和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
ジャズという音楽ジャンルに興味がない方であれば、何となく外国の音楽といったイメージがあるかもしれません。
実はここ日本において、世界に誇る名プレイヤーは多く輩出されていますし、素晴らしい名盤も数え切れないほどにリリースされているのですよ。
今回は、そんな日本人ミュージシャンによる「和ジャズ」の名盤を集めた内容でお届けします!
60~70年代を中心とした往年の名盤を中心として、90年代から00年代に発表された作品にも目を向けたラインアップとなっております。
海外のジャズとは一味違う、日本人ならではのジャズ・ミュージックをぜひお楽しみください!
和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(11〜15)
Dancing Mist菊地雅章

「プーさん」の愛称で親しまれた天才ピアニスト菊地雅章さんの1970年作『POO-SUN』は、日本のジャズ史に大きな足跡を残した革新的な一枚です。
ビクタースタジオで録音されたこの作品には、峰厚介さんや市川秀男さんといった日本のジャズ界を代表する実力派プレイヤーが集結。
当時、マイルス・デイヴィスさんの影響を強く受けていた菊地さんの音楽的探求心が、フュージョンとアヴァンギャルドを融合させた斬新なサウンドとして結実しています。
全6曲すべてが菊地さん自身の書き下ろしという意欲作で、フリー・インプロヴィゼーションの要素を取り入れた実験的な試みは、今なお色褪せることのない輝きを放っています。
従来のジャズの枠を超えた表現に挑戦したい方、新しい音楽体験を求めている方にぜひお勧めしたい名盤です。
Scenery福居良

北海道平取町出身の福居良さんは、22歳でピアノを独学で始め、約40年間に渡って活躍した偉大なジャズ・ピアニスト。
力強いビバップスタイルと繊細な旋律が特徴的な演奏で、多くのファンを魅了してきました。
1976年12月にトリオレコードからリリースされた処女作『Scenery』は、独学でピアノを始めてからわずか6年後の28歳の時に録音された傑作です。
ビバップからモーダルまで、様々なジャズの要素を取り入れたピアノトリオ編成の本作は、福居さんの卓越した技巧と表現力が存分に発揮された名盤。
2016年に逝去されてからは、YouTubeなどを通じて世界中で再評価され、2024年6月には国内盤LPとして再発売されるなど、その輝きは衰えることを知りません。
美しい旋律と心揺さぶる演奏に魅了されたい方に、ぜひ聴いていただきたい1枚です。
Aqua Marine鈴木勲

ジャズ・ミュージックにダンディズムやハードボイルド、色気といった要素を求める方であれば確実に聴いて頂きたい70年代日本ジャズの金字塔!
ジャズ・ベース~コントラバス奏者として知られ、80代後半を迎えた2020年代の現在もバリバリの現役プレイヤーとして活躍する鈴木勲さんが、1973年に発表した『Blow Up』を紹介します。
1973年度のスイングジャーナル「ジャズ・ディスク大賞・日本ジャズ賞」も受賞した本作は、鈴木勲さんを中心としてピアニストの菅野邦彦さん、ドラマーのジョージ大塚さんという凄腕のミュージシャンが集結し、ベーストリオが鳴らすスリリングかつドラマチック、迫力のアンサンブルを楽しめる名盤中の名盤としてジャズの歴史にその名を残すアルバムなのですね。
ベーシストの水橋孝さんが参加したツイン・ベースを味わえる楽曲もあり、ジャズ・ベーシストを目指す方であれば必ず一度は耳にしておくべき作品とも言えそうですね。
余談ながら、本作はその名演のみならず洗練されたジャケットのデザインや音質の素晴らしさといった面からも高く評価されており、可能な限り高音質の再生が楽しめる環境で、できればレコードを所有してジャケットの素晴らしさも堪能していただきたいところです!
Witch doctor猪俣猛&ヒズ・フレンズ

日本のジャズ界において重要な役割を果たしたドラマー、猪俣猛さんを中心とした「猪俣猛&ヒズ・フレンズ」。
日本のトップ・ジャズ・ミュージシャンたちが参加し、洗練されたアレンジと卓越した演奏技術で、その革新的な音楽性が高く評価されています。
1970年代中頃にリリースされた『ゲット・ハッピー』は、猪俣さんのダイナミックなドラムプレイを軸に、ビバップやハードバップの要素を織り交ぜた意欲作。
スタンダードナンバーから猪俣さん自身のオリジナル曲まで、繊細なブラシワークから力強いスティックプレイまで、多彩な表現力が光ります。
最新の録音技術による高音質と、日本のジャズを世界に発信しようとする情熱が詰まった本作は、ジャズの持つ自由な表現と洗練された音楽性を求める方に、心からお薦めしたい1枚です。
Electrum石川晶とカウント・バッファローズ

日本のジャズ・シーンの重要人物である石川晶さんが率いるビッグバンド、カウント・バッファローズ。
1970年にビクターからリリースされた本作『Electrum』は、ジャズとロック、ファンクの要素を融合させた革新的なサウンドで、当時の音楽シーンに新たな風を吹き込みました。
村岡健さん、佐藤允彦さん、鈴木宏昌さん、杉本喜代志さん、寺川正興さんといった日本のジャズ界を代表する凄腕ミュージシャンが結集し、圧巻のアンサンブルを披露。
エレクトリックな音色と伝統的なジャズの要素が絶妙なバランスで融合した4曲は、どれも聴き応え抜群です。
2024年にはクリアオレンジ・ヴァイナル仕様の限定盤も登場し、新たな世代からも注目を集めています。
ジャズ・ロックやファンクに興味のある方、そして和ジャズの黄金期を体感したい方にぜひおすすめしたい名盤です。