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【名作クラシック】涙が出るほど美しい珠玉の名曲を一挙紹介

クラシック音楽の名曲は、テレビや映画、ショッピングモールなどで流れており、日常生活のBGMとして私たちの生活に浸透しています。

「この曲を聴くとなぜか涙が……」と感じていた楽曲が、実はクラシック音楽だったということも多くあります。

今回は、そんなクラシック作品のなかから、「泣けるほど切なく美しい」をテーマに、クラシック史に残る名曲を厳選!

繊細さと大胆さをあわせ持つクラシックならではの奥深い響きを、心ゆくまでお楽しみください。

【名作クラシック】涙が出るほど美しい珠玉の名曲を一挙紹介(21〜30)

ヴォカリーズSergei Rachmaninov

Dame Kiri Te Kanawa sings “Vocalise” – Rachmaninoff
ヴォカリーズSergei Rachmaninov

「ヴォカリーズ」は音楽用語で「一つ以上の母音を用いて歌う歌詞のない発声練習法」のことを指します。

声楽において母音を使った発声練習は美しい歌声を出すうえで欠かせないもので、19世紀にはヴォカリーズの練習曲の楽譜も数多く出版されました。

そんな中、19世紀末あたりからヴォカリーズは単なる練習曲としてではなく芸術作品として扱われるようになります。

歌詞はありませんが、旋律の美しさや切なさが心に何かを訴えかけてきますよね。

「四季」より「10月〜秋の歌」Pyotr Tchaikovsky

中村紘子:チャイコフスキー「四季より10月「秋の歌」」
「四季」より「10月〜秋の歌」Pyotr Tchaikovsky

ロシアの風物詩を曲の題材として作曲された全12曲のピアノ曲集である『四季』。

これはもともと音楽雑誌の企画で、毎月の季節感が表現されたロシアの詩人による作品と、その詩の性格を音楽的に描写したチャイコフスキーのピアノ曲が掲載されました。

この『10月』という曲とともに掲載された詩には、秋になり葉が落ちていき、庭から彩が消えていく寂しさや切なさが表現されています。

【名作クラシック】涙が出るほど美しい珠玉の名曲を一挙紹介(31〜40)

「レクイエム」より「涙の日(ラクリモーサ)」Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトが最後に残したのがこの『レクイエム』です。

この曲の第8曲目にあたる「ラクリモーサ」の8小節を書き終えたのが、モーツァルトの最期となりました。

9小節目以降はモーツァルトの弟子によって書かれています。

終始重く切ないメロディーは、まるでモーツァルトの魂が肉体から離れることを惜しんでいるようにも聴こえますね。

そして、涙を流しながらつらい審判に臨む死者たちの安息を、合唱がわが身のように願い、最後は「アーメン」と歌われ曲が終わります。

亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

Ravel: Pavane pour une infante défunte · Alessandro Crudele
亡き王女のためのパヴァーヌMaurice Ravel

曲名になっている「亡き王女」のモデルと言われているのが、17世紀のスペイン王女マルガリータです。

ラヴェルは彼女の肖像画をルーヴル美術館でみてインスピレーションをえたといわれています。

彼はこの曲を「亡くなった王女を追悼する曲」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったような曲」と語っています。

ラヴェルは母を深く愛しており、母の死後「日ごとに絶望が深くなっていく」と友人に手紙を書いている程です。

古き良き時代を懐かしむかのような感傷的な曲調は、幼いころの母との思い出をラヴェルが思い出しているのかもしれませんね。

ラ・カンパネラFranz Liszt

イタリアのバイオリニスト、ニコロ・パガニーニの『バイオリン協奏曲第2番第3楽章』のロンド「ラ・カンパネラ」の主題を編曲して書かれたピアノ作品です。

パガニーニは超絶技巧でとくに有名であり、その演奏技術は「悪魔に魂を売り渡した代償として手に入れたものだ」と言われるほどでした。

彼の高度な技法がこの曲にもよく表れています。

ラ・カンパネラはイタリア語で鐘という意味をあらわし、冒頭の旋律から鐘の音が鳴り響いている様子が想起できますよね。

ラルゴ 変ホ長調Frederic Chopin

KYOHEI SORITA – Largo in E flat major , Op. posth. (18th Chopin Competition, third stage)
ラルゴ 変ホ長調Frederic Chopin

哀愁ただよう旋律に胸がギュッと締め付けられるような感覚をおぼえる、フレデリック・ショパンの『ラルゴ 変ホ長調』。

1837年に作曲されたこの曲は、ショパンの愛国心や故国への思いが込められた作品です。

反田恭平さんがショパン国際コンクールで演奏したことでも話題になりましたね。

ゆったりとしたテンポで奏でられる穏やかで感情豊かなメロディが、聴く人の心を深く揺さぶります。

ポーランドの歴史や文化への愛着が、繊細な表現力と技術的な精緻さを通じて表現されているのが特徴。

切ない気分に浸りたいとき、静かに心を整理したいときに聴いてみてはいかがでしょうか?

弦楽セレナーデPyotr Tchaikovsky

Tchaikovski. Serenade for strings. Seiji Ozawa.
弦楽セレナーデPyotr Tchaikovsky

ロシアが生んだ世界的な作曲家、ピョートル・チャイコフスキーが手掛けた作品の持つ旋律は、美しくも悲哀にあふれたものが多いですよね。

今回の記事で紹介するのにふさわしいチャイコフスキー作品は多く存在していますが、本稿で取り上げているのは1880年に彼が手掛けた弦楽合奏のための作品です。

『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』の方が知名度という点では勝るかもしれませんが、こちらの作品が持つ旋律の美しさや切なさも素晴らしく、弦楽器の豊かな響きを軸としながら流麗かつメランコリックに展開していきます。

日本のTVでも使用されている本作は、クラシック音楽に触れる絶好の機会となるでしょう。