【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽
「魔王」「アヴェ・マリア」をはじめ600を超える歌曲を遺したことから、「歌曲の王」と称されるオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト。
シューベルトは、代表作とされる多くの歌曲はもちろん、ピアノ独奏曲や交響曲、室内楽曲などを幅広く手掛けたことでも知られています。
本記事では、そんなシューベルトの作品のなかでも特に人気の高い楽曲や、コアなクラシックファンらが好む隠れた名曲を厳選!
生涯にわたって作曲活動を続けた音楽家の魂がこもった、珠玉の作品をご紹介します。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(21〜30)
3つのピアノ曲Franz Schubert

オーストリアの作曲家で歌曲王と称されるフランツ・シューベルトは晩年複数のピアノ曲を作曲していますが、古典的な作風からロマンがある情緒的楽曲も多くなり、後生の作曲家に影響を与えていきました。
このピアノ曲は1828年作曲のピアノ独奏曲集ですがすぐに発表されることはなく、忘れ去られてもいました。
シューベルトのピアノ・ソナタに影響を受けていたドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスが高く評価し、ブラームスによって匿名で編集し1868年に出版されました。
第1曲目は変ホ短調という珍しい調性の激しいタランテラです。
第3曲目はシンコペーションが特徴的で躍動的な曲です。
なお、現代に知られている「3つのピアノ曲」という題名を付けたのもブラームスです。
3つの軍隊行進曲 Op.51 D733 第1番 ニ長調Franz Schubert

1818年に歌曲王とも称されるフランツ・シューベルト21歳の時に作曲された曲集です。
シューベルトが、伯爵家の娘の教師をしていた頃に作曲されました。
この楽曲は現代までに、管弦楽編曲版や吹奏楽編曲版、ピアノ独奏版などでよく演奏されていますが、もともとはピアノ連弾のための曲でした。
ハドソンの人気ゲームソフト「チャレンジャー」のBGMとしても有名な楽曲で、イントロを一度聴いたら忘れられません。
レトロゲームファンにもおなじみの楽曲です。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(31〜40)
ピアノソナタ 第20番 イ長調 D959Franz Schubert

18番、19番に続き、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトのピアノ・ソナタの中では人気が高い楽曲の一つです。
シューベルトは31歳の短い生涯で、死のわずか2ヶ月前、シューベルトが体調をくずしながらも一気に書き上げた3つのピアノ・ソナタの2作目にあたる1828年に作曲されたピアノ独奏曲です。
イ長調で書かれていて、歌うような明るさが感じられる曲です。
第2楽章だけが短調で書かれています。
しかも、嬰(えい)ヘ短調で、簡素で寂しい趣で始まる曲です。
ただ、途中からは激しい広音域に及ぶ展開があり、コントラストをなしています。
美しいピアノ・ソナタですが、死期を意識しているかのような激しい箇所が随所に現れており、それが良いバランスとなって現在もピアニストが好む良きレパートリーとなっています。
最後まで聞いてほしいシューベルトのピアノ・ソナタです。
ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.114 D667「ます」Franz Schubert

「鱒」という副題が付いています。
第4楽章がシューベルトの歌曲「鱒」を主題とする変奏曲となっていることに由来します。
通常のピアノ五重奏の編成はピアノとバイオリン2、ビオラ、チェロのところ、シューベルトの場合は異なり、バイオリン(1)、ビオラ、チェロ、コントラバスとなっています。
全5楽章とも長調で書かれています。
幻想曲 ハ長調 Op.15 D760「さすらい人」Franz Schubert

1822年に作曲、翌年の1823年に出版された作品です。
一般的には『さすらい人幻想曲』『さすらい人』の名前で親しまれています。
明るく穏やかなメロディの多いシューベルト作品のなかでは異例の、かなり激しい部分と高度な技術を要求する作品となっています。
シューベルト本人ですら弾きこなせず、「こんな曲は悪魔にでも弾かせろ」と叫んだというエピソードもあるほどです。
弦楽五重奏曲 ハ長調 D956Franz Schubert

珍しい楽器編成で書かれたフランツ・シューベルトの名曲です。
弦楽アンサンブルはヴァイオリン2名とヴィオラ、チェロの編成が多いのですが、この曲ではチェロが2、ビオラは1となっています。
標準的なモーツァルトやブラームスの場合のビオラ2、チェロ1とは違い、低音域が分厚い編成です。
第2楽章も長調で書かれていますが、平穏な曲調から、例えば有名な指揮者カール・ベームの葬儀の時に演奏されています。
ピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインも、自らの葬儀の時にこの第2楽章の演奏を希望していたと言います。
音楽に寄せて Op.88-4 D547Franz Schubert

1817年作曲の、ピアノ伴奏による歌曲です。
友人のリッター・フォン・ショーバーの詩に曲を付けたものです。
ニ長調、2分の2拍子で、平明に書かれた音楽ですが、歌唱とピアノが対話するように聴こえる効果が施されており、シューベルトの音楽への愛と感謝をそのまま表した傑作とされています。