【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介
印象派音楽の重要な人物の一人、モーリス・ラヴェル。
彼の作品は細部まで緻密に作られており、土台に古典的な形式をしっかり取り入れていますが、印象派らしい表現も混じり合っていることから、彼にしかない唯一無二の音楽を感じられます。
他の作曲家のオーケストラ編曲も行っており、その卓越されたオーケストレーションから「オーケストレーションの天才」「管弦楽の魔術師」とも呼ばれていました。
本記事では、そんなラヴェルの名曲、代表曲をご紹介します。
クラシックに馴染みのない方でも、どこかで一度は聞いたことがあるであろう曲も存在するので、ラヴェルの素晴らしい名曲の数々をお楽しみください!
【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介(31〜40)
ダフニスとクロエMaurice Ravel

1909〜1912年にかけて作曲されたバレエ曲。
全曲版は合唱まで付いているが、抜粋した第1組曲、第2組曲が管弦楽曲としてよく演奏されています。
作曲を依頼したのはパリで成功を博していたバレエ・リュスを率いるディアギレフだったが、出来上がった作品がリズムよりメロディ重視であるなど、バレエ的でないと考えていたと言われています。
実際、後にはバレエ音楽としてではなく、管弦楽曲として取り上げられることが多いです。
鏡Maurice Ravel

ラヴェルが20歳代後半の1904〜1905年に作られた楽曲。
ピアノ独奏のための組曲で『蛾』『悲しい鳥』『海原の小舟』『道化師の朝の歌』『鐘の谷』から成ります。
とくに『道化師の朝の歌』はよく演奏され、ラヴェル自身が管弦楽用にも編曲しています。
演奏は、1962年生まれのフランスのピアニスト、ジャン=エフラン・バヴゼ。
ラヴェルのピアノ曲全曲をレコーディングしています。
組曲『マ・メール・ロワ』より第3曲「パゴダの女王レドロネット」Maurice Ravel

東洋の風情をたたえた童話の世界が広がる名曲です。
美しい姫が呪われて姿を変えられてしまう物語を、ピアノ連弾ならではの4手の響きで情感が豊かに描き出しています。
1908年から1910年にかけて、モーリス・ラヴェルが友人の子供たちのために作曲した5つの小品からなるピアノ連弾組曲の一曲です。
本作では、中国の楽器をイメージした木琴や打楽器の響きを、2台のピアノで見事に表現しています。
軽やかで明るい曲調の中に、銅鑼の音が遠くで鳴り響くような異国情緒があふれる音色が印象的です。
ピアノの高音域と低音域を駆使した豊かな表現力と、共演者との息の合った演奏が求められる作品で、コンサートや発表会での演奏に最適です。
クープランの墓『トッカータ』Maurice Ravel

第一次世界大戦で亡くなった友人たちへの追悼の意を込めて作られた6曲の組曲のフィナーレとなっているこの楽曲。
速いテンポと技巧的なパッセージが特徴で、バロック時代から発展した形式に近代的な解釈を加えた珠玉の作品です。
1919年4月にパリのサル・ガヴォーで初演され、当時から演奏家や聴衆を魅了し続けています。
本作は華麗で力強い響きに加え、モーリス・ラヴェルによる独自の和声やリズム感が絶妙に融合しており、聴衆を圧倒する迫力があります。
高度な演奏技術が必要ですが、会場の観客を魅了できる素晴らしい作品となっているため、ピアノ発表会で演奏したい方にぴったりの1曲です。
亡き王女のためのパヴァーヌ ト長調Maurice Ravel

独創性にあふれた作風で多くのアーティストに影響を与えた作曲家、モーリス・ラヴェル。
日本でも多くのファンがいる作曲家ですね。
そんなラヴェルの作品のなかでも、特にオススメしたいのが、こちらの『亡き王女のためのパヴァーヌ ト長調』。
ト長調4拍子でロンド形式を取る本作は、ゆったりとしたリズムとエキゾチックな雰囲気を持った主題が特徴の作品です。
美しい旋律といえばこの作品の名前を挙げる方も多いのではないでしょうか?
【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介(41〜50)
組曲『マ・メール・ロワ』より第4曲「美女と野獣の対話」Maurice Ravel

童話『美女と野獣』をモチーフにしたピアノ連弾作品で、繊細な美しさと壮大なドラマが織りなす傑作です。
美女を表現するクラリネットと、野獣を演じるコントラファゴットの掛け合いが印象的で、まるで2人の会話を目の当たりにしているかのような臨場感があります。
本作は1910年4月にパリで初演され、優美な旋律と物語性の豊かさから、バレエや映像作品でも使用されています。
高度な技巧と表現力を求められる連弾曲ながら、童話をベースにした親しみやすさも持ち合わせており、コンサートや発表会でも存在感を放つ珠玉の名曲です。
2台のピアノで奏でられる豊かな響きと、共演者との呼吸を合わせる緊張感を味わいたい方におすすめの1曲です。
組曲『マ・メール・ロワ』より第5曲「妖精の園」Maurice Ravel

4本の手が織り成す音色の世界は、モーリス・ラヴェルのピアノ連弾作品でより一層美しく輝きます。
1910年4月のパリで初演されたこの童話がテーマの組曲は、子供のために書かれながらも深い音楽性を秘めています。
優雅な3拍子のワルツが奏でられ、幻想的な雰囲気が広がる本作は、ピアノ連弾ならではの豊かな響きと表現力で聴く人を魅了します。
荘厳で美しい旋律の中に、ハープやチェレスタのような繊細な音色を思わせるパッセージがちりばめられ、まるで夢の世界へ誘われるような感覚を味わえます。
連弾パートナーとの呼吸を合わせる難しさはありますが、息の合った演奏ができたときの喜びは格別です。
ピアノ連弾の醍醐味を存分に味わいたい方にお勧めの一曲です。