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【名作クラシック】涙が出るほど美しい珠玉の名曲を一挙紹介

クラシック音楽の名曲は、テレビや映画、ショッピングモールなどで流れており、日常生活のBGMとして私たちの生活に浸透しています。

「この曲を聴くとなぜか涙が……」と感じていた楽曲が、実はクラシック音楽だったということも多くあります。

今回は、そんなクラシック作品のなかから、「泣けるほど切なく美しい」をテーマに、クラシック史に残る名曲を厳選!

繊細さと大胆さをあわせ持つクラシックならではの奥深い響きを、心ゆくまでお楽しみください。

【名作クラシック】涙が出るほど美しい珠玉の名曲を一挙紹介(41〜50)

シチリアーナGabriel Urbain Fauré

フランスの作曲家フォーレによる室内楽曲で、後に戯曲『ペレアスとメリザンド』第5曲として転用されました。

「シチリアーナ」とはイタリアのシチリア島に起源を持つ17・18世紀の舞曲で、ゆるやかな8分の6拍子か8分の12拍子で構成されます。

もともとはフォーレがチェロとピアノのために書いた作品ですが、今日ではフルートやトランペットなどさまざまな楽器で演奏されています。

切なさを含む美しい旋律が特徴的で、シンプルな旋律にもかかわらず深みのある一曲です。

オーボエ協奏曲二短調2楽章 アダージョヴェニスの愛Alessandro Marcello

1700年代から1740年代にかけて大活躍した天才、アレッサンドロ・マルチェッロ。

音楽の天才は多く存在しますが、彼は数学者や哲学者としても多くの功績を残しており、それに加えて音楽の才能もすさまじかったという、天に二物も三物も与えられた天才です。

こちらの『オーボエ協奏曲二短調2楽章 アダージョヴェニスの愛』は、彼の代表的な作品の一つで、美しさのなかに切なさがただよう構成に仕上げられています。

彼の得意としていたバロック音楽の一端を感じるメロディーに注目。

アヴェ・マリアGiulio Caccini

Charlotte Church, Charles Gounod – Ave Maria (Dormition Abbey 2000)
アヴェ・マリアGiulio Caccini

終始、厳かで切ない雰囲気を持った作品。

歌詞も旋律も単純ではありますが、単純だからこそ直接心に響く力を持った作品です。

この曲は「カッチーニのアヴェマリア」として、シューベルトのアヴェマリア、グノーのアヴェマリアとともに「3大アヴェマリア」と言われていましたが、実は旧ソ連のヴァヴィロフによる作品ではないかと推測されています。

彼は20世紀のギタリスト・リュート奏者であり、正式な作曲の教育を受けておらず自分の名前で作品を発表するのをためらったために、カッチーニの名前を出して作品を発表したのではないかと言われています。

歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」より「精霊たちの踊り」Christoph Willibald Gluck

歌劇『オルフェオとエゥリディーチェ』は全3幕からなる、ギリシャ神話時代の精霊の不思議な世界と現実を舞台にしたオペラです。

亡くなった妻を精霊の世界から取り戻し、再び現世に呼び戻すために勇敢に戦う夫オルフェと妻エゥリディーチェの愛を描いた物語。

日本神話において、イザナミに会うためにイザナギが黄泉の国へ行く話と似た物語です。

「精霊たちの踊り」は第2幕において、天国の野原で精霊たちが踊る場面で演奏されます。

精霊たちが楽しげに踊っているのを想像できるような、明るく美しい1曲ですよね。

愛の夢 第3番Franz Liszt

愛の夢 第3番-リスト/Liszt-Liebestraume No.3/ピアノ-Piano/CANACANA
愛の夢 第3番Franz Liszt

リストのピアノ曲集『愛の夢』の第3番はとても有名で、結婚式などでも耳にすることの多いロマンチックで美しいメインのフレーズが印象深い作品です。

実はこの『愛の夢』は全3曲で構成された作品であるというだけではなく、もともとは歌曲として作曲されたものであったということはご存じでしょうか?

女性が歌うソプラノ独唱の歌曲として1845年ごろに作曲され、作品には『おお、愛せるだけ愛してください』というタイトルも付いているのですよ。

数年後の1850年にリスト本人がピアノ独奏曲として編曲、現在多く耳にする『愛の夢』が生まれたという経緯があるのです。

ドイツの詩人、フェルディナント・フライリヒラートの詩がついた歌曲『おお、愛せるだけ愛してください』も、歌入りならではの美しさを味わえますから、合わせて聴いてみることをオススメします!

カンタービレ 変ロ長調Frederic Chopin

F. Chopin : Cantabile B-Dur /F. ショパン:カンタービレ 変ロ長調【ピアニスト 藤岡晴佳/Piano, Haruka Hujioka】
カンタービレ 変ロ長調Frederic Chopin

哀愁ただよう旋律に胸がギュッと締め付けられる、フレデリックショパンの作品。

1834年に作曲された本作は、ショパンの死後に出版された珠玉の小品です。

「歌うように」という意味を持つタイトルの通り、美しい旋律と歌唱的な性格を兼ね備えています。

演奏会などで披露される機会はそれほど多くないものの、静かで親密な響きを持つ変ロ長調の旋律は、聴く人の心に深い印象を与えます。

切ない気分に浸りたいとき、悲しみをゆっくり消化したいときに聴いてみてはいかがでしょうか?

『幻想的小品集』より第1番「悲歌(エレジー)」Sergei Rachmaninov

ラフマニノフ/幻想的小品集より第1番エレジーOp.3-1/演奏:鈴木 弘尚
『幻想的小品集』より第1番「悲歌(エレジー)」Sergei Rachmaninov

ロシアが生んだ世界的な作曲家にしてピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフが手掛けた作品の持つ旋律は、美しくも悲哀にあふれたものが多いですよね。

今回の記事で紹介するのにふさわしいラフマニノフ作品は多く存在していますが、本稿で取り上げているのは1892年にラフマニノフが手掛けたピアノ独奏曲集『幻想的小品集』の第1曲『悲歌』です。

第2曲『前奏曲』の方が知名度という点では勝るかもしれませんが、こちらの作品が持つ旋律の美しさや切なさも素晴らしく、左手でつむがれるアルペジオのフレーズを軸としながら流麗かつメランコリックに展開していく様は実に美しいですね。

このような楽曲を19歳という若さで完成させたラフマニノフの才能たるや、恐るべしとしか言えません……。