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【日本の民謡・郷土の歌】郷土愛あふれる日本各地の名曲集

北から南まで、日本各地に伝わる郷土の宝物ともいえる伝統の歌声。

あなたにも、子供のころに祖父母や父母から歌ってもらった、あるいは一緒に歌った、思い出深い1曲があるのではないでしょうか?

その土地の暮らしや文化、人々の思いが織り込まれた民謡は、世代をこえて歌い継がれてきました。

本記事では、そんな心に響く日本の民謡の数々をご紹介します。

懐かしい故郷の調べに耳を傾けながら、日本の心と風土に触れてみましょう。

【日本の民謡・郷土の歌】郷土愛あふれる日本各地の名曲集(1〜10)

俊良主節

武下和平「俊良主節」
俊良主節

魂に直接語りかけるような哀切な旋律が、聴く人の心を深く揺さぶる奄美大島の島唄です。

もとは恋唄として親しまれていましたが、明治時代に地元の代議士の妻が海で命を落とすという悲劇を機に、鎮魂歌として生まれ変わりました。

この楽曲には、女性がその兄弟を霊的に守るという島の信仰が織り込まれており、深い悲しみの奥に宿る揺るぎない魂の絆を感じさせます。

中野律紀さんによる歌唱で1993年5月に音源が発売されたほか、1994年には若手がこの歌で民謡大賞を受賞するなど、世代をこえて大切に歌い継がれています。

故郷や今は亡き大切な人に思いをはせる静かな夜に、じっくりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

箱根馬子唄

箱根馬子唄 (はこねまごうた) 「神奈川県民謡」
箱根馬子唄

江戸時代の険しい箱根路を行き交う、馬子たちの力強い息づかいが伝わってくるような1曲です。

馬でも越せる箱根の山道と、渡ることがさらに困難だった大井川を対比させ、当時の旅の厳しさを歌い上げています。

この楽曲は、江戸時代に労働歌として自然発生的に広まった民謡です。

1901年作の唱歌『箱根八里』とはルーツが異なり、地域に深く根ざした本作は、その文化的な価値から箱根町に歌碑も建立されているのだとか。

昔の旅に思いをはせながら、日本の風土に触れたいときに聴いてみてはいかがでしょうか?

花笠音頭

威勢の良い掛け声が心をおどらせる、山形県が誇る郷土の宝物のような1曲です。

大正時代の土木作業で生まれた力強い労働歌が原型となり、昭和初期に民謡として形を整えられた本作は、1963年に蔵王の夏まつりで披露されたのをきっかけに、今では「山形花笠まつり」に欠かせない音楽となりました。

歌詞に描かれる美しい故郷の風景や特産品への誇りと、皆で声を合わせる一体感が、聴く人の心に活力を与えてくれます。

郷土の文化に触れながら、みんなで元気になりたいときにピッタリの名曲。

懐かしい風土の香りに、心が温かくなるのを感じるでしょう。

【日本の民謡・郷土の歌】郷土愛あふれる日本各地の名曲集(11〜20)

郡上節

郡上節 (郡上おどり) [かわさき] (ぐじょうぶし) 「岐阜県民謡」
郡上節

岐阜県郡上八幡を中心に歌い継がれる、郷愁を誘う民謡です。

その歴史は約400年前にさかのぼるといわれ、盆踊り唄として全国に知られています。

この楽曲は、故郷を旅立つ人の名残惜しい心境を歌ったもの。

雨も降らないのに別れの涙で袖が濡れてしまうという詩の情景に、思わず引き込まれてしまいますね。

大正時代に保存会が発足して以来、その温かい調べは地域の人々の手で大切に守られてきました。

都会で暮らすなかでふと故郷が恋しくなったとき、この切なくも美しい旋律が心に深く染み渡るかもしれません。

交野節

#万博音頭 交野節編~輪踊りバージョン【公式】
交野節

江戸時代中期に生まれたとされる、河内地方の伝統的な盆踊り歌です。

『河内音頭』のルーツとしても知られています。

地域ごとに節や踊りが少しずつ違う形で受け継がれてきた歴史があり、その素朴な響きに故郷の原風景を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2018年10月に、オーケストラ伴奏で構成された音源『交野節~石川五右衛門~』が発売。

さらに2025年には「大阪・関西万博」関連の企画で、若者にも届くようアップテンポに編曲された本作が紹介されました。

伊予節

伊予節 (いよぶし) 「愛媛県民謡」 Iyo-Bushi (Ehime Japan)
伊予節

江戸の粋なお座敷文化から花開き、全国へと広まっていった愛媛県松山の風情を伝える名曲です。

この楽曲は、一説には1818年頃、伊予染めの流行に合わせ、藩主の粋な計らいから生まれたとも言われています。

元は伊勢参宮の歌でしたが、道後温泉の湯けむりや三津の朝市のにぎわいといった地元の名所を盛り込んだ歌詞に変わり、松山ならではの座敷唄として定着しました。

故郷の景色を思い浮かべながら、またはこれから訪れる旅に思いをはせながら聴くと、より深く心に染み渡るかもしれませんね。

阿波よしこの節

徳島県で愛されている民謡曲です。

日本三大盆踊りの一つ「阿波おどり」の際に歌われ、徳島県民のみならず多くの人々に親しまれています。

この楽曲の魅力は、何と言っても聴く人の心をおどらせる軽快な「ぞめき」のリズム。

踊る人も見る人も、その場の全員で楽しむのが粋なのだと教えてくれるような、開放的なエネルギーに満ちています。

お祭りの熱気や、人々が一体となる高揚感を味わいたいときに聴いてみてはいかがでしょうか。

思わず体を動かしたくなる、不思議な魅力が詰まった楽曲です。