【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽
「魔王」「アヴェ・マリア」をはじめ600を超える歌曲を遺したことから、「歌曲の王」と称されるオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト。
シューベルトは、代表作とされる多くの歌曲はもちろん、ピアノ独奏曲や交響曲、室内楽曲などを幅広く手掛けたことでも知られています。
本記事では、そんなシューベルトの作品のなかでも特に人気の高い楽曲や、コアなクラシックファンらが好む隠れた名曲を厳選!
生涯にわたって作曲活動を続けた音楽家の魂がこもった、珠玉の作品をご紹介します。
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【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(101〜110)
『白鳥の歌』第4曲「セレナーデ」Franz Schubert

「歌曲の王」とも称されるシューベルトは、現在も愛され続けている『野ばら』や『魔王』といった歴史的な名作を多く世に送り出したことでも知られています。
シューベルトの歌曲をピアノ独奏用に編曲した楽譜も多く、発表会などで実際に披露したことがあるという方も多いでしょう。
本稿ではシューベルトの遺作を亡くなった後でまとめた歌曲集『白鳥の歌』の中から、特に有名な『セレナーデ』を紹介します。
あまりにも切なく美しいメロディが頭に入っているだけでも取っ掛かりやすいですし、左手はベース部分を堅実にこなしつつ基本的な4分の3拍子のリズムをしっかりと身に付けることがポイントです。
初級の上、中級者に手が届きそうといったレベルの方であれば十分こなせる内容ですから、ぜひ揺れ動く感情を全身で表現してほしいですね。
アルペジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D821Franz Schubert

フランツ・シューベルトが1824年にウィーンで作曲した室内楽曲『アルペジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D821』。
アルペジョーネは、1823年から1824年の間に発明された6弦の弦楽器で、シューベルトが亡くなる頃には楽器自体が廃れていたため、本作品は今日に至るまでチェロやビオラ、ギターなどで演奏され親しまれてきました。
アルペジョーネは弓を使って演奏する楽器だったため、ギターでの演奏はシューベルトが意図したものとは異なるかもしれません。
しかし、この曲が持つもの悲しい雰囲気は、ギターの素朴な音色と相性抜群です。
アンダンテ ハ長調 D29Franz Schubert

『アンダンテ ハ長調 D29』は1812年、シューベルトがまだ15歳前後という若さで作曲された作品です。
わざわざ楽譜に「1812年9月9日」と書かれていたそうで、いつの日に書かれたのかが作者本人の手で明確に示されているという初期のシューベルトの作品では珍しい楽曲でもあるのですね。
ピアノの基本的な技術が身についていればそれほど問題なく弾きこなせるはずですが、臨時記号がやや多く初心者の方にはやや戸惑う面もあるかもしれません。
主題となるメロディが繰り返されていることもあって、一度覚えてしまえばスムーズに弾けますから繰り返し練習してみましょう。
エレンの歌 第3番Franz Schubert

『エレンの歌 第3番』は、フランツ・シューベルトが1825年に作曲した名曲中の名曲で、「シューベルトのアヴェ・マリア」と呼ばれる作品。
美しいメロディが多くの人の心を捉える名曲として、長年親しまれています。
ディズニーの名作映画『ファンタジア』で使用されたほか、あらゆる場面で耳にする曲。
合唱曲としても人気が高いので、ぜひ心を込めて歌ってみてくださいね。
シューベルトの子守唄Franz Schubert

シューベルトの子守唄は、シューベルトが15歳のときに亡くなった母への思いを込めて作曲したとされている、母への愛と感謝にあふれた世界的に有名な作品です。
母から子への愛、そして子から母へ感謝とともに贈られた双方向の愛の歌ですね。
シューベルトの子守歌Franz Schubert

世界でもっとも有名な子守歌といっても過言ではない、フランツ・シューベルト作曲の『シューベルトの子守歌』。
穏やかで心地よいメロディーが眠気を誘う、とてもシンプルで美しい作品です。
「母の手の中でお眠りなさい」と語りかける歌詞とピッタリ合う、やさしく素朴な歌詞が印象的ですよね。
子守歌を演奏するときは、とにかく音の美しさが大切!
ピアノで弾く際も、丸みのある音でやさしく弾くことに意識を向け、心を落ち着かせて演奏しましょう。
スケルツォ 変ロ長調 D.593Franz Schubert

シューベルトが軽やかなワルツのリズムが心地良い『2つのスケルツォ』を作曲したのは1817年のこと。
彼の人生の中では、創作という意味ではそれほど特筆すべき年ではないとされており、本作も出版されたのはシューベルトが亡くなってからずっと後の1871年なのですね。
本稿で紹介しているのは第1曲で、踊るような右手のアルペジオが特徴的ながら高度な演奏技術を要求されるわけではなく、ある程度ピアノに慣れてきた初心者の方であっても十分弾いていただける楽曲と言えるでしょう。
セレナードFranz Schubert

シューベルトのセレナードと呼ばれ、歌曲集「白鳥の歌」の4曲目で、セレナーデは恋人の窓の下から愛を訴えるという意味からこの曲も忠実に恋人へ愛を訴える曲なんですが、日本人男性はそんなキザなことはできませんよね!
曲の雰囲気はやっぱりラブシーンかな?
ピアノ5重奏曲「ます」第4楽章Franz Schubert

1819年の夏、オーストリア北部を訪ねたとき、一人のアマチュアの音楽家に1817年に作った歌曲「ます」をもとに五重奏曲を作曲してほしいと頼まれて、すぐに構想を練り、その年のうちに五重奏曲「ます」を完成させました。
小川に遊ぶマスが、釣り人に釣り上げられる様子をドラマチックに表した作品です。
ピアノソナタ 第16番 イ短調 Op.42 D845 第1楽章Franz Schubert

ロマン派音楽の巨匠、フランツ・シューベルトが生前に出版した数少ないソナタの一つとして知られるピアノ曲。
不安定なハーモニーと大胆な転調が特徴で、シューベルト特有の「変容する悲しみ」を表現しています。
陰鬱で感情豊かな旋律が印象的な第1楽章は、ソナタ形式で構成され、イ短調の力強くも哀感に満ちたテーマが展開されます。
「問いと答え」の形式で、音楽的な対話を創り出している冒頭の主題も印象的。
複雑な感情表現と緊張感が魅力の本作は、ピアノの技術を磨きたい方にピッタリの1曲です。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(111〜120)
ピアノ・ソナタ第18番「幻想」Franz Schubert

シューベルト作曲『ピアノ・ソナタ第18番「幻想」』。
おだやかな夢をみているよう。
優しく寄り添ってくれる素敵な曲です。
ピアノの音色がとても心地よく、夜に聴くといい夢がみられそうですよ。
ストレスがたまった時にもオススメです。
心地よい眠りに運んでくれるでしょう。
ピアノ・ソナタ第20番第4楽章Franz Schubert

「ウイングス」はマサチューセッツ州ナンタケットの空港を舞台に、ジョー・ハケットとブライアン・ハケットの兄弟を描いたシチュエーション・コメディーです。
シューベルトのピアノ・ソナタ第20番第4楽章がテーマ曲として使われました。
メヌエット イ長調 D334Franz Schubert

こちらの『メヌエット イ長調 D334』は1815年前後、シューベルトが10代で作曲した題名通りのメヌエットです。
メヌエットらしく穏やかに進行していくタイプの作品ですが、中盤以降のトリオから左手の和音の連打が繰り返され、その辺りは初心者にはつまずきやすいパートかもしれません。
とはいえ3/4拍子が身についていればそれほど恐れるほどのものではありませんし、左手に力を入れ過ぎず右手のスラーをなめらかに弾くことを意識しながら美しい旋律を表現、最後まで優美に弾きこなせるように頑張りましょう!
ワルツ 変イ長調 D. 978Franz Schubert

シューベルトはピアノ独奏によるワルツの作品も多く残しており、親しい友人たちの前で即興的に弾いたものの中で本人が気に入ったものを楽譜に清書、後にさまざまな作品集の中に収められたという経緯があるそうです。
友人たちのために自然発生的に生まれたという背景も関係しているのか、シューベルトのピアノ独奏によるワルツ作品は親しみやすく曲も短めで、繰り返しのパートも多いことから高度な演奏技術が求められることはあまりなく、挑戦しやすい作品が多いのですよね。
本稿で取り上げている『ワルツ 変イ長調 D. 978』は作曲された年は不明のようですが、1分程度の短さでなごやかな社交界の雰囲気が目に浮かぶような軽やかなピアノ舞曲です。
初級の上くらいのレベルであれば十分弾きこなせるが、シンプルがゆえに単調になりがちですから、1分間の中で繰り返しのフレーズであってもきっちり表情をつけることを意識してみてくださいね。
即興曲 Op.90-2Franz Schubert

シューベルトは31年という短い生涯の中で膨大な作品を残した作曲家として知られていますね。
1827年に作曲された4つの即興曲のセットの一部である本作は、シューベルトの代表的なピアノ曲の一つとされています。
急速な下降スケールとアルペジオに基づいたパッセージが特徴的で、リリカルな美しさと複雑な構造、表現の深さで高く評価されているんですよ。
ある程度ピアノに慣れてきた方であっても十分弾いていただける楽曲と言えるでしょう。
本作を発表会で立派に披露した暁には、ピアノ技術の成長を実感できるのではないでしょうか。
即興曲変ト長調Op.90-3Franz Schubert

古典派音楽の次に来たのが、ロマン派音楽でした。
ロマン派音楽はそれまでの公理を追及するような音楽的姿勢から離れ、人間の感情や感覚を優先する所に特徴があり、つまり書法に厳格さを求めません。
シューベルトの書いたいくつかの即興曲は、まさに人間が主体です。
4つの即興曲 D.935, op.142Franz Schubert

『ピアノ協奏曲 イ短調 作品54』は、シューマン作曲です。
激しいなかにもおだやかさがある曲です。
シューマンらしい、気品ある旋律に心を奪われてしまいそうな、素晴らしい協奏曲です。
チャイコフスキーや、有名なピアノ協奏曲とはまたひと味違う作品になっています。
聴き比べてみるのも楽しいと思いますよ。
ぜひ聴いてみてくださいね。
幻想曲 ハ長調 作品15 D 760「さすらい人幻想曲」Franz Schubert

フランツ・シューベルトの『幻想曲 ハ長調 作品15 D760』は、4楽章構成の高度なピアノ曲です。
シューベルト本人も上手く弾けず「こんな曲は悪魔にでも弾かせてしまえ」と言ったという逸話もあるそうで、とくに第4楽章の左手のアルペジオが演奏者を悩ませます。
しかし技巧だけでなく、深い音楽性も求められる作品。
シューベルトの情熱と技術が見事に融合した本作は、ピアノ演奏の真髄を体感したい方にもぴったりです。
フランツ・リストによる編曲版も存在するので、聴き比べてみるのもオススメです。
幻想曲 ハ長調 Op.15 D760「さすらい人幻想曲」Franz Schubert

ロマン派を代表する作曲家、フランツ・シューベルトが手掛けた作品。
1822年に作曲されたこの曲は、シューベルト自身の歌曲『さすらい人』の旋律を基にしています。
全4楽章で構成され、切れ目なく演奏される点が特徴的。
第2楽章では『さすらい人』の旋律が明確に引用されており、孤独や漂流感といったテーマが色濃く反映されています。
技巧的に極めて難易度が高く、シューベルト自身も「こんな曲は悪魔にでも弾かせてしまえ」と困難を感じたそう。
発表会の舞台でも聴き映えすること間違いなしの1曲です。
ピアノ経験を重ねてきた方にぜひチャレンジしてほしい名曲ですね。
鱒Franz Schubert

フィッシャー・ディースカウ、ジェラルド・ムーアによる名歌曲集に収録されています。
交響曲からピアノ曲にわたり幅広く作曲しましたが、特にドイツ・リートでは突出し、その質と量の高さから「ドイツ歌曲の王」と呼ばれています。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(121〜130)
シューベルトのこもりうた(ピアノひけるよ!ジュニア3 より)Franz Schubert

誰もが一度は耳にしたことのある有名な作品がそのまま練習曲として収録されている『しってるきょくでどんどんひける ピアノひけるよ!ジュニア』。
全3巻の中には、フランツ・シューベルトの『こもりうた』や、ぶんぶんぶん、メリーさんの羊などの名曲が詰まっています。
メインテキストの他に、ワークブックやレパートリー集、テクニック教材なども出版されているので、シリーズ使いしやすいのもポイントです。
知っている曲で楽しくピアノを弾けるようになりたいお子さんにピッタリのテキストです!
即興曲 変ホ長調 Op.90-2Franz Schubert

シューベルトが晩年に残した『4つの即興曲 Op.90』。
第2曲目のOp.90-2は、この中でも特にピアノ発表会やコンクールで取り上げられる機会の多い作品です。
波のように上下する三連符の右手は、まるでツェルニーのような練習曲のよう!
正確な指のコントロールや腕の脱力など、基礎的な技術が求められます。
音楽的にも美しい作品ですが、ピアノを弾いていくうえで身に付けておくべき要素が詰まっている曲なので、これからステップアップして上級の難曲にも挑戦していきたいという方は、その過程でぜひチャレンジしてみてくださいね!
SerenadeFranz Schubert

『セレナーデ』として知られているこちらの名曲は、オーストリアが生んだ天才作曲家、フランツ・シューベルトによる有名な作品です。
3人の詩人による14の歌曲から構成される、シューベルトの遺作をまとめた『白鳥の歌』の第4曲目にあたる楽曲であり、シューベルトの作品の中でも特に有名なものの1つですよね。
恋人への切実な思いが描かれる歌詞は実に情熱的かつロマンチックで、その歌詞に見合った美しい旋律は一度くらいは耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ハンガリー出身の著名な作曲家、フランツ・リストがこの楽曲をピアノ独奏用に編曲したバージョンもあり、こちらも現代にいたるまで親しまれています。
社交ダンス向けのオムニバスCDなどにもよく選ばれる楽曲ですし、クラシック音楽特有の優美な旋律と合わせて踊りたい、という方もぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
軍隊行進曲Franz Schubert

1818年にシューベルトがピアノ連弾のために作曲した曲ですが、オーケストラによって演奏される方がどちらかといえば有名かもしれません。
3部形式で書かれていて、ファンファーレのような音形をともなった勇壮なテーマ部分が印象的な曲です。
シューベルトが作った曲の中ではかなり明るくノリノリな曲と言えるのではないでしょうか。
交響曲第七番「未完成」Franz Schubert

「歌曲の王」と呼ばれたシューベルトの未完成交響曲。
成立しているスコアが第一、第二楽章までしか存在しておらず、未完成と言われている。
なぜ未完成のままなのか、というところでさまざまな憶測があるが、総合してより高い完成度を目指した上での未完成であると見られている。
Wiegenlied シューベルトの子守歌Franz Schubert

元はドイツ語の歌詞ですが、日本では日本語の歌詞で歌われています。
タイトルだけではピンとこないかもしれませんが、歌詞を見ればすぐにわかりますよ。
昔から現在まで、きっと多くの赤ちゃんがゆりかごの中で聴いている子守唄です。
未完成交響曲Franz Schubert

1822年に作曲されたシューベルトの代表作です。
第1楽章と第2楽章まで完成していて、その形で演奏されます。
シューベルトは第3楽章を書きかけのところで作曲をやめてしまっているのですが、実はシューベルトは多くの作品でそのような途中放棄をしていることで知られています。
演奏は、レナード・バーンスタイン指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団です。
ますFranz Schubert

ピアノから音符がポンポン飛び出しそう、そんなイメージが思い浮かぶ曲。
優雅できれいな旋律が耳にやさしいです。
ところどころアップダウンがあるのも、一定のテンポからとっても上品に聴こえます。
想像力が豊かな人が聴くと、昔のヨーロッパの貴族の社交界が浮かぶかも。
きれいに着飾った女性が優雅にワルツを踊っている、そんな感じです。
即興曲 第3番 Op.90-3Franz Schubert

フランツ・シューベルトの名作『即興曲 第3番 Op.90-3』。
アンダンテ、変ト長調、4/2拍子の作品なのですが、これらを見ても分かるようにやや変則的な曲調で知られています。
そんな本作の魅力はなんといっても6連符の織り成す非常に息の長い豊かな旋律ではないでしょうか。
派手派手しさはないものの、引き込まれるような魅力を持っています。
本作は無言歌とも言える作品なので、ぜひあなたの思いをメロディに乗せながら聴いてみてください。
即興曲第3番Franz Schubert

1827年にシューベルトが作曲したピアノの独奏曲で4つの協奏曲から構成されています。
シューベルトの他の曲よりも易しく演奏しやすい曲が多いため学習教材として扱われることが多いです。
この第三曲は非常に落ち着いた曲調です。
落ち着いた曲調のなかにシューベルトの持ち味であるどうしようもない人間世界の不条理や「孤独の美」の描写がよく表現されています。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(131〜140)
幻想曲 ヘ短調Franz Schubert

心のきん線にふれる情緒的な曲。
まるで星が散らばった夜空を思わせ、その世界でたゆたうよう。
幻想曲らしく、現実には見えない世界を感じさせちょっと不思議な気分にもなります。
中盤は悲しみに満ちていき、聴き入ります。
ちょっと現実をはなれて想像の世界にひたりたい時にぴったり。
あなたを不思議の空間へつれていってくれることでしょう。
交響曲 第8番ハ長調Franz Schubert

1825〜26年に作曲された、全4楽章の交響曲です。
シューベルトの場合、未完で終わっている作品も多く、それを数えるかどうかでこの作品も第9番とされることがあります。
「ザ・グレート」と呼びならわされていますが、それは、同じハ長調である交響曲第6番に比べて規模が大きいことによります。
ホルン2本のユニゾンだけという静かな始まり方ですが、全体として雄大なスケールの大きい曲です。
演奏は、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮のウィーン・フィルです。
アルペジオーネ・ソナタ イ短調 D821Franz Schubert

1824年に作曲され、シューベルトの死後、1871年に出版されました。
アルペジオーネとは、ギターとチェロ両方の特徴を持った「ギター・チェロ」とも呼ばれる6弦の弦楽器です。
この楽器はこの楽曲が出版された頃には既に忘れられた存在になっていたそう。
現在アルペジオーネは、復元されてはいますが、チェロやビオラ等で代用されることが通例となっています。
多くのマイナスファクターを持ちながらも消え去ることなく、現在でも演奏されている不思議な魅力あふれる楽曲です。
交響曲 第7番「未完成交響曲」Franz Schubert

1822年シューベルト25歳の頃に作曲された作品です。
死後数年が経過したのち楽譜が発見され、1865年に初演されました。
この楽曲は、シューベルトが音楽協会から名誉会員に推薦されたことへの返礼作品として作曲したものです。
完成された楽譜が第2楽章までしかないため『未完成交響曲』と呼ばれています。
なぜ未完成のまま終わってしまったのか、多くの人がさまざまな憶測をしています。
冬の旅 Op.89 D911 第1曲「おやすみ」Franz Schubert

1827年作曲の、ピアノ伴奏による声楽のための連作歌曲集です。
ドイツの詩人、ヴィルヘルム・ミュラーの詩に作曲しており、第1部、第2部あわせて全24曲あります。
第5曲「菩提樹」は特に有名です。
また、序曲と言える第1曲「おやすみ」は、当時既に健康を害して生活も苦しく、死を意識するようになっていたシューベルトの心境を反映した曲調の作品といえます。
子守歌 Op.98-2 D498Franz Schubert

1816年、シューベルト19歳の時に作曲され、1829年に出版された子守歌です。
一般的に『シューベルトの子守唄』の通称で知られています。
シューベルトが15歳の時に亡くなった母親、マリアへの思いがこめられているとされている名曲です。
作詞者は不明ですが、一説には、シューベルトの『死と乙女』の詩の作者、マティアス・クラウディウスの作ともいわれています。
幻想曲 Op.103 D940Franz Schubert

ピアノ連弾用の幻想曲です。
最晩年の1828年に作曲されています。
哀愁に満ちたヘ短調です。
単一楽章構成ですが、4部に分けることもでき、第2部のラルゴは嬰ヘ短調、第3部のアレグロ・ヴィヴァーチェも嬰ヘ短調、第4部のテンポ・プリモはヘ短調となっています。
つまり、全て短調で構成されていて、深みを感じさせる曲となっています。
美しき水車小屋の娘 Op.25 D795 第1曲「さすらい」Franz Schubert

「歌曲の王」と称されるフランツ・シューベルトの代表作『美しき水車小屋の娘』。
その第1曲は、若い水車職人の冒険心と喜びを表現した作品です。
1823年に作曲されたこの歌曲集は、ロマン派音楽を代表する名作として知られています。
軽快なト長調で書かれた本作は、リズミカルなピアノ伴奏が水車の回転や流れる水を表現し、若者の純粋さとエネルギーを巧みに描き出しています。
シューベルトの繊細な調和感とメロディの美しさを堪能したい方にオススメの1曲です。
歌曲集「白鳥の歌」第4曲「セレナーデ」Franz Schubert

フランツ・シューベルトが残したドイツリートの歌曲集『白鳥の歌』。
第4曲の『セレナーデ』は、曲集の中でも最も有名な作品で、フルートやピアノの独奏曲としてもたびたび取り上げられています。
マンドリンのようなピアノ伴奏にフルートが加わればより優雅で上品な雰囲気に、すべての音をピアノでカバーすれば伴奏と一体感のある豊かな響きに仕上がります。
歌詞のない楽器での演奏でどれだけ原曲の持つ切なさを表現できるか、ぜひチャレンジしてみてください!
さすらい人幻想曲 ハ長調 D760Franz Schubert

1822年に出版されたピアノ独奏曲です。
全4楽章からなる曲ですが、続けて演奏されます。
自由形式のソナタとも言える作品です。
「さすらい人」という俗称は、第2楽章の変奏曲のモチーフが自作の歌曲「さすらい人」からとられていることによります。
超絶技巧を要する作品です。
演奏は、1971年モスクワ生まれのイスラエルのピアニスト、エフゲニー・キーシンです。
【フランツ・シューベルトの名曲】歌曲王が遺した珠玉のクラシック作品。おすすめのクラシック音楽(141〜150)
アヴェ・マリアFranz Schubert

清らかで美しい旋律ゆえに余りに有名な歌曲ですが、タイトルが「アヴェ・マリア」として一人歩きしているのは誤解に基づくものなのです。
実際は「エレンの歌 第3番」という曲名なのです。
元の歌詞は、ウォルター・スコットの詩「湖上の貴婦人」で、その貴婦人であるエレンが聖母マリアに助けを求めて祈る言葉なのです。
ピアノソナタ 第16番 イ短調 D845Franz Schubert

1825年シューベルト28歳の頃に作曲、1826年に出版されました。
シューベルトのピアノ・ソナタとしてははじめて出版された作品です。
漫画「のだめカンタービレ」で、主人公・のだめがコンクールの課題曲として演奏しています。
当時から人気も高く、シューベルトのソナタ作家としての名を確立した作品ともいえそうです。
おわりに
歌曲王フランツ・シューベルトの名曲をご紹介しました。
シューベルトは短い生涯ですが、「魔王」、「ます」を代表とするような数多くの歌曲を作曲し、また室内楽、交響曲、ピアノ独奏曲など実に1000曲以上も優れた作品を残しています。
特に晩年のピアノ・ソナタは古典的作風からロマンがある作風となっており、シューマンの作品たちはロベルト・シューマンやヨハネス・ブラームス、リヒャルト・シュトラウスなど数多くの後生のクラシック作曲家影響を与えていきました。
現在の音楽家たちも高い評価があるシューマンの音楽をこれからも聴いて愛し続けて頂けたら幸いです。