【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽
「魔王」「アヴェ・マリア」をはじめ600を超える歌曲を遺したことから、「歌曲の王」と称されるオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト。
シューベルトは、代表作とされる多くの歌曲はもちろん、ピアノ独奏曲や交響曲、室内楽曲などを幅広く手掛けたことでも知られています。
本記事では、そんなシューベルトの作品のなかでも特に人気の高い楽曲や、コアなクラシックファンらが好む隠れた名曲を厳選!
生涯にわたって作曲活動を続けた音楽家の魂がこもった、珠玉の作品をご紹介します。
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【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(51〜60)
アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821Franz Schubert

フランツ・シューベルト作曲の『アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821』です。
1824年にウィーンのギター製造者ヨハン・ゲオルク・シュタウファーによって発明された、チェロを小ぶりにしたような6弦の弦楽器「アルペジョーネ」のために作られた曲です。
しかし、出版された1871年にはアルペジョーネが廃れていたため、チェロやヴィオラ、コントラバスで演奏されるようになりました。
ソナチネ イ短調Franz Schubert

歌曲で名が知られているシューベルトですが、バイオリンの曲にも数々手がけています。
ソナチネとは、ソナタ形式から成り立っているもののソナタに比べ音構成が簡潔に作られている曲のことなのです。
簡潔とは言えど、掛け合いに大変凝っているのでソナタ以上のクオリティを感じます。
交響曲第7番「未完成」Franz Schubert

ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』、ドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』に次いでこちらの交響曲第7番『未完成』は非常に人気な作品で、これらは「三大交響曲」と呼ばれています。
歌曲を数多く作曲したシューベルトの作品で、なぜ未完成で終わってしまったのかはいまだはっきりとは知られていません。
少し、物悲しさがありながら優雅な旋律がさまざまな楽器によってつなげられ、そのミステリアスな美しさが魅力的な作品です。
交響曲第8番ロ短調D.759「未完成」Franz Schubert

シューベルトは、オーストリアの作曲家です。
交響曲第8番ロ短調が、なぜ未完成なのかは誰も知りません。
シューベルトは、友人のヒュッテンブレンナーに、未完成の交響曲第8番ロ短調の楽譜を手渡しました。
約40年後、ヒュッテンブレンナーは、机の引き出しの奥から未完の楽譜を見つけ、ウィーン・フィルハーモニーの指揮者ヨハン・ヘルベックに手渡し、1865年のウィーンの初演で大評判を得ました。
即興曲 Op.90-4Franz Schubert

優雅な旋律と情感豊かなハーモニーが魅力の、フランツ・シューベルトの即興曲。
1827年に作曲されたこの作品は、シューベルトの円熟期を象徴する名曲として知られています。
アルペジオから始まり、中間部では調性が変化していくなど、聴き手を幻想的な音楽の旅へと誘います。
はかなくも力強い旋律が、演奏者の表現力をさらに引き上げてくれるでしょう。
ピアノの技術を磨きたい方にもオススメの1曲です。
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810「死と乙女」第4楽章Franz Schubert

シューベルトがこの作品を書き始めたと言われている1824年の前年は、体調不良に苦しみ、その影響からか4楽章全てが短調で書かれ、悲しげなムードが顕著に現れている1曲です。
この曲が正式に発表されたのは、シューベルトがなくなってから2年半後のことでした。
切迫したタランテラ風のフィナーレは、ドラマティックなメロディが随所に盛り込まれており、とても迫力のある曲調が印象的です。
第2楽章に自身が作曲した有名歌曲『死と乙女』の旋律を引用していることから、この曲も「死と乙女」という名で親しまれています。
楽興の時 D780 Op.94 第3番Franz Schubert

全6曲で構成されたピアノ曲集『楽興の時』の第3番は、テレビCMでたびたび使用されるなど、日常で耳にする機会の多いピアノ作品。
映画の挿入音楽や、電車の発車メロディーにも使用されていたそうです。
規則的で変化のない左手の伴奏の上に、和音で構成された印象的な右手のメロディーが重なっていきます。
さまざまな速さで演奏されていますが、落ち着いた演奏もすてきなので、テンポアップにこだわる必要はありません。
この曲の高貴な雰囲気をじっくり味わいながら弾いてみてくださいね!
野ばらFranz Schubert

『野ばら』は、ドイツの詩人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの詩に、フランツ・シューベルトが曲をつけて歌曲にした作品。
日本でもよく知られており、学校のチャイムや電車の発車メロディーに使用されています。
「わらべは見たり」で始まる日本語の歌詞で歌ったことのある方も、多いのではないでしょうか?
もとの歌曲がとてもシンプルなメロディーのため、ピアノでも演奏しやすい作品です。
野に咲く野ばらのかわいらしさをイメージしながら、やさしく弾いていきましょう。
鱒(リスト編曲)Franz Schubert

フランツ・シューベルトの歌曲が、フランツ・リストによってピアノ独奏用に編曲された作品です。
清らかな川で泳ぐ鱒と、それを狙う釣り人の物語を通じて、人生の教訓を伝えています。
リストは原曲の美しさを損なうことなく、ピアノならではの華麗な技巧を加えました。
川の流れや鱒の動きを連想させるアルペジオや装飾音が効果的に使われており、視覚的な情景が音楽で表現されています。
自然の美しさや人間社会の教訓に興味がある方、ピアノの技巧的な演奏を楽しみたい方におすすめの1曲です。
ピアノソナタ 第17番 ニ長調 D850Franz Schubert

1825年に作曲されたピアノソナタです。
全4楽章とも長調で書かれています。
第1楽章は快活な「アレグロ・ヴィヴァーチェ」です。
1番長い第2楽章「コン・モート」は「天国的な長さ」と評されます。
第3楽章の「スケルツォ」は付点のリズムが特徴的です。
演奏は、クリスティアン・ツァハリアスです。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(61〜70)
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D810「死と乙女」Franz Schubert

1824年に作曲された弦楽四重奏曲です。
シューベルトの死後、1831年に出版されました。
シューベルトが作曲した歌曲『死と乙女』のモチーフを引用したことから、この楽曲自体も『死と乙女』の通称で知られています。
当時、シューベルトの体は病魔に侵されていました。
すべての楽章が短調で書かれたこの楽曲からは、当時のシューベルトの心境が垣間見ることができます。
感傷的なワルツ D 779 Op.50-13Franz Schubert

フランツ・シューベルト作曲の『感傷的なワルツ D 779 Op.50-13』は、ゆったりとしたテンポと優美なメロディが心地よい印象を与えるピアノ作品。
1825年に出版され、作曲された1823年当時からシューベルトの人気作品として評価されていたそうです。
この曲の魅力は、ワルツの基本である3拍子のリズムを踏まえつつ、メロディの起伏やフレーズの流れに合わせてテンポや抑揚を自由に付けられるところ。
伴奏の和音の響きを意識し、右手と左手のバランスに気を付けながら演奏すれば、格調高い優雅なサロン音楽の雰囲気を存分に楽しめるでしょう。
ピアノソナタ 第18番 ト長調 D894, Op.78「幻想」Franz Schubert

フランツ・シューベルト28歳の1826年頃に作曲され、4楽章構成の名作です。
この楽曲は、初版譜に幻想曲と書かれていたことから「幻想ソナタ」と呼ばれています。
シューベルトのピアノ・ソナタといえば、19・20・21番が有名ですが、この18番も人気が高い楽曲です。
ドイツ・ロマン派を代表する作曲家ロベルト・シューマンが批評家としても名高いのですが、「形式的にも精神的にも完璧である」という評価を得ています。
現在でもこの「幻想ソナタ」はシューベルトの中でも評価が高いものとなっており、ピアニストに欠かせない重要なレパートリーとなっています。
シューベルトの生前に出版出来た最後の作品で、歌曲や舞曲を多く作曲してきたシューベルトらしく、美しい一方で舞曲のリズムを活かした魅力的な楽章もありぜひ最後まで聞いてほしい1曲です。
交響曲 第4番 ハ短調「悲劇的」D417Franz Schubert

1816年シューベルト19歳の頃に作曲されたシューベルト初期の交響曲です。
シューベルト本人による「悲劇的」というタイトルやハ短調という曲調は、ベートーベンを意識していたことを伺わせます。
暗い曲調の中にも、明るさを感じさせる楽曲です。
弦楽四重奏曲 第13番 Op.29 D804「ロザムンデ」Franz Schubert

1824年に作曲された作品です。
当時のシューベルトは体調を崩し、人生に悲観的になっており、この楽曲も当時のシューベルトの心情が感じられるような全体的に暗い情感が漂います。
シューベルトが存命中に出版された唯一の弦楽四重奏曲です。
「ロザムンデ」という通称は、シューベルトが作曲した同名の劇音楽の主題を、この楽曲に引用したことに由来しています。
幻想曲 ヘ短調 Op.103 D 940Franz Schubert

フランツ・シューベルトが亡くなる年に作曲したと言われる名作『幻想曲 ヘ短調 Op.103 D 940』。
単一楽章の作品なのですが、実際のところは全4楽章のような作品で、それぞれの部分に特色があります。
『さすらい人幻想曲』と似たような曲ということですね。
133小節からヘ音とホ音が半音で衝突する不協和音が現れるのですが、連弾でこれを表現するのが難しいため、最後のパートはしっかりと練習しておきましょう。
3つのピアノ曲(即興曲) 第2番 変ホ長調,D946Franz Schubert

19世紀末のアメリカを代表するロマン主義音楽の作曲家、フランツ・シューベルトが1828年5月に作曲したこの曲。
シューベルトの死の約6カ月前に書かれた晩年の傑作で、ロンド形式で構成されています。
主題は抒情的で落ち着いた雰囲気を持ち、2つのエピソードが織り交ぜられた構成が特徴的です。
シューベルトの豊かなメロディーセンスと独特の和声進行が感じられる本作は、ピアノ初心者の方にもおすすめです。
左手が伴奏、右手がメロディとわかりやすく、中間部の難しいところはゆっくり練習することによってシューベルトの音楽世界に入り込んでいけると思います。
クラシック音楽に興味のある方は、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
《高雅なワルツ》op.77Franz Schubert

ロマン派を代表する作曲家フランツ・シューベルトのピアノ舞曲をご紹介します。
1827年に作曲された『高雅なワルツ集』は、12曲のレントラーから成る優雅な作品です。
友人との集いで生まれたこの曲は、ウィーンの社交界の雰囲気を感じさせます。
演奏時間は約12分と短めで、親しみやすい旋律が特徴。
ピアノを始めたばかりの方にもおすすめです。
各曲は自由に組み合わせられるので、好みの曲だけを弾くことも可能です。
シューベルトの魅力がたっぷりの本作で、ウィーンの華やかな舞踏会気分を味わってみてはいかがでしょうか。
アレグレット ハ短調 D 915Franz Schubert

ロマン派の旗手として知られるフランツ・シューベルトの小品をご紹介します。
友人の旅立ちに際して書かれたこの曲は、別れの情感と深い感動に溢れています。
三部形式で構成され、ハ短調の主部と変イ長調の中間部が織りなす繊細な調和が印象的です。
ベートーヴェンの影響を感じさせる旋律や、シューマンやブラームスを予感させる響きも魅力的ですね。
1827年4月に作曲されたこの曲は、ベートーヴェンへの追悼の想いも込められているかもしれません。
ピアノを始めたばかりの方でも、右手と左手が同じように動くことが多く、ずれて動くところはゆっくり練習すれば弾けるようになりますよ。
シューベルトの世界に触れてみたい方におすすめの一曲です。
即興曲 変ト長調 作品90−3Franz Schubert

19世紀ロマン派を代表する作曲家フランツ・シューベルトの楽曲です。
1827年に作曲された即興曲集の第3曲目で、6連符のアルペッジョが特徴的な美しい旋律が印象的です。
穏やかな和声の上に中声部の装飾が施され、息の長い旋律が歌われる構成になっています。
シューベルトの繊細な感性と深い表現力が感じられる本作は、ピアノ学習者にも人気の高い曲です。
拍子感がすごく特徴的ですが、何拍目にあたるフレーズなのかよく見ながら弾いていきましょう。
あるアルペジオはコードを分散して弾いているので、どこにフラットがついているのか鍵盤の位置を覚えながらマスターしていってください。
右手で長い音を押さえながらアルペジオは最初のころはなかなか大変ですが、別の作曲家の作品であるならばリストなどもこういう動きがあるので練習を重ねてると他の曲にも応用できると思いますよ。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(71〜80)
即興曲集 第3番 変ロ長調 ,D935,Op.142Franz Schubert

19世紀初期のオーストリアを代表するフランツ・シューベルトの作品をご紹介します。
1827年に作曲されたこの曲は、主題と5つの変奏から構成される変奏曲形式で書かれています。
同じくシューベルト自らの作品の劇付随音楽からの引用を含む親しみやすい旋律が特徴的です。
各変奏では、付点リズムや装飾音、三連符などさまざまな技法が用いられ、ウィーン古典派の技巧とロマン派の叙情性が見事に融合しています。
シューベルトの作曲したピアノ曲の中では最も評価が高く、聴く機会も多いのがこの即興曲です。
ピアノを学び始めた方から中級者の方まで、シューベルトの世界に触れたい方におすすめの1曲です。
日本では東京電力のCMなどでも使用されているので、弾きながらこの曲だ!
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
魔王(ピアノ簡易版)Franz Schubert

ゆっくりな旋律からその裏に隠された悲劇的な物語まで、この曲は聴く人の心をつかみます。
フランツ・シューベルトが18歳で作曲したこの作品は、父と子の愛、そして死の不可避性を描いています。
ピアノの伴奏は馬の蹄の音を表現し、物語の緊張感を高めています。
四つの異なる役を一人で歌い分ける難しさもありますが、ピアノの簡易版なら初心者の方でも挑戦できます。
教科書にも一部ピアノの楽譜が掲載されて弾いてみて感動した方もいらっしゃるかもしれませんね。
クラシック音楽に興味がある方や、物語性のある曲が好きな方におすすめです。
この曲を通して、シューベルトの天才的な才能を感じてみませんか?
ErlkönigFranz Schubert

オーストリアが生んだ天才作曲家フランツ・シューベルトの代表作です。
18歳の時に書いた本作は、ゲーテの詩に基づいた物語性豊かな歌曲で、父と息子が夜の森を馬で駆け抜ける様子を描いています。
ピアノ伴奏が馬の疾走感を表現し、父親や息子、魔王の声を一人の歌手が歌い分ける高度な技巧が特徴です。
緊迫感があふれる曲調と劇的な展開は、聴く人の心を掴んで離しません。
クラシック音楽に興味のある女性の方にぜひおすすめしたい一曲です。
魔王Franz Schubert

フランツ・シューベルトが18歳のときに作曲した歌曲。
ゲーテの詩に感銘を受け、一晩で完成させたと言われています。
父親が魔王から逃げながら、病気の息子を抱えて夜道を馬で駆け抜ける様子を描いています。
ピアノの連打音は、まるで馬の走る様子や、親子の焦り、不安を表しているかのようで、魔王の誘惑、父親の必死さ、息子の恐怖が見事に表現されていますね。
1821年に初めて公演され、その後多くの歌手やピアニストによって演奏され続けています。
怖さと切なさが入り混じった独特の雰囲気は、ハロウィンにもぴったりですよ。
万霊節の連祷 D343Franz Schubert

1816年、シューベルト19歳の頃に作曲、ヤコービの詩に曲を付けたものです。
「万霊節」とはキリスト教の祭事で、死者の魂が帰ってくるとされる、日本のお盆に通じる行事です。
死者に対する、慈しみが込められた詩に、美しい音楽がつけられています。
死と乙女 D531Franz Schubert

1817年シューベルトが20歳の頃に作曲され、1821年に出版された歌曲です。
マティアス・クラウディウスの同名の詩に曲を付けたものです。
死を恐れ、死神を拒絶する少女と死神との対話が描写されています。
「弦楽四重奏曲第14番」の第2楽章にこの楽曲の主題が引用されています。
水の上で歌う Op.72 D774Franz Schubert

1823年、シューベルト26歳のときに作曲された歌曲です。
詩人でもある、貴族のシュトルベルク伯爵の詩に曲を付けたものです。
夕暮れの舟遊びに、運命に弄ばれる人間の人生や、移ろいゆく人生の幸せに潜む憂いを重ねた詞に、美しいメロディーが流れるように乗っていきます。
4つの即興曲 Op.142 D935 第1番 ヘ短調Franz Schubert

シューベルトが最晩年に作曲したピアノ独奏曲『4つの即興曲 Op.142』。
第1番は、展開部を欠いたソナタ形式となっています。
短調、かついきなり下降音型で始まる冒頭は、この曲の不安さや暗さを感じさせます。
しかし中間部は長調への転調とともに雰囲気がガラリと変わり、暗闇から一筋の光が降り注ぐかのような幻想的な雰囲気に。
その後再び冒頭の不安を感じさせる主題が戻り、最後は悲しみのなかに沈んでいきますが、全体的に穏やかで美しい作品となっています。
4つの即興曲 Op.90 D899 第1番 ハ短調Franz Schubert

オーストリア、ウィーン生まれの作曲家フランツ・シューベルトが1827年に完成させた本作は、深い感情表現と緻密な構成が特徴的。
荘厳でありながら内省的な雰囲気を持ち、重厚な和音の響きと旋律の美しさが際立っています。
シューベルト特有の叙情性が色濃く表れた本作は、古典派とロマン派をつなぐ重要な作品として、今でも多くのピアニストに愛されています。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、心に響く美しいメロディを求める音楽ファンにもオススメの1曲ですよ。
4つの即興曲 Op.90 D899 第2番 変ホ長調Franz Schubert

シューベルトが最晩年に作曲したピアノ独奏曲『4つの即興曲 Op.90』。
第2番は、彼の作品のなかでも特に人気が高く、ピアノ発表会の定番曲としても親しまれています。
軽快で流れるような右手のパッセージと、左手の単調ながらも美しい和音とのコントラストが印象的な本作。
中間部はがらっと雰囲気が変わり力強い舞曲風に、そして最初の軽快なメロディが戻ってきた後、コーダで中間部の舞曲を華やかに奏で、勢いよく幕を閉じます。
弾き手も聴き手も飽きさせないメリハリも魅力的ですね。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(81〜90)
4つの即興曲 Op.90 D899 第3番 変ト長調Franz Schubert

シューベルトが最晩年に作曲したピアノ独奏曲『4つの即興曲 Op.90』。
そのなかの第3番は、とても穏やかな美しい曲です。
亡くなる1年前に書かれたからか、その旋律からは、ふと死を悟ったかのような哀愁も感じられます。
たえまなく続く右手のアルペジオの上に美しいメロディが重なり、穏やかに進んでいく様子は、さらさらと流れる小川のよう。
ウィーンをこよなく愛していたシューベルト。
本曲を聴いていると、どことなくウィーンの森や街を流れるドナウ川が思い浮かぶような気がしませんか?
さすらい人の夜の歌 Ⅱ D768Franz Schubert

600以上の歌曲を遺した歌曲の王、フランツ・シューッベルト。
本作は、ゲーテの詩に基づいた静ひつな歌曲で、山の頂や木々、小鳥たちの静けさを描写し、人生の平安や死後の静寂を象徴する作品とされています。
シューベルトの繊細な音楽によって、詩の持つ内面的な平和を見事に表現されていますよね。
1822年に作曲され、1827年に出版されたこの曲は、その美しさとシンプルさから多くの人々に愛され続けています。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、心を落ち着かせたい方にもオススメの1曲です。
ミサ曲 第6番 変ホ長調 D950 第6曲「アニュスデイ」Franz Schubert

シューベルトは19世紀初頭のウィーンで活躍した作曲家フランツ・シューベルトが、亡くなる年に完成させた『ミサ曲第6番』。
その一部である『アニュスデイ』は、暗い調性から次第に明るさを増す展開が、死に向き合う作曲家の心情を映し出しているかのような雰囲気をたたえています。
神の慈悲を求める祈りの言葉に、シューベルト独自の美しい旋律が重なり、深い精神性と音楽的な美しさが際立た本作は、クラシック音楽に親しみのある方はもちろん、心に響く音楽をお探しの方にもオススメの1曲です。
交響曲 第2番 変ロ長調Franz Schubert

1814年から1815年、シューベルトが17歳から18歳の頃に作曲されました。
不安定さもあるものの、十代でこの楽曲を完成させてしまうという、シューベルトの神童ぶりと、若さならではの煌めきや、未来への希望を感じられる作品です。
交響曲 第3番 ニ長調 D200Franz Schubert

1815年作曲の、ニ長調の交響曲です。
全4楽章構成で、いずれの楽章も長調で書かれています。
まだ初期の交響曲なので、ハイドンを思わせるところも少なくありませんが、それでもシューベルトの個性も表れ始めており、第2楽章のアレグレットでは、14世紀のドイツ民謡である「マリアの子守歌」が主題にされていると言われています。
夕映えの中で D799Franz Schubert

オーストリアが誇る音楽家フランツ・シューベルトが残した、珠玉の歌曲作品の一つです。
夕映えを通じて神の創造の美しさを讃える、静謐な雰囲気の楽曲。
変イ長調の優美なメロディーと、ピアノの分散和音による伴奏が、聴く人の心に深い感動を与えます。
1824年または1825年に作曲されたこの曲は、詩人カール・ラッペの言葉に命を吹き込み、夕暮れの光景を通して人生の儚さや内面的な平安を探求しています。
自然の美しさに心を動かされる方や、静かな時間の中で人生を見つめ直したい方におすすめの一曲です。
白鳥の歌 D957/965aFranz Schubert

シューベルトの死後に出版社や友人達が遺作の歌曲14曲をまとめた歌曲集です。
つまり、シューベルト自身が歌曲集として編んだわけではなく、14曲にまとまりがあるわけではありません。
第7曲目までがレルシュタープの詩、第8〜13曲目がハイネの詩、第14曲目がザイドルの詩に作曲されています。
特に第4曲目のセレナーデが有名で、色々な楽器用に編曲もされ、よく演奏されています。
歌唱はヘルマン・プライ、ピアノはジェラルド・ムーアです。
糸をつむぐグレートヒェン D118Franz Schubert

1814年、シューベルト17歳の時に作曲された歌曲です。
ゲーテの『ファウスト第一部』に曲を付けたものです。
シューベルトにとって初めてのゲーテ歌曲であるとともに、この曲をもってドイツ語で書かれた歌曲、ドイツ・リート誕生の瞬間とみなす解説もあります。
この詩には他にも、ワーグナー、シュポーア、ヴェルディなど、多くの作曲家が曲を付けています。
陰謀者 D787-序曲Franz Schubert

1823年作曲のオペラです。
最初のタイトル「陰謀者」では検閲にとおらず、「家庭戦争(謀反人)」との題に変更されました。
原作は、紀元前411年に書かれた、喜劇作家アリストパネースの「リューシストラテー(女の平和)」をもとに、フランツ・カステリが書いた喜劇をオペラ化したもので、戦争に反対する女性たちの、セックス・ストによる反戦運動が題材となっています。
反戦とありますが、とても明るい喜劇です。
即興曲Op.90-3Franz Schubert

優美な旋律が特徴的な、フランツ・シューベルトの『即興曲Op.90-3』。
穏やかな流れの中で、抑揚をつけて情感豊かに演奏できるため、発表会の舞台でも聴き映えすること間違いなしの1曲です。
心地よいテンポの中で常に動き続ける左手の伴奏を正確にコントロールしながら、フレーズのつなぎやダイナミクスを意識して弾ければ、ワンランク上の演奏に!
中級からさらにステップアップしていきたいにとって必要な要素が詰まっている曲ですので、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(91〜100)
4つの即興曲作品90Franz Schubert

ベートーベンが作曲技法の形式の整備をおこなった後に、ロマン派の時代が訪れます。
ロマン派初期の作曲家・シューベルトをロマン派の幕開けだという人もいます。
形式以上に、個人の感情を重んじた曲として、即興曲をあげることができます。
シューベルトメドレーFranz Schubert

その自由な転調や表題音楽の要素を取り入れた音楽性から歌曲の王と呼ばれるフランツ・シューベルトが残した名曲たちをまとめたメドレーです。
その伸びやかで自由な音楽が魅力的で、今でも世界的に愛されている作曲家です。
30の易しいメヌエットとトリオ 第8番Franz Schubert

『30の易しいメヌエットとトリオ』という題名なのですが、実は10曲が紛失しているため実際には『20の易しいメヌエットとトリオ』となってしまっている舞曲集で、シューベルトが10代の頃に作曲した作品です。
本稿で取り上げている第8番はトリオを挟んだメヌエットで曲の長さは2分に満たない程度、高度な技術がなくとも十分弾きこなせるはず。
スタッカートは歯切れがよく、スラーをなめらかに弾くことや意識して、表情を変えるトリオ部分とのコントラストなどを意識すれば表情もつけやすいのではないでしょうか。
3つのエコセーズ D.816Franz Schubert

18世紀末から19世紀初めにかけてフランスやイングランドで流行した、スコットランドのフォークダンス「エコセーズ」のリズムを用いて作曲された『3つのエコセーズ D.816』。
2拍子の軽快なリズムと明るい曲調で、弾いたり聴いたりしているだけで元気をもらえる作品です。
快活さを表現するためには、左手と右手の縦のタイミングをしっかり合わせて、リズムを正確に再現することが大切。
鍵盤の底までしっかり打鍵して、パリッとした音で演奏してみてくださいね!
4つの即興曲 D935 Op.142 第2番Franz Schubert

シューベルトのピアノ曲と言えば、こちらの『4つの即興曲 D935 Op.142』を思い浮かべる方も多いのではないのでしょうか。
ジャズのようにむしろ即興こそが本質的な音楽と比べて、クラシック音楽は譜面通りに弾くというイメージがありますし知らない方にとっては意外だと感じられるかもしれませんね。
タイトル通り型にとらわれない、晩年のシューベルトの自由な発想で作曲されましたが、実質的な「ピアノソナタ」と見なされて現代では4曲を1つの作品として演奏されるケースが多いそうです。
技術的な面で言えば中級の上、もしくは上級のレベルの技術が必要とされる中で、唯一「第2番」は他の3作品と比べると難易度が低めで、とにかくシューベルトの即興曲を弾いてみたいという方であれば、まずはこちらから挑戦してみるのがいいかもしれません。
メヌエット風の楽曲で4分の3拍子のリズムをしっかりと感じつつ、中間部の軽やかな三連符のアルペジオも優美に弾きこなせるように繰り返し練習してみましょう!
4つの即興曲 Op.90-3Franz Schubert

澄み渡る音色と繊細な表現が心を打つシューベルトの名作。
1827年に作曲された『4つの即興曲 Op.90』の第3番は、シューベルトの円熟期の作品として知られています。
長い旋律が途切れることなく流れ、祈りのような静寂さを感じられます。
ピアノ1台で奏でられる音色の中に、シューベルトの豊かな感性と深い情感が込められています。
心洗われるような美しい旋律は、日々の喧騒から離れ、穏やかな時間を過ごしたい方におすすめ。
秋の夜長に、ゆったりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
8つのレントラー D.378Franz Schubert

友人たちの前で即興的にシューベルトが弾いたワルツや舞曲は、作品自体も短めにまとめられておりワルツのリズムさえ身についていれば初級者であっても挑戦しやすいですい、とりあえずシューベルトの世界に触れてみたいという方であれば特におすすめしたいですね。
こちらの『8つのレントラー D.378』は、3/4拍子で構成される南ドイツの民族舞踊の「レントラー」という名前のように軽やかで、まさに舞踏するような旋律が特徴的な1816年に作曲された作品です。
文字通り舞踏する右手のアルペジオが最も重要な要素ですし、繰り返しの部分も単調にならずに強弱をうまくつけて社交界の華やかな雰囲気を作り上げてみてください!
「アルバムの綴り」 D.844 ト長調Franz Schubert

シューベルトは気の置けない友人たちの前でピアノを演奏して、その中からさまざまな舞曲などが生まれたという話は今回の記事でも何度か説明していますが、そういった集まりは「シューベルティアーデ」と呼ばれていたそうです。
こちらの『「アルバムの綴り」D.844 ト長調』は「シューベルティアーデ」時期の最後の方、シューベルトの作品が世間に認められた頃の1825年頃に作曲された作品。
1分半にも満たない短い曲なのですが、静謐な雰囲気で軽やかなアルペジオも登場しませんし、地味に感じるかもしれません。
しかし、こういう曲の雰囲気を引き出せればピアニストの表現力も向上すると言えましょう。
『12のワルツ、17のレントラーと9つのエコセーズ D145 Op.18』より「ワルツ 第6番」Franz Schubert

フランツ・シューベルトの作品の中でも、ピアノ初級者が挑戦しやすい作品とされている『12のワルツ、17のレントラーと9つのエコセーズ D145 Op.18より ワルツ第6番』。
終始ゆったりとしたワルツのリズムのまま、短調と長調が交互に変化しつつ、再び穏やかな長調に落ち着きます。
左手の伴奏が跳躍しているため、ペダルを上手に使ってなめらかに仕上げることが大切です!
「ペダル使いにまだ慣れてない」という方は、左手とペダルで練習してから、右手のメロディーを加えてみてくださいね!
『34の感傷的なワルツ D 779 Op.50』より13番Franz Schubert

弾きやすく親しみやすい34曲のワルツで構成された『34の感傷的なワルツ D 779 Op.50』。
13番は、明るさと華やかさ、穏やかさを兼ね備えた、弾いていて心地よさをおぼえる作品です。
3拍子の型にしっかりはめるのではなく、音の起伏に合わせてテンポを揺らして表現を工夫することで、ワンランク上の演奏に仕上がります。
美しいメロディーラインがしっかり響くよう、左右のバランスをしっかりとりながら、ペダルを効果的に使って演奏しましょう。