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和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚

ジャズという音楽ジャンルに興味がない方であれば、何となく外国の音楽といったイメージがあるかもしれません。

実はここ日本において、世界に誇る名プレイヤーは多く輩出されていますし、素晴らしい名盤も数え切れないほどにリリースされているのですよ。

今回は、そんな日本人ミュージシャンによる「和ジャズ」の名盤を集めた内容でお届けします!

60~70年代を中心とした往年の名盤を中心として、90年代から00年代に発表された作品にも目を向けたラインアップとなっております。

海外のジャズとは一味違う、日本人ならではのジャズ・ミュージックをぜひお楽しみください!

和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(1〜10)

ビレッジ・バンガードの大西順子

How Long Has This Been Goin’ On大西順子

日本を代表するジャズ・ピアニストとして知られる大西順子さんは、4歳からピアノを始め、バークリー音楽大学を首席で卒業後、ニューヨークを拠点に世界的な活動を展開してきました。

本作『ビレッジ・バンガードの大西順子』は、1994年にニューヨークの名門ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」で行われた歴史的な公演を収録したライブ作品です。

日本人ジャズ・ミュージシャンとして初めて同クラブでのリーダー公演を成功させた快挙は、スイングジャーナル誌ジャズ・ディスク大賞銀賞や同誌読者人気投票「アルバム・オブ・ジ・イヤー」など、数々の栄誉に輝きました。

当時27歳という若さで、ウィントン・マルサリス・グループのメンバーと共演するなど、その実力は本場アメリカでも高く評価されています。

伝統と革新が見事に調和した本作は、和ジャズの魅力に触れたい全ての音楽ファンにお薦めの1枚です。

スマイル

Watarase森山威男

Takeo Moriyama – Watarase (Fumio Itabashi)
Watarase森山威男

森山威男さんは、日本のジャズの歴史においてその名を刻む偉大なジャズ・ドラマーです。

ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんが結成して、圧倒的な演奏と群を抜いた個性が織り成すフリージャズを展開した「山下洋輔トリオ」のメンバーとして世界的な知名度を得て、グループを脱退以降は自身をリーダーとする森山威男カルテットとして活躍。

演奏活動をほぼ停止していた時期もありましたが、活動を再開後は精力的に海外ツアーなどもこなし、2002年には文化庁芸術祭レコード部門優秀賞など複数の賞を受賞するなどの輝かしいキャリアを誇るミュージシャンなのですね。

そんな森山さんが1981年に発表したアルバム『スマイル』は和ジャズの傑作と言われており、メンバーとして名を連ねているピアニストの板橋文夫さんが作曲した屈指の名曲『ワタラセ(渡良瀬)』が初めて録音された作品としても知られているアルバム。

オープニングから12分に迫る圧巻の大作『Exchange』から幕を開け、前述した『Watarase』で魅せる日本的な情緒豊かな旋律、ダンディかつメロウ、哀愁のロマンチシズムが胸を締め付けるラスト曲の『Good Bye』など全曲が素晴らしい名曲、名演となっています。

フリー・ジャズをけん引していた時代の森山さんとはまた違った、正統派のモダンなジャズとして大推薦の1枚です!

ドリーム・アイズ峰厚介五重奏団

日本を代表するアルト・サックス奏者である峰厚介さんを中心とした峰厚介五重奏団が、1970年に発表した記念すべきデビュー・アルバムが『峰』です。

スリー・ブラインド・マイス(TBM)の第1作目となった本作は、まさに和ジャズ史に残る金字塔とも言えるでしょう。

モダンジャズやフリージャズの要素を取り入れた情熱的なプレイと、独特の日本的感性が見事に調和した極上のサウンドは、当時のジャズ・ファンの心を鷲掴みにしました。

アルバムのリリース後、峰さんはスイングジャーナル誌読者人気投票のアルト・サックス部門で渡辺貞夫さんに次ぐ第2位に輝くなど、ジャズ界の新星として注目を集めることになります。

意欲的なサウンドと演奏が光る本作は、伝統的なジャズに新しい息吹を求める方にぜひおすすめしたい一枚です。

和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(11〜20)

Breakout

Wild Goose Chase小曽根真

日本が世界に誇るジャズ・ピアニスト、小曽根真さんが2021年に発表した意欲作『Breakout』。

ジャズとクラシックの両分野で卓越した才能を発揮し続ける小曽根さんが、さらなる進化を遂げようと挑んだ意欲作です。

一流のミュージシャンたちとの共演で、ジャズを基調としながらもフュージョンやラテン音楽など、多彩な要素を取り入れた革新的なサウンドが展開されます。

繊細さと力強さを兼ね備えた圧巻のピアノ演奏は、聴く者を魅了せずにはおきません。

録音からミキシング、マスタリングまで細部にわたるこだわりが感じられ、音質面でも非常に高いクオリティを誇っています。

ジャズの新しい可能性を探求したい方、小曽根さんの音楽的冒険に触れてみたい方にぜひおすすめしたい一枚です。

ゲット・ハッピー

Witch doctor猪俣猛&ヒズ・フレンズ

日本のジャズ界において重要な役割を果たしたドラマー、猪俣猛さんを中心とした「猪俣猛&ヒズ・フレンズ」。

日本のトップ・ジャズ・ミュージシャンたちが参加し、洗練されたアレンジと卓越した演奏技術で、その革新的な音楽性が高く評価されています。

1970年代中頃にリリースされた『ゲット・ハッピー』は、猪俣さんのダイナミックなドラムプレイを軸に、ビバップやハードバップの要素を織り交ぜた意欲作。

スタンダードナンバーから猪俣さん自身のオリジナル曲まで、繊細なブラシワークから力強いスティックプレイまで、多彩な表現力が光ります。

最新の録音技術による高音質と、日本のジャズを世界に発信しようとする情熱が詰まった本作は、ジャズの持つ自由な表現と洗練された音楽性を求める方に、心からお薦めしたい1枚です。

Electrum

Electrum石川晶とカウント・バッファローズ

日本のジャズ・シーンの重要人物である石川晶さんが率いるビッグバンド、カウント・バッファローズ。

1970年にビクターからリリースされた本作『Electrum』は、ジャズとロック、ファンクの要素を融合させた革新的なサウンドで、当時の音楽シーンに新たな風を吹き込みました。

村岡健さん、佐藤允彦さん、鈴木宏昌さん、杉本喜代志さん、寺川正興さんといった日本のジャズ界を代表する凄腕ミュージシャンが結集し、圧巻のアンサンブルを披露。

エレクトリックな音色と伝統的なジャズの要素が絶妙なバランスで融合した4曲は、どれも聴き応え抜群です。

2024年にはクリアオレンジ・ヴァイナル仕様の限定盤も登場し、新たな世代からも注目を集めています。

ジャズ・ロックやファンクに興味のある方、そして和ジャズの黄金期を体感したい方にぜひおすすめしたい名盤です。

Scenery

Scenery福居良

北海道平取町出身の福居良さんは、22歳でピアノを独学で始め、約40年間に渡って活躍した偉大なジャズ・ピアニスト。

力強いビバップスタイルと繊細な旋律が特徴的な演奏で、多くのファンを魅了してきました。

1976年12月にトリオレコードからリリースされた処女作『Scenery』は、独学でピアノを始めてからわずか6年後の28歳の時に録音された傑作です。

ビバップからモーダルまで、様々なジャズの要素を取り入れたピアノトリオ編成の本作は、福居さんの卓越した技巧と表現力が存分に発揮された名盤。

2016年に逝去されてからは、YouTubeなどを通じて世界中で再評価され、2024年6月には国内盤LPとして再発売されるなど、その輝きは衰えることを知りません。

美しい旋律と心揺さぶる演奏に魅了されたい方に、ぜひ聴いていただきたい1枚です。