偉大なるブラックミュージック・おすすめの名曲
ブラックミュージックの偉大な功績は、ジャズやブルース、ゴスペルにソウルといった音楽ジャンルを生み出したというだけではありません。
ロックやポップスの歴史に残る名曲におけるインスピレーションの源泉でもありますし、20世紀以降の音楽ジャンルに対して最も影響力があり、それは21世紀以降も脈々と受け継がれています。
そんな偉大なるブラックミュージックのルーツを探るべく、今回は60年代から90年代までのソウル~R&B系のクラシックな名曲を中心にリサーチしています。
後半は近年の楽曲も紹介していますから、最新のヒップホップやR&Bがお好きな方も、ブラックミュージックをよく知らないという方も要チェックです!
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偉大なるブラックミュージック・おすすめの名曲(1〜20)
SuperstitionStevie Wonder

1970年代に大ブームとなった、ニューソウル。
現在でこそ、世界的なアーティストとして高い知名度をほこるスティービー・ワンダーさんですが、1970年代はニューソウルを代表するアーティストとして知られていました。
ご存じの通り、彼の音楽性は非常に独特で、単純なソウル・ミュージックでは言い表せません。
こちらの『Superstition』もそういった彼の特徴を表しており、レゲエのようなサウンドに、いくつものフェイクが織り交ぜられたソウルフルなボーカルが印象的な作品に仕上げられています。
(Sittin’ On) The Dock Of The BayOtis Redding

不世出のシンガーソングライターであり、26年というあまりにも短い生涯の中で素晴らしい楽曲と歌唱を世に生み出したオーティス・レディングさん。
自家用飛行機における事故死、という悲劇を免れていたら今ごろ音楽シーンはどのように変わっていたのか……などといった想像は、ソウルミュージックを愛する方であれば誰もが一度は経験があるでしょう。
オーティスさんがミュージシャンとして本格的に活動していたのは20代の5年間程度ですが、デビュー当時の曲を聴けば分かるように、21歳の若者とは思えないほどに深みのある歌声は本当に驚かされますよね。
そんなソウルミュージック界の伝説、オーティスさんの偉大なディスコグラフィの中でも、事実上の遺作となった名曲『(Sittin’ On) The Dock of the Bay』を紹介します。
亡くなる三日前にレコ―ディングを終えたというこちらの楽曲は、オーティスさんとプロデューサーのスティーヴ・クロッパーさんによる共作で、26歳にして人生を達観したかのような物悲しげなヴォーカルと楽曲後半の口笛、落ち着いたアンサンブルが聴く人の胸を打ちます。
皮肉なことに、オーティスさんが亡くなった翌年の1月にリリースされたこの楽曲は本人にとっても唯一の全米チャート1位を記録、世界中の音楽ファンに愛され続ける名曲となりました。
従来の熱いソウルミュージックとは違う、同時代のロックやポップスも熱心に聴いていたというオーティスさんの革新的なセンスが光るこの楽曲は、ロック好きにこそ聴いていただきたいですね。
What’s Going OnMarvin Gaye

2021年の1月20日、アメリカはミシガン州において「‘What’s Going On’の日」が制定されました。
50年前の1971年の同日、マーヴィン・ゲイさんが世に送り出した永遠の名曲『What’s Going On』のリリース50周年を記念したものであり、平和や普遍的な愛、団結などを訴える文字通り「魂の楽曲」である『What’s Going On』の持つ歴史的な意義を改めて感じさせるものでしたね。
2019年にはサバナ・リーフ監督による初のMVが制作されるなど、混迷の時代において一体何を大切にすべきなのか、その指針のようなものを教えてくれる『What’s Going On』もまた、ブラックミュージックが生み出した最高のレガシーの一つと言えるでしょう。
マーヴィン・ゲイさんのことを知らずとも、誰もがどこかで一度は耳にしているはずの『What’s Going On』は、先述したように1971年の1月20日にシングルとして名門レーベル「モータウン」よりリリースされて大ヒットを記録、後続のアーティストたちもこぞってカバーするスタンダードナンバーです。
作詞と作曲にはゲイさんも参加、当時の社会情勢やベトナム戦争へ赴いていた実弟から届いた手紙などにも強い影響を受けたそうです。
楽曲自体は流麗なストリングスを施した洗練を極めたサウンドであり、ロマンチックなサックスの音色や独特のグルーヴを生み出しているベースラインなど、見事なプロダクションとアンサンブルが生み出した素晴らしいナンバー。
ゲイさんのヴォーカルはどちらかといえばリラックスしたように優しく語りかけるようなものですが、悲惨な現実に対して「いったいどうなっているんだ」と私たちリスナーに訴えています。
混迷を極める現代社会において、この曲の切実なメッセージに改めて耳を傾けてみてほしいですね。
Papa Was A Rolling StoneThe Temptations

ブラックミュージックの歴史を語る上では欠かすことのできない名門レーベル「モータウン」を代表するコーラスグループの一つであり、1960年代のデビューから2020年代の現在にいたるまで活動を続けているのがテンプテーションズです。
今やオリジナルメンバーはオーティス・ウィリアムスさんだけとなってしまいましたが、メンバーチェンジを繰り返しながらもさまざまな時代においてヒット曲を発表しているというのは本当にすごいですよね。
本稿で取り上げている『Papa Was A Rolling Stone』は1972年にアンディスピューテッド・トゥルースというグループが発表したものが初出なのですが、同年の9月にテンプテーションズが改めてカバーしてシングルとして発表、全米チャート1位をマークして大ヒットを記録しただけでなく、グラミー賞受賞という栄誉も勝ち取ったという経緯があるのですね。
この楽曲のすごさは、名プロデューサーにしてソングライター、ノーマン・ホィットフィールドさんの存在が重要な位置を占めています。
1966年から1974年までのテンプテーションズの作品はすべてホィットフィールドさんとタッグを組んで生み出されたものなのですが、ホィットフィールドさんは従来のモータウンサウンドにサイケデリックロックなどの要素を大々的に持ち込み、独自のサウンドを作り上げました。
両者のコラボレーションによる最良の結果の一つが、こちらの『Papa Was a Rollin’ Stone』なのです。
残念ながら、ボーカルグループでありながら楽器主体のサウンドを重視したホィットフィールドさんの姿勢は両者の決裂を生んでしまいましたが、恐ろしくディープかつクールなこの楽曲の先鋭性は、むしろ若い音楽ファンにこそ再発掘されるべきものと言えそうです。
Purple RainPrince

どのジャンルにも属さない、オリジナリティがあふれる音楽性で世界的な人気を集めた、アメリカ出身のアーティスト、プリンスさん。
1980年代にかけて活躍し、当時はマイケル・ジャクソンさんと対をなす存在として話題になりました。
そんな彼の作品のなかで、最も偉大な作品といえば、やはり、こちらの『Purple Rain』ではないでしょうか。
独特のバラードに仕上げられた作品で、後のアーティストであるディアンジェロさんの『Untitled』といった名曲に大きな影響を与えました。
HumbleKendrick Lamar

ヒップホップらしい成り上がりをテーマにした歌詞が印象的な、こちらの『Humble』。
ケンドリック・ラマーのバックボーンは凄まじく、彼のリアルな生きざまが表現された歌詞は必見です。
かなりインパクトの強い曲調に仕上がっているため、一度聴いたら耳に残ること、間違いなしですね。