RAG MusicClassic
素敵なクラシック
search

【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介

【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介
最終更新:

印象派音楽の重要な人物の一人、モーリス・ラヴェル。

彼の作品は細部まで緻密に作られており、土台に古典的な形式をしっかり取り入れていますが、印象派らしい表現も混じり合っていることから、彼にしかない唯一無二の音楽を感じられます。

他の作曲家のオーケストラ編曲も行っており、その卓越されたオーケストレーションから「オーケストレーションの天才」「管弦楽の魔術師」とも呼ばれていました。

本記事では、そんなラヴェルの名曲、代表曲をご紹介します。

クラシックに馴染みのない方でも、どこかで一度は聞いたことがあるであろう曲も存在するので、ラヴェルの素晴らしい名曲の数々をお楽しみください!

もくじ

【モーリス・ラヴェル】名曲、代表曲をご紹介(1〜20)

ピアノ協奏曲ト長調Maurice Ravel

Jean-Yves Thibaudet – Ravel – Piano Concerto in G major
ピアノ協奏曲ト長調Maurice Ravel

1931年に完成されたこちらの作品は、彼の晩年の傑作として知られています。

アメリカ演奏旅行でジャズに触れた経験や、母の出身地であるバスク地方の民謡の影響が色濃く反映された本作。

3楽章構成で、第1楽章は明るく楽しげな雰囲気、第2楽章は叙情的なサラバンド風、第3楽章はサーカスやパレードを思わせる活力に満ちた展開と、変化に富んだ魅力的な曲調が特徴です。

ラヴェルの音楽的ルーツへの回帰を感じさせつつ、彼独自の世界観が広がっています。

ラヴェルが手掛けたピアノ協奏曲は二つだけ。

そのなかの一つであるこの作品を、ぜひ聴いてみてください。

ソナチネMaurice Ravel

ラヴェル/ソナチネ 第1楽章 中庸の速さで/pf.佐野隆哉
ソナチネMaurice Ravel

1903年から1905年にかけて作曲されたピアノ独奏曲。

全3楽章から成る本作は、作曲コンクールのために書かれた小品ながら、魅力的な旋律と繊細な響きが凝縮されています。

第1楽章は叙情的なメロディが印象的。

第2楽章は優美で可憐な旋律が特徴的で、ラヴェル自身が「踊りのあとのお辞儀」と表現した部分もあります。

第3楽章は快活なパッセージが活躍。

古典的形式にのっとりながらも、ラヴェル特有の繊細な表現が光る名曲です。

マ・メール・ロワMaurice Ravel

ラヴェルが1908年に作曲した組曲。

童話をモチーフにした5つの楽章から成り、子どもたちのための音楽として生み出されました。

優美で幻想的な響きが特徴的で、ラヴェルの繊細な音楽性が存分に発揮されています。

ピアノ四手連弾で発表された後、1911年に管弦楽版に編曲され、より色彩豊かな表現が加わりました。

各楽章では、眠れる森の美女やパゴダの女王など、さまざまな物語の情景が音楽で巧みに描かれています。

おとぎ話の世界に誘われるような魅力的な作品を親しみたい方にオススメです。

クープランの墓Maurice Ravel

Ravel | Le tombeau de Couperin – Zoltan Fejérvari
クープランの墓Maurice Ravel

ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲した6曲から成る組曲。

第一次世界大戦で亡くなった友人たちへの追悼の意が込められています。

バロック時代の組曲形式を採用しつつ、ラヴェル独自の近代的な感覚と技術で再解釈されています。

各楽章は特定の人物に捧げられており、喪失と追悼の感情を表現しているのですが、その音楽は軽やかで時にはユーモラスなニュアンスも。

そこから悲しみを乗り越える力と生命の復活への信頼を感じさせます。

1919年には4曲を抜粋した管弦楽版が発表されました。

ピアノソロ版と管弦楽版、ぜひどちらも聴いてみてくださいね。

ラ・ヴァルスMaurice Ravel

1919〜1920年に作曲されたバレエ曲。

曲名はフランス語で「ワルツ」のこと。

ウィンナ・ワルツを思い起こさせるフレーズが登場します。

ラヴェルがパリで成功を博していたディアギレフに作品を聴いてもらったところ、ディアギレフは「傑作ではあるがバレエには不向き。

バレエの絵に過ぎない」として、作品を受け取らなかったそう。

どこか不吉な雰囲気があり、最後は爆発的に幕を閉じます。

組曲「鏡」より「洋上の小舟」NEW!Maurice Ravel

暑い日に聴きたくなる、モーリス・ラヴェルの涼やかな一曲はいかがでしょうか。

1906年にパリで出版されたピアノ組曲『Miroirs』の第3曲で、画家ポール・ソルドへ献呈された作品です。

広い海原を小舟がゆったり漂う情景が目に浮かび、聴くだけで心が洗われる気分になりますね。

本作の魅力は、きらめくアルペジオによる水の表現。

光を受けて揺れる水面や深い海の静けさを感じさせ、ピアノ一台とは思えないほど表情が豊かです。

140小節で36回も拍子が変わるのも、絶え間ない波の動きを巧みに捉えているからでしょう。

美しい音色で涼みたい方、印象派音楽がお好きな方に、きっと気に入っていただけるはず。

組曲『Miroirs』の他の曲とあわせて楽しむのも良いかもしれませんね。