿で取り上げている『Papa Was A Rolling Stone』は1972年にアンディスピューテッド・トゥルースというグループが発表したものが初出なのですが、同年の9月にテンプテーションズが改めてカバーしてシングルとして発表、全米チャート1位をマークして大ヒットを記録しただけでなく、グラミー賞受賞という栄誉も勝ち取ったという経緯があるのですね。
この楽曲のすごさは、名プロデューサーにしてソングライター、ノーマン・ホィットフィールドさんの存在が重要な位置を占めています。
1966年から1974年までのテンプテーションズの作品はすべてホィットフィールドさんとタッグを組んで生み出されたものなのですが、ホィットフィールドさんは従来のモータウンサウンドにサイケデリックロックなどの要素を大々的に持ち込み、独自のサウンドを作り上げました。
両者のコラボレーションによる最良の結果の一つが、こちらの『Papa Was a Rollin’ Stone』なのです。
残念ながら、ボーカルグループでありながら楽器主体のサウンドを重視したホィットフィールドさんの姿勢は両者の決裂を生んでしまいましたが、恐ろしくディープかつクールなこの楽曲の先鋭性は、むしろ若い音楽ファンにこそ再発掘されるべきものと言えそうです。
Move on UpCurtis Mayfield

シンガー・ソングライターとしてはもちろんのこと、作曲家としてもブラックミュージックに大きな影響を与えた、カーティス・メイフィールドさん。
彼が活躍していた当時は、ニューソウルというジャンルが主流だったのですが、彼はニューソウルにファンクの要素もミックスさせた、個性のあふれる音楽性として知られていました。
こちらの『Move on Up』は、そんな彼の魅力がつまった作品で、レゲエの神様である、ボブ・マーリーさんにも影響を与えたと言われています。
What’s Going OnMarvin Gaye

2021年の1月20日、アメリカはミシガン州において「‘What’s Going On’の日」が制定されました。
50年前の1971年の同日、マーヴィン・ゲイさんが世に送り出した永遠の名曲『What’s Going On』のリリース50周年を記念したものであり、平和や普遍的な愛、団結などを訴える文字通り「魂の楽曲」である『What’s Going On』の持つ歴史的な意義を改めて感じさせるものでしたね。
2019年にはサバナ・リーフ監督による初のMVが制作されるなど、混迷の時代において一体何を大切にすべきなのか、その指針のようなものを教えてくれる『What’s Going On』もまた、ブラックミュージックが生み出した最高のレガシーの一つと言えるでしょう。
マーヴィン・ゲイさんのことを知らずとも、誰もがどこかで一度は耳にしているはずの『What’s Going On』は、先述したように1971年の1月20日にシングルとして名門レーベル「モータウン」よりリリースされて大ヒットを記録、後続のアーティストたちもこぞってカバーするスタンダードナンバーです。
作詞と作曲にはゲイさんも参加、当時の社会情勢やベトナム戦争へ赴いていた実弟から届いた手紙などにも強い影響を受けたそうです。
楽曲自体は流麗なストリングスを施した洗練を極めたサウンドであり、ロマンチックなサックスの音色や独特のグルーヴを生み出しているベースラインなど、見事なプロダクションとアンサンブルが生み出した素晴らしいナンバー。
ゲイさんのヴォーカルはどちらかといえばリラックスしたように優しく語りかけるようなものですが、悲惨な現実に対して「いったいどうなっているんだ」と私たちリスナーに訴えています。
混迷を極める現代社会において、この曲の切実なメッセージに改めて耳を傾けてみてほしいですね。