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和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚

ジャズという音楽ジャンルに興味がない方であれば、何となく外国の音楽といったイメージがあるかもしれません。

実はここ日本において、世界に誇る名プレイヤーは多く輩出されていますし、素晴らしい名盤も数え切れないほどにリリースされているのですよ。

今回は、そんな日本人ミュージシャンによる「和ジャズ」の名盤を集めた内容でお届けします!

60~70年代を中心とした往年の名盤を中心として、90年代から00年代に発表された作品にも目を向けたラインアップとなっております。

海外のジャズとは一味違う、日本人ならではのジャズ・ミュージックをぜひお楽しみください!

和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(11〜20)

ハイノロジー

Like Miles日野皓正

Terumasa Hino Quintet – Like Miles (1969)
Like Miles日野皓正

ジャズ・ミュージックの真骨頂はやはりライブ・パフォーマンスにある以上、ライブ作品の名盤も多く存在しています。

日本のジャズ界が世界に誇るトランぺッターにして、端正なルックスとスタイリッシュなファッションで絶大な人気を誇り、2020年代の現在も現役バリバリな日野皓正さんが1969年に発表したライブ・アルバム『ハイノロジー』は、当時の和ジャズが持っていた熱をそのまま真空パックしたような内容で、大ヒットを記録した名作中の名作です。

当時のジャズ・シーンの最先端を行く凄腕のメンバーたちが集結、同年の7月31日に銀座ヤマハホールにて行われたライブを収録した本作は、1曲目のタイトルが『Like Miles』とあることからも分かるように、60年代後半辺りからエレクトリック期に突入したマイルス・デイヴィスさんからの影響を感じさせつつ、圧倒的な演奏能力と卓越したソングライティング・センスから生まれた楽曲群、そして素晴らしいパフォーマンスは、まさに和ジャズの歴史を知る上でも重要かつ屈指の名盤であると言えましょう。

1970年代以降は拠点を海外に移し、フュージョンの分野にも挑戦してクロスオーバーなサウンドを展開を見せる日野さんが20代の頃の、日本のジャズ・シーンの若きスーパースターとして注目を集めていた時期の貴重な記録でもありますから、和ジャズに興味がある方であれば、やはり一度は聴いてもらいたいですね。

カリフォルニアシャワー

California Shower渡辺貞夫

Sadao Watanabe – California Shower (1978)
California Shower渡辺貞夫

日本のフュージョンは「和フュージョン」や「和モノ」などと呼ばれ、クラブ世代の音楽ファンにも大いに愛されている分野です。

本稿で紹介しているアルバム『カリフォルニアシャワー』は、世界基準の洗練されたオシャレなフュージョン・サウンドで日本のみならず世界中で大ヒットを記録したサックス~フルート奏者の「ナベサダ」こと渡辺貞夫さんの出世作!

1950年代から長きに渡りシーンをリードし続ける渡辺さんは、1960年代後半辺りから従来のジャズにとらわれないサウンドを展開、本作『カリフォルニアシャワー』はピアニストや映画音楽家として著名なデイヴ・グルーシンさんを中心とする、西海岸のミュージシャンたちがバックアップを務め、前述したように「和フュージョン」を世界に知らしめたエポックメイキング的なアルバムなのですね。

資生堂男性化粧品「ブラバス」のCM曲としても有名な表題曲をはじめとして、とにかく耳に残るポップでしゃれた味わいのメロディ満載の楽曲がずらりと並び、渡辺さんのメロディーメイカーとしての才能も存分に味わえる逸品です。

いわゆる4ビートの純然たるモダン・ジャズにはまだ苦手意識がある、という方は本作のようなクロスオーバー的な作品をまずは聴いて、ご自身のジャズ耳を鍛えてはいかがでしょうか?

Something’s Coming

Something’s Coming大野俊三

日本のジャズ・シーンを代表するトランペット奏者、大野俊三さん。

1974年に渡米後、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズに参加し、国際的な活躍を開始したアーティストです。

そんな大野さんが1975年にEast Windよりリリースしたアルバム『Something’s Coming』は、ジャズ・ファンクとフュージョンを融合させた意欲作。

ロイ・ヘインズさんやドン・ペイトさん、菊地雅章さんといった実力派ミュージシャンを迎え、複雑なリズムと斬新なアレンジで魅せる全4曲を収録しています。

後にグラミー賞にもノミネートされた大野さんの才能が、このアルバムで存分に発揮されているのを感じられます。

ジャズの新しい可能性を探求したい方、そして和ジャズの真髄に触れたい方にぜひお薦めしたい1枚です。

渡良瀬

渡良瀬板橋文夫

板橋文夫さんは、渡辺貞夫さんや日野皓正さんのバンドで活躍し、独自の音楽性を追求してきた実力派ピアニストです。

故郷・栃木県足利市から国立音楽大学へと進み、本田竹廣さんの影響でジャズの世界に魅了された経歴を持ちます。

1982年にDENONレコードからリリースされた『渡良瀬』は、故郷を流れる渡良瀬川からインスピレーションを得た珠玉のソロアルバム。

このアルバムを携え、全国101ヶ所を巡る「渡良瀬一人旅」ツアーを敢行するなど、精力的な活動で多くのファンを魅了しました。

力強い打鍵と繊細なメロディセンスが織りなす演奏は、日本の風景や文化を見事に表現しており、和ジャズの金字塔として高い評価を受けています。

自然や郷愁をテーマにした作品として、情感豊かな旋律に心を揺さぶられたい方におすすめの一枚です。

Toshiko’s Piano

Toshiko’s Blues穐吉敏子

ニューヨークを拠点に活動を続ける穐吉敏子さんは、日本が世界に誇るジャズ・ピアニストでありビッグバンドのリーダーとして知られる存在です。

14回に渡るグラミー賞ノミネート、紫綬褒章受章、日本人初の「ジャズの殿堂」入りなど、その功績は計り知れません。

1954年にリリースされた『Toshiko’s Piano』は、穐吉さんの記念すべきデビュー作。

ノーマン・グランツのプロデュースのもと、オスカー・ピーターソンのリズムセクションをバックに録音された本作は、ハード・バップとクール・ジャズの要素を見事に融合させた傑作として高い評価を受けています。

スタンダード曲の解釈から自身のオリジナル曲まで、卓越したピアノ・テクニックと独自の音楽性が光る本作は、ジャズ・ファンならずとも、音楽を愛するすべての方にお薦めしたい珠玉の1枚です。

POO-SUN

Dancing Mist菊地雅章

「プーさん」の愛称で親しまれた天才ピアニスト菊地雅章さんの1970年作『POO-SUN』は、日本のジャズ史に大きな足跡を残した革新的な一枚です。

ビクタースタジオで録音されたこの作品には、峰厚介さんや市川秀男さんといった日本のジャズ界を代表する実力派プレイヤーが集結。

当時、マイルス・デイヴィスさんの影響を強く受けていた菊地さんの音楽的探求心が、フュージョンとアヴァンギャルドを融合させた斬新なサウンドとして結実しています。

全6曲すべてが菊地さん自身の書き下ろしという意欲作で、フリー・インプロヴィゼーションの要素を取り入れた実験的な試みは、今なお色褪せることのない輝きを放っています。

従来のジャズの枠を超えた表現に挑戦したい方、新しい音楽体験を求めている方にぜひお勧めしたい名盤です。

和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(21〜30)

Jubilee土井一郎トリオ

大阪出身のジャズピアニスト、土井一郎の代表曲です。

ビルエヴァンス等のモダンジャズ派の音楽性を主流に行うスタイルでありながらもシンセサイザーを取り入れていくなどの幅広い音楽性を昇華していくことで人気を博しました。

当該曲も日本のクラシックジャズにおいて名盤とされています。