和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚
ジャズという音楽ジャンルに興味がない方であれば、何となく外国の音楽といったイメージがあるかもしれません。
実はここ日本において、世界に誇る名プレイヤーは多く輩出されていますし、素晴らしい名盤も数え切れないほどにリリースされているのですよ。
今回は、そんな日本人ミュージシャンによる「和ジャズ」の名盤を集めた内容でお届けします!
60~70年代を中心とした往年の名盤を中心として、90年代から00年代に発表された作品にも目を向けたラインアップとなっております。
海外のジャズとは一味違う、日本人ならではのジャズ・ミュージックをぜひお楽しみください!
和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(1〜10)
Toshiko’s Blues穐吉敏子

ニューヨークを拠点に活動を続ける穐吉敏子さんは、日本が世界に誇るジャズ・ピアニストでありビッグバンドのリーダーとして知られる存在です。
14回に渡るグラミー賞ノミネート、紫綬褒章受章、日本人初の「ジャズの殿堂」入りなど、その功績は計り知れません。
1954年にリリースされた『Toshiko’s Piano』は、穐吉さんの記念すべきデビュー作。
ノーマン・グランツのプロデュースのもと、オスカー・ピーターソンのリズムセクションをバックに録音された本作は、ハード・バップとクール・ジャズの要素を見事に融合させた傑作として高い評価を受けています。
スタンダード曲の解釈から自身のオリジナル曲まで、卓越したピアノ・テクニックと独自の音楽性が光る本作は、ジャズ・ファンならずとも、音楽を愛するすべての方にお薦めしたい珠玉の1枚です。
Dancing Mist菊地雅章

「プーさん」の愛称で親しまれた天才ピアニスト菊地雅章さんの1970年作『POO-SUN』は、日本のジャズ史に大きな足跡を残した革新的な一枚です。
ビクタースタジオで録音されたこの作品には、峰厚介さんや市川秀男さんといった日本のジャズ界を代表する実力派プレイヤーが集結。
当時、マイルス・デイヴィスさんの影響を強く受けていた菊地さんの音楽的探求心が、フュージョンとアヴァンギャルドを融合させた斬新なサウンドとして結実しています。
全6曲すべてが菊地さん自身の書き下ろしという意欲作で、フリー・インプロヴィゼーションの要素を取り入れた実験的な試みは、今なお色褪せることのない輝きを放っています。
従来のジャズの枠を超えた表現に挑戦したい方、新しい音楽体験を求めている方にぜひお勧めしたい名盤です。
Aqua Marine鈴木勲

ジャズ・ミュージックにダンディズムやハードボイルド、色気といった要素を求める方であれば確実に聴いて頂きたい70年代日本ジャズの金字塔!
ジャズ・ベース~コントラバス奏者として知られ、80代後半を迎えた2020年代の現在もバリバリの現役プレイヤーとして活躍する鈴木勲さんが、1973年に発表した『Blow Up』を紹介します。
1973年度のスイングジャーナル「ジャズ・ディスク大賞・日本ジャズ賞」も受賞した本作は、鈴木勲さんを中心としてピアニストの菅野邦彦さん、ドラマーのジョージ大塚さんという凄腕のミュージシャンが集結し、ベーストリオが鳴らすスリリングかつドラマチック、迫力のアンサンブルを楽しめる名盤中の名盤としてジャズの歴史にその名を残すアルバムなのですね。
ベーシストの水橋孝さんが参加したツイン・ベースを味わえる楽曲もあり、ジャズ・ベーシストを目指す方であれば必ず一度は耳にしておくべき作品とも言えそうですね。
余談ながら、本作はその名演のみならず洗練されたジャケットのデザインや音質の素晴らしさといった面からも高く評価されており、可能な限り高音質の再生が楽しめる環境で、できればレコードを所有してジャケットの素晴らしさも堪能していただきたいところです!
和ジャズのすすめ~日本人ジャズの名盤・オススメの1枚(11〜20)
Wild Goose Chase小曽根真

日本が世界に誇るジャズ・ピアニスト、小曽根真さんが2021年に発表した意欲作『Breakout』。
ジャズとクラシックの両分野で卓越した才能を発揮し続ける小曽根さんが、さらなる進化を遂げようと挑んだ意欲作です。
一流のミュージシャンたちとの共演で、ジャズを基調としながらもフュージョンやラテン音楽など、多彩な要素を取り入れた革新的なサウンドが展開されます。
繊細さと力強さを兼ね備えた圧巻のピアノ演奏は、聴く者を魅了せずにはおきません。
録音からミキシング、マスタリングまで細部にわたるこだわりが感じられ、音質面でも非常に高いクオリティを誇っています。
ジャズの新しい可能性を探求したい方、小曽根さんの音楽的冒険に触れてみたい方にぜひおすすめしたい一枚です。
渡良瀬板橋文夫

板橋文夫さんは、渡辺貞夫さんや日野皓正さんのバンドで活躍し、独自の音楽性を追求してきた実力派ピアニストです。
故郷・栃木県足利市から国立音楽大学へと進み、本田竹廣さんの影響でジャズの世界に魅了された経歴を持ちます。
1982年にDENONレコードからリリースされた『渡良瀬』は、故郷を流れる渡良瀬川からインスピレーションを得た珠玉のソロアルバム。
このアルバムを携え、全国101ヶ所を巡る「渡良瀬一人旅」ツアーを敢行するなど、精力的な活動で多くのファンを魅了しました。
力強い打鍵と繊細なメロディセンスが織りなす演奏は、日本の風景や文化を見事に表現しており、和ジャズの金字塔として高い評価を受けています。
自然や郷愁をテーマにした作品として、情感豊かな旋律に心を揺さぶられたい方におすすめの一枚です。
Witch doctor猪俣猛&ヒズ・フレンズ

日本のジャズ界において重要な役割を果たしたドラマー、猪俣猛さんを中心とした「猪俣猛&ヒズ・フレンズ」。
日本のトップ・ジャズ・ミュージシャンたちが参加し、洗練されたアレンジと卓越した演奏技術で、その革新的な音楽性が高く評価されています。
1970年代中頃にリリースされた『ゲット・ハッピー』は、猪俣さんのダイナミックなドラムプレイを軸に、ビバップやハードバップの要素を織り交ぜた意欲作。
スタンダードナンバーから猪俣さん自身のオリジナル曲まで、繊細なブラシワークから力強いスティックプレイまで、多彩な表現力が光ります。
最新の録音技術による高音質と、日本のジャズを世界に発信しようとする情熱が詰まった本作は、ジャズの持つ自由な表現と洗練された音楽性を求める方に、心からお薦めしたい1枚です。
Electrum石川晶とカウント・バッファローズ

日本のジャズ・シーンの重要人物である石川晶さんが率いるビッグバンド、カウント・バッファローズ。
1970年にビクターからリリースされた本作『Electrum』は、ジャズとロック、ファンクの要素を融合させた革新的なサウンドで、当時の音楽シーンに新たな風を吹き込みました。
村岡健さん、佐藤允彦さん、鈴木宏昌さん、杉本喜代志さん、寺川正興さんといった日本のジャズ界を代表する凄腕ミュージシャンが結集し、圧巻のアンサンブルを披露。
エレクトリックな音色と伝統的なジャズの要素が絶妙なバランスで融合した4曲は、どれも聴き応え抜群です。
2024年にはクリアオレンジ・ヴァイナル仕様の限定盤も登場し、新たな世代からも注目を集めています。
ジャズ・ロックやファンクに興味のある方、そして和ジャズの黄金期を体感したい方にぜひおすすめしたい名盤です。