夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ
夏といえばどんな情景を思い起こしますか?
キラキラと輝く青い海、照りつける太陽が眩しい白い砂浜、濃い緑が目にも鮮やかな山々……。
ジメジメと蒸し暑いなかでも、爽やかな風景を思い浮かべると、ほんの少しだけ暑さが和らぐような気がしませんか?
この記事では、そんな皆さんのイメージをさらに広げてくれる、夏にピッタリのクラシック作品をご紹介します。
この夏は、涼しげな雰囲気を演出してくれる珠玉のクラシック音楽とともに、爽やかに過ごしましょう。
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夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ(51〜60)
交響曲第9番 第3楽章Anton Bruckner

交響曲第8番完成後、1987年8月に作曲を開始しましたが、以前の作品の改訂で中断され、1891年にようやく集中できるようになりました。
たび重なる病気を押して、死の直前まで完成させようと力を尽くしましたが、第4楽章を欠いた三楽章までの交響曲となりました。
大管弦楽のための牧歌「夏風の中で」Anton Webern

20世紀前半に活躍したオーストリアの作曲家Anton Webernの「Im Sommerwind (In the Summerwind)」という作品です。
クラシック音楽と聞くと穏やかなイメージがありますが、こちらの作品は結構前衛的で、激しい雰囲気ですね。
これまた違った夏を楽しみたい人にぜひ聴いてほしい一曲です。
序曲「謝肉祭」Antonín Dvořák

ドヴォルザークは、この「謝肉祭」を50歳となる1891年7月28日から9月12日というわずかな期間で作曲しました。
「自然、人生、愛」という3部作のうちの第2曲ですが、単独で演奏されることが多いです。
謝肉祭(カーニヴァル)は復活祭(イースター)を迎える前にごちそうを食べて大騒ぎするをお祭りです。
交響曲第3番「オルガン付き」2楽章第2部Camille Saint-Saëns

交響曲第3番は1885年に妻と離別し母親のもとに身を寄せた時に書き始められた作品です。
ちょうどこの年の夏、ロンドンのロイヤルフィルハーモニー協会に来シーズン用の新しい曲を、と依頼され、作曲されました。
普通、交響曲は4楽章構成ですが、この交響曲は、一つの楽章が前半と後半の2部に分かれている2楽章構成と、珍しい形式です。
小交響曲変ロ長調 第1楽章Charles Francois Gounod

1885年に作曲された管楽器のための作品で、「グノーの交響曲」といえば、オーケストラのための交響曲2曲より、むしろ、この作品の方が有名です。
フルート1、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン各2という計9人の奏者で編成される室内楽曲で、素朴で気品のある爽やかな作品となっています。
『前奏曲 第2巻』より第12曲「花火」Claude Debussy

夏といえば花火という方も多いとは思うのですが、クラシックの作品で「花火」をテーマとした楽曲はご存じでしょうか。
フランスの著名な作曲家、クロード・ドビュッシーが手掛けたピアノのための前奏曲の第2巻に収められた『花火』は、フランス人にとっては非常に重要な日である7月14日、フランス革命記念日の情景を描いた作品です。
フランス国歌の『La Marseillaise』が引用されるなど、フランス人としての誇りのようなものが色濃く感じられる楽曲ですね。
非常に高度なテクニックを駆使したピアノ曲で、華やかな花火が打ちあがる様を見事に表現しています。
フランスの文化や歴史に興味がある方も、ぜひこの曲を7月14日に聴いてみてはいかがでしょうか。
交響曲ニ短調 第3楽章César Franck

ラロやサン=サーンスが交響曲を発表したのを受け、弟子たちに交響曲の作曲をすすめられてフランクも、作曲を開始。
1887年秋には草稿が書き上げられ、翌年8月に作品が完成しました。
フランク自身は初演の不評を気にせず、家族に「私の思った通りに響いたよ」と満足げに答えたといいます。
Knoxville: Summer of 1915Dawn Upshaw

アメリカのソプラノオペラ歌手Dawn Upshawが歌う「Knoxville: Summer of 1915」です。
20世紀に活躍したアメリカの作曲家Samuel Barberの作品です。
演奏時間が約15分という長めの作品なのですが、ところどころで、曲調がガラリと変わるので、まるで演劇が丸ごと詰まっているように感じられます。
アルハンブラの思い出Francisco Tárrega

清涼感あふれる音色が心地よく響き渡る、クラシックギターの名曲。
スペインの作曲家フランシスコ・タレガが1896年に生み出した傑作です。
アルハンブラ宮殿を訪れた際の記憶をもとに紡ぎ出された旋律は、まるで宮殿の噴水や庭園の情景が目に浮かぶかのよう。
トレモロ奏法を駆使した繊細な演奏は、水のせせらぎや風のささやきをほうふつとさせます。
スペインの歴史や文化に思いをはせながら、ゆったりと耳を傾けてみては?
夏の暑さを忘れさせてくれる、爽やかな1曲です。
Summer Night on the River – 2001 Remastered VersionFrederick Delius

フレデリック・ディーリアスさんが1911年に作った曲がこちらです。
彼はイギリス生まれの作曲家ですが、若い頃にオレンジ栽培の仕事のためにフロリダにわたり、そこで黒人霊歌に親しんだことがその後の彼の音楽に影響を与えたといわれています。
その後フロリダを離れた彼は音楽教育を受けるためにドイツのライプツィヒとフランスのパリに滞在します。
動画の曲はパリに川面の夏の夜について描かれたもので、独特な雰囲気を持つ興味深い曲です。
夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ(61〜70)
Guangxi Impression: II. Summer CicadaGao Hong

彼女は中国のピーパというリュートのような楽器の演奏家で、1964年に生まれ、1994年からアメリカに住んでいます。
彼女は伝統的な中国の曲を演奏するほか、いろいろなジャンルの音楽家とのコラボレーションを続けており、その活動は多岐にわたります。
こちらの曲も静と動、西洋音楽と東洋音楽が同居しているような不思議な世界観のある曲ですよね。
夏の水面に似合いそうな、涼しげな曲を聴いてリラックスするのも楽しいですね。
組曲「王宮の花火の音楽」HWV.351 第4曲「歓喜」Georg Friedrich Händel

ドイツ出身の英国の作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが手掛けた壮麗な祝祭音楽。
1749年、ジョージ2世の依頼で平和条約締結を祝うために作曲されました。
華やかで活気に満ちたアレグロのリズムが、喜びと祝祭の雰囲気を見事に表現しています。
金管楽器と打楽器が豊富に使われ、華麗さと迫力を演出。
オーボエやホルンの音色も美しく響き渡ります。
オリジナルでは軍楽隊による演奏でしたが、現代では弦楽器も加わり、より豊かな音響効果を楽しめます。
夏の暑さを忘れさせてくれる、爽快感あふれる1曲。
優雅なティータイムのお供にいかがでしょうか。
Porgy and Bess: SummertimeGeorge Gershwin

数々のミュージカルの名作を作曲したジョージ・ガーシュインの曲がこちらです。
1935年にミュージカル『ポギーとベス』の中の1曲として作られたこちらの曲は、子守歌として黒人の乳母が子供に歌った歌として紹介されます。
曲名はまさにそのままの『サマー・タイム』です。
もともとはゆっくりした曲でしたが、のちにジャズの演奏家に取りあげられ、いろいろなバリエーションがうまれました。
原作と聴き比べてみるのも楽しいかもしれません。
交響曲第3番 第1楽章Gustav Mahler

マーラーはアッター湖畔のシュタインバッハに小さな「作曲用の小屋」を建てて、午前中は作曲、午後は散歩、と夏の休暇を楽しんでいました。
そしてその美しい自然を交響曲第3番として表しました。
第3番にはかつて「夏の朝の夢」というタイトルがつけられ、世界で最も長い交響曲としてギネスブックにも登録されていました。
アストゥリアスIsaac Albéniz

スペインを代表する偉大な作曲家、イサーク・アルベニス。
スペインの民族音楽をベースとした作曲が特徴で、いくつもの名曲を残してきました。
そんな彼の作品のなかでも、特に夏にピッタリな作品が、こちらの『アストゥリアス』。
彼の代表的なピアノ曲の1つで、スパニッシュ・ギターで演奏されることが多い作品です。
情熱的と思いきや、重厚で暗めの曲調が、夏のどこか物悲しい夕暮れの雰囲気をイメージさせます。
夏のサンセットを眺めながら苦いコーヒーを片手に、この曲を聴いてみるのはいかがでしょうか?
アランフェス協奏曲第2楽章Joaquín Rodrigo

スペイン王家の夏の離宮があるアランフェスは、マドリードの約50km南にあって、美しい庭園が有名です。
盲目の作曲家ロドリーゴはここを舞台にクラシック・ギターの協奏曲「アランフェス協奏曲」を作りました。
古都アランフェスがスペイン内戦の被害を受けたことを嘆いて、平和を祈って作曲しました。
The Last Rose of SummerJohn Andrew Stevenson

18世紀に活躍したアイルランドの作曲家John Andrew Stevensonの「The Last Rose of Summer」という作品です。
詩人のThomas Mooreの詩にJohn Andrew Stevensonが伴奏をつけ、アイルランド民謡ブラーニーの木立のメロディーに乗せて歌にされました。
ケルト楽器のバグパイプが特徴的な一曲です。
The Seasons: SummerJohn Cage

4分半、何もしないという代表的な作品「4分33秒」でよく知られる、アメリカの実験音楽家またキノコ研究家でもあるJohn Cageの「The Seasons: Summer」という作品です。
あの久石譲も影響を受けたと言います。
ミニマルな曲調で彼の思う夏を表現しています。
どことなく涼しげで、寂しそうなところがグッときます。
String Quartet No. 7, ‘Summer Eaves’: IV. AdagioJohn McCabe

イギリスの現代音楽家John McCabeの「String Quartet No. 7, ‘Summer Eaves’: IV. Adagio」という作品です。
アルバムInto The Ravineに収録されています。
弦楽器が不吉なハーモニーを奏でていますね。
湿っぽく陰うつな雰囲気がクセになる作品です。
夏の夕べKodály Zoltán

夏の夕暮れっていいですよね。
まだ明るく暑いけれど確かに、夜が近づいている、そんな情景を表現しているのが『夏の夕べ』です。
こちらはハンガリーの作曲家にして、学校教育にも大きな影響を与えたゾルタン・コダーイの作品。
彼はさまざまなジャンルの音楽を手掛けてきましたが、こちらはインスト曲に仕上がっています。
少しさみし気なメロディーから一気に華やかな印象になる転調にも注目しつつ聴いてみてください。
また約17分と長尺なので、じっくり休みたい時のBGMにもぜひ。
夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ(71〜80)
Summer SkiesLeroy Anderson

アメリカの作曲家Leroy Andersonの「Summer Skies」という作品です。
弦楽器がメインで奏でられるメロディーで、アメリカのクラシック音楽の特有の、都会感やロマンティックな感じがよく出ています。
ご機嫌な雰囲気に酔っちゃいますね。
優雅な気分にひたりたい、そんな時にぜひ聴いてほしい一曲です。
12 Études d’exécution transcendante, Op. 11: No. 5. Summer NightLouis Kentner

20世紀に活躍したピアニスト兼作曲家であるLouis Kentnerの「12 Études d’exécution transcendante, Op. 11: No. 5. Summer Night」という作品です。
ピアノの旋律がゆったりとしていて、ぬくもりを感じられるとても美しい曲です。
休日のお昼寝の時にぜひかけてほしいです。
ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンス 第2番 ヘ長調 作品50Ludwig van Beethoven

バイオリンが奏でるメロディーが印象的なこちらの曲は、ベートーベンが作曲しました。
彼が28歳の頃に作られたといわれています。
曲名は知らなくても、耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
ベートーベンならではの、カチッとした真面目なつくりも持っていながら、緑が映える風景が思い浮かぶような、すがすがしい曲ですよね。
この曲をかけてドライブや旅行に出かけたら、旅がより楽しいものになりそうな、そんな1曲です。
交響曲第2番 ニ長調 作品36Ludwig van Beethoven

ベートーベンの名曲『交響曲第2番 ニ長調 作品36』。
素晴らしい交響曲を作り続けた彼ですが、この曲はそのなかでも特に夏にピッタリな作品です。
そんなこの曲の魅力は、物語のようにさまざまな曲調に移り変わる点にあるでしょう。
序盤は暑苦しい、いかにも夏といった雰囲気から、中盤は優雅でありながら厳格な雰囲気、そして終盤は激しく展開する、夏の暑さや開放感を感じさせる曲調に仕上げられています。
ぜひチェックしてみてください。
水の戯れMaurice Ravel

フランスの作曲家モーリス・ラヴェルさんが1901年に作曲したピアノ曲は、夏の暑さを忘れさせる涼やかな1曲。
水の動きや光の反射を音楽で描き出す繊細な表現が特徴的です。
ラヴェルは「水にくすぐられて笑う河神」という詩の一節を題辞に掲げ、自然の描写と音楽的表現の融合を意図しました。
複雑な和声や七の和音、九の和音の使用など、当時としては革新的な要素が含まれています。
水の流れや滴る様子、波の動きを表現するこの曲は、夏のドライブや読書のBGMにピッタリ。
爽やかな響きをお楽しみください。
マドリードの夏の夜の思い出Mikhail Glinka

数々の名曲を残し「近代ロシア音楽の父」とまで評されているミハイル・グリンカ。
彼が清々しいマドリードの夏の情景を思い描いて制作したのが『マドリードの夏の一夜の思い出』です。
こちらはスペイン序曲の第2番に当たる曲で、パワフルなサウンドが印象的な作品です。
その構成も大きな魅力で、前半部分は弦楽器をメインとした重低音を楽しめる、そして後半は打楽器が入ってきてテンポアップしていくというものに仕上がっています。
En sommerdag paa landet (A Summer’s Day in the Country), Op. 55: I. Early: Allegro vivoNiels Gade

19世紀半ばから後半にかけて活躍したデンマーク出身の作曲家、Niels Gadeの「En sommerdag paa landet (A Summer’s Day in the Country), Op. 55: I. Early: Allegro vivo」という作品です。
悠然とした楽曲ですが、どこか影を感じるところもありますね。
まるで変わりやすい夏の天気のようです。
2 Nocturnes: Sommers sovn (Summer Sleep)Per Nørgård

デンマークの現代音楽の作曲家であるペア・ノアゴーが作曲した「Sommers sovn」。
彼は無限セリーと呼ばれる作曲法を自ら開発し、交響曲を中心に作曲をしていきました。
この曲の独特な雰囲気を作り出しているのも、彼の作曲法によるところが大きいでしょうね。
混声合唱団の「Ars Nova」の歌声にも注目です!
“Summer Tunes” String Quartet No.2: II. BirdsPēteris Vasks

ラトビアの現代音楽家Pēteris Vasksの「Summer Tunes String Quartet No.2: II. Birds」という作品です。
Riga String Quartetsが演奏をしています。
まるでホラー映画のサウンドトラックのような一曲ですね。
メロディーを奏でるというよりも、独特な奏法で、効果音をメインとした作品です。
その創造性に脱帽です。
ローマの祭り「チルチェンセス」Respighi

「ローマの祭り」は、古代ローマ、中世、ルネッサンス、そして現代とローマの祭りの歴史を4つの視点から描いた作品です。
第1部の「チルチェンセス」は古代史でも有名な暴君ネロ皇帝が円形劇場で行った祭りです。
キリスト教徒とライオンを戦わせるという残虐なショーもあったようです。
夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ(81〜90)
交響曲第4番 第1楽章Robert Schumann

シューマンは1841年1月から2月にかけて交響曲第1番を完成し、3月に序曲、ピアノ協奏曲の第1楽章のもととなる作品などを作曲しました。
さらに6月から、のちに第4番とされるこの交響曲の作曲に取りかかり、9月13日の妻クララの誕生日にプレゼントしました。
String Quartet No. 4, BVN 215, “Sommerdage” (Summer Days): III. Sostenuto – Allegro, scherzosoRued Langgaard

20世紀に活躍した作曲家またオルガニストであるRued Langgaardの「String Quartet No. 4, BVN 215, “Sommerdage” (Summer Days): III. Sostenuto – Allegro, scherzoso」という作品です。
亡くなった後16年たってやっと世間から評価されるようになったという悲劇の作曲家です。
艶のある弦楽器が美しく、物悲しいハーモニーを奏でます。
交響曲第2番 第1楽章Sibelius

シベリウスは家族と一緒に数カ月間イタリアへ長期旅行したあと、1901年の夏に交響曲第2番の作曲に取りかかりました。
交響曲のあちらこちらにみられる輝かしい響きは、この旅行のときにイタリアや地中海の雰囲気をスケッチしておいて作品に取り入れているからだと思われます。
2 Pieces: Summer NocturneThe Chamber Players of Canada

カナダの映画音楽家Eldon Rathburnが作曲した「Summer Nocturn」という作品です。
音楽グループのChamber Players Of Canadaが演奏しています。
映画音楽家ならではの表現力の幅広さを存分に生かした楽曲ではないでしょうか。
曲全体の抑揚はまるで起承転結する映画のストーリーのように、リスナーの心を取り込んでいきます。
セレナード第13番 ト長調 K.525Wolfgang Amadeus Mozart

日本の夏はとにかく暑苦しい……。
湿気が強いため、日本の夏は他の国よりも過ごしづらく、良い印象を抱いていない方は多いと思います。
そんなときは、音楽で涼を取ってみてはいかがでしょうか?
モーツァルトの名曲である、こちらの『セレナード第13番 ト長調 K.525』は非常に有名な作品で、全体を通して華やかで優雅な曲調に仕上げられています。
メディアでは料理番組やグルメリポートといったシチュエーションで使われることが多い楽曲のため、バーベキューなどに合いそうですね。
交響曲第40番 第1楽章Wolfgang Amadeus Mozart

交響曲第40番は1788年7月、モーツァルトが32歳のときにウィーンで完成しました。
6月に交響曲第39番、8月に交響曲第41番と、短い時間に有名な3つの交響曲を作り上げました。
モーツァルトの交響曲で短調なのは2曲しかなく、その両方がト短調なので、交響曲第40番を「大ト短調」、もう一方の交響曲第25番を「小ト短調」ともよびます。
交響詩「夏の牧歌」Arthur Honegger

この曲は、アルチュール・ランボーの『夏の暁を抱いて』という本の題辞にインスピレーションを受けて作曲されたといわれています。
のどかな牧歌を奏でるように始まる本作には、後年の無機的な鋭さを秘めたようなオネゲルさんらしさはありませんが,逆にその温かみを感じさせる叙情性によって親しまれる作品となっています。
2つの伝説 S.175 第2曲「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」Franz Liszt

華やかで熱狂的な演奏で人気を博したフランツ・リストですが、彼の晩年の作品は宗教的な題材に深く傾倒しています。
本作は、パオラの聖フランチェスコが奇跡によって海を渡る伝説を音楽で描いた神秘的な1曲。
荒れ狂う海を表現するトレモロや、神々しい主題旋律など、リストならではの劇的な音楽表現が随所に見られます。
1862年から1863年にかけて作曲されたこの曲は、リストの信仰心が深まった時期の作品。
宗教的な感動を静かに味わいたい方にオススメです。
涼やかな風を感じながら、静かな夏の夜に聴いてみてはいかがでしょうか。
ピアノ5重奏曲「ます」第4楽章Franz Schubert

1819年の夏、オーストリア北部を訪ねたとき、一人のアマチュアの音楽家に1817年に作った歌曲「ます」をもとに五重奏曲を作曲してほしいと頼まれて、すぐに構想を練り、その年のうちに五重奏曲「ます」を完成させました。
小川に遊ぶマスが、釣り人に釣り上げられる様子をドラマチックに表した作品です。
英雄ポロネーズFrederic Chopin

ショパンは1839年から1846年まで、冬はパリで、夏は恋人のジョルジュ・サンドの別荘のあるノアン(フランスの中央部)で暮らしました。
この間にたくさんの作品を生み出しましたが、「英雄ポロネーズ」は、1842年に夏のノアンで生まれた作品です。
夏に聴きたいクラシック|涼しげ&爽やかな名曲をピックアップ(91〜100)
「真珠採り」第1幕「耳に残るは君の歌声」Georges Bizet

「カルメン」で有名なビゼーの歌劇で、セイロン島の浜辺での真珠採りたちの恋と友情を描いたものです。
テノールとバリトンの男声2人の「友情の二重唱」、愛の想い出を歌う「耳に残るは君の歌声」などすてきな旋律は、ビゼーならではのものです。
ヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」Johannes Brahms

親しかったシューマン夫妻の末子で詩人のフェリックスが25歳の若さで亡くなり、その半年後の1879年の夏に完成した作品です。
サブタイトルが「雨の歌」とも呼ばれるこのヴァイオリンソナタ第1番は、ブラームスが46歳の時に書かれ、フェリックスに対するブラームスの思いも込められているといわれています。
Piano Trio No. 1 “Russian Summer”: I. NocturneJudith Lang Zaimont

こちらの作品は、現代音楽家であるJudith Lang Zaimontの、「ピアノ三重奏曲一番 “Russian Summer”: I. Nocturne」という作品です。
ピアノと弦楽器が織りなす美しいハーモニーは、夏の日差しを受け、ちらちらと動く木漏れ日のような穏やかさがあります。
現代音楽らしく、不協和音をも作品の魅力へと変えてしまうところが素晴らしいですね。
Kesailta (Summer evening), Op. 1Oskar Merikanto

19世紀から20世紀前半に活躍したフィンランドの作曲家Oskar Merikantoの「Kesailta (Summer evening), Op. 1」という作品です。
夏のヨーロッパの情景が目に浮かびますね。
全体的にとてもうららかで、ごきげんな作品ですね。
終盤に一気に盛り上がるところで出てくるミステリアスな雰囲気が、作品をより魅力的にします。
ピアノ曲集「四季」 6月 舟歌Pyotr Tchaikovsky

チャイコフスキーのピアノ曲集「四季」は、ロシアの音楽雑誌の1876年1月号から12月号に毎月載せるために12カ月を音で描いたものです。
普通8分の6拍子でつくられるバルカロール(舟歌)が、この「6月 舟歌」は、4分の4拍子でつくられていますが、舟の揺れ動くようなリズムはとても自然です。
Frosoblomster (Froso-Flowers), Book 1, Op. 16: No. 2. Sommarsang (Summer Song)Wilhelm Peterson-Berger

ヴィルヘルム・ペッテション=ベリエルはスウェーデンの作曲家で音楽評論家でもある音楽家でした。
日本語タイトルは『フレースエーの花々』でフレースエーはスウェーデンのイェムトランドにある島だそうです。
亡くなるときの病室からもこの島が見えたそう。
作曲家が愛した島にある豊かな自然や花々が目に浮かぶような、穏やかで流れるようなメロディとフルートの軽快な音色に心が癒されます。
ゆったりしたサマータイムを過ごしたい方にオススメの一曲です。
6 Preludes and Fugues, Op. 61: Prelude and Fugue No. 1 in G Major, “A Summer Morning On The Lawn”Dmitri Kabalevsky

ドミトリー・カバレフスキーさんは、ロシアのピアニストであり作曲家で、すぐれた作品をいくつも残し、1987年に亡くなりました。
運動会のBGMとしてよく流される『道化師のギャロップ』を作曲した人だといえば、わかりやすいのではないでしょうか。
こちらの曲は1958から59年にかけて作られた曲で、形式は前奏曲とフーガですが、風景についてのタイトルがつけられており、美しい風景を思い浮かべて聴ける曲集です。
ピアノが弾ける方は挑戦してみるのも楽しいでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか。
爽やかなものから、夏バテ気味の心と体に元気を与えてくれる華やかな作品まで、夏に聴きたいクラシック音楽の名曲をご紹介しました。
ガーシュインの「サマータイム」やカスキ「夏の朝」などタイトルに「夏」が入っているものやオーケストラの演奏、ピアノ独奏までさまざまな曲がありましたね。
紹介している動画にお気に入りの1曲が見つかったのなら幸いです。
夏を表現した作品はまだ多くありますのでぜひこれからも聴き続けてくださいね!