弾き語り継がれる邦楽フォークソングの名曲
日本のフォークソング特集です。
もともと民謡のアレンジから始まりアメリカで広がったフォーク。
1960年代ごろから日本でも取り入れられ、時代の流れから反戦や反政府といったメッセージ性の強い曲が届けられました。
70年代に入ると大衆的にも親しみやすい内容で特に流行し、商業的に隆盛を極めました。
日本のフォークはいろいろな要素が含まれ変化しているものの、アコースティックな魅力や哀愁を感じられて言葉がきわ立って響くことと思います。
ぜひ、そんな日本のフォークにじっくり浸ってみてください!
弾き語り継がれる邦楽フォークソングの名曲(1〜10)
悲しくてやりきれないザ・フォーク・クルセダーズ

1968年にリリースされた本作は、胸を締め付けるような悲しみを描写した名曲です。
空や自然の風景を象徴的に使い、広がる美しさとは対照的な心の孤独感を表現しています。
サトウハチローさんの詩と加藤和彦さんのメロディが見事に調和し、戦後の混沌とした時代背景や個人のやるせない感情を反映しています。
映画やドラマでも使用され、多くの人々の心に寄り添ってきました。
深い悲しみを抱えている時、もしくは誰かの気持ちに寄り添いたい時におすすめです。
まるで優しく包み込まれるような温かさを感じられるでしょう。
翼をください赤い鳥

日本のフォークシーンに新風を吹き込んだ赤い鳥の代表曲。
1971年2月にシングル『竹田の子守唄』のB面曲としてリリースされました。
美しいハーモニーと哀愁漂うメロディが心に染みわたります。
自由への渇望や理想を追い求める姿勢が歌詞に込められており、当時の社会情勢を反映しているとも言えるでしょう。
純粋な思いを大切にする大人の方にぴったりです。
1998年の長野オリンピックや2021年の東京オリンピック開会式でも使用されるなど、世代を超えて愛され続けている名曲。
子供の頃の夢を忘れずにいたい人にもおすすめです。
春夏秋冬泉谷しげる

昭和47年発売。
泉谷しげるさんは、ロックに憧れていたのですが、自宅が家事となり大切なエレキギターやアンプが燃えてしまい、ギター1本でできるフォークソング歌手へ。
爆発的なヒットではなかったですが、この曲は泉谷しげるさんの代表曲でその後はドラマの主題歌などにも起用されました。
辛口シンガーとして有名な泉谷しげるさんですが、この曲はデビューにいたるまでの数々の苦労を乗り越えてきた自分へのメッセージソングかもしれません。
花嫁はしだのりひことクライマックス

日本のフォークソング黄金期を代表する楽曲として知られる本作。
新婚夫婦の希望に満ちた旅立ちを描いた歌詞が、多くの人々の心に響きます。
はしだのりひことクライマックスのヒット曲として、1971年1月に発売されました。
同年のNHK紅白歌合戦にも出場を果たし、日本中で愛されるようになりました。
美空ひばりさんや天地真理さんなど、数多くのアーティストによってカバーされているのも、本作の魅力を物語っています。
結婚式や記念日など、人生の節目に聴きたくなる1曲です。
愛する人との新たな一歩を踏み出す勇気をもらえるはずですよ。
友よ岡林信康

夜明け前の暗闇に響く力強いフォークソング。
1969年9月にリリースされた岡林信康さんの代表作です。
アコースティックギターの響きとともに、友への呼びかけが心に沁みわたります。
当時の社会運動とも結びつき、多くの人々の心を揺さぶりました。
全日本フォークジャンボリーで全参加者によって歌われるなど、大きな反響を呼んだのです。
希望と意志を歌う普遍的なメッセージは、時代を超えて今なお多くの人々に愛されています。
友人との絆を感じたい時や、困難に立ち向かう勇気が欲しい時にぴったりの1曲ですね。
さとうきび畑森山良子

しっとりと優しく、でも力強く心に響く作品。
戦争の悲しみを歌いつつ平和への願いを込めたメッセージソングです。
森山良子さんの透明感のある歌声が、さとうきび畑を吹き抜ける風のように優しく心に寄り添います。
1969年に初めてレコーディングされ、反戦歌として広く歌われるようになりました。
2005年の紅白歌合戦では息子の森山直太朗さんとデュエットを披露。
2003年にはドラマ化もされ、多くの人々の心に刻まれています。
平和について考えたい時や、大切な人を思う時に聴いてほしい1曲。
静かに耳を傾けると、きっと新しい発見があるはずです。
祈りNEW!長渕剛

若き日の長渕剛さんが愛する人を突然失った実体験をもとにした、魂の叫びそのもののようなフォークバラードです。
アコースティックギター一本でかき鳴らされるサウンドと絞り出すような歌声が、どうしようもない後悔と無念さを生々しく伝えてきます。
この痛切な祈りは、聴く者の心をわしづかみにするのではないでしょうか。
本作は1979年7月発売のシングルで、同年のアルバム『逆流』にも収録。
ライブ盤での弾き語りは“神髄”と評されるほどです。
深い喪失感を抱えているとき、この曲に込められた激しい感情に触れることで、かえって自分の悲しみが浄化されていくような不思議な感覚になるかもしれません。