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美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い

ピアノは、弾き手や表現方法によってさまざまな表情に変化する魅力的な楽器です。

繊細でいてダイナミックな優美さや、言葉には表せないような深みなど、その多彩な音色と豊かな響きは、ピアノ1台でオーケストラに匹敵するほどと言われています。

今回は、そんなピアノの音色を十分に堪能できる作品の中から、「美しさ」にフォーカスした曲を選びました。

ピアノを演奏するのがお好きな方も、鑑賞するのがお好きな方も、繊細な音のひと粒ひと粒を味わいながら、ピアノの魅力に浸っていただけたら幸いです。

もくじ

美しすぎるクラシックピアノの名曲。心洗われる繊細な音色の集い(101〜120)

ノクターン 第4番 変ホ長調 Op.36Gabriel Fauré

重厚かつ美しさも持ち合わせたピアノ曲が好きという方は、こちらの『ノクターン 第4番 変ホ長調 Op.36』がオススメです。

フォーレの代表的な作品の一つで、ハプスブルク帝国の外交官であったメルシー=アルジャントー伯爵にささげられました。

そんな本作の魅力は、なんといっても冒頭の部分。

4度下降する音程が非常に印象的で、鐘の音を連想させます。

難易度としては中級にあたる作品ですが、表現力が鍛えられる作品なので、初心者の方もぜひ取り組んでみてくださいね。

歌曲集「3つの歌」Op.7 第1曲「夢のあとに」Gabriel Fauré

Gabriel Fauré-『Après un rêve』/フォーレ『夢のあとに』
歌曲集「3つの歌」Op.7 第1曲「夢のあとに」Gabriel Fauré

ピアノやチェロ、バイオリン、フルートなど、さまざまな楽器で演奏されているガブリエル・フォーレの歌曲集『3つの歌』の第1曲『夢のあとに』。

夢で美しい女性と幻想的なときを過ごした男性が目覚め、「あの美しい女性を返してくれ」と悲しみに暮れる様子が描かれています。

男性の嘆きが聴こえるような切ないメロディは、ピアノの音色とも相性抜群。

メロディを際立たせながらも、メロディの美しさのみに頼らず、伴奏でも感情の波をしっかり表現できるとよいでしょう。

「展覧会の絵」より「古城」Modest Mussorgsky

アリス=紗良・オット 組曲「展覧会の絵」第2曲 古城
「展覧会の絵」より「古城」Modest Mussorgsky

ムソルグスキーを代表する組曲《展覧会の絵》の中の1曲です。

弦楽器を爪弾くような伴奏に乗ってメランコリックな旋律が奏でられます。

《展覧会の絵》を作曲するきっかけとなった友人の死への哀悼の念が強く感じられます。

ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

Alexander Ullman – Nocturne in F minor Op. 55 No. 1 (second stage)
ノクターン 第15番 ヘ短調 Op.55-1Frederic Chopin

21曲もの美しいノクターンを残したフレデリック・ショパン。

ロマンチックな第2番や、映画『戦場のピアニスト』で話題となった第20番が有名ですが、哀愁漂う曲調の『第15番 ヘ短調 Op.55-1』も非常に美しく、芸術の秋にふさわしい作品の一つです。

やり切れない悲しみや苦しみを感じさせる楽曲ですが、最後の明るい響きのアルペジオで、一気に救われ心が軽くなるような感覚に陥ります。

ぜひ、静かな流れのなかでゆっくり変化していく曲調を楽しみながら聴いてみてください。

愛の挨拶Edward Elgar

エルガー 愛の挨拶/Elgar Salut d’Amour 近藤由貴 Yuki Kondo
愛の挨拶Edward Elgar

エレガントな雰囲気と軽快さを持つ、まさに「愛の挨拶」という曲名にふさわしい作品です。

彼はこの曲を、妻のキャロライン・アリス・ロバーツとの婚約記念に際して作曲しました。

今日でも結婚式をはじめとしたお祝いの席でたびたび演奏されています。

幻想的小品集 Op.3 第1曲 悲歌(エレジー)Sergei Rachmaninov

ラフマニノフ/幻想的小品集より第1番エレジーOp.3-1/演奏:鈴木 弘尚
幻想的小品集 Op.3 第1曲 悲歌(エレジー)Sergei Rachmaninov

セルゲイ・ラフマニノフが1892年に完成させた『幻想的小品集 Op.3』の1曲目に収録された『悲歌(エレジー)』。

曲集の中で最も「幻想的」という表現にふさわしい曲想で、緩やかなテンポで演奏されることが多い作品です。

そのため、テクニック面ではそれほど難易度は高くありませんが、音を並べるだけでは変化の乏しいつまらない演奏になってしまいます。

長く伸ばす音がどの音に向かっているのか、どの声部を響かせてどのように音量のバランスをとるのかなど、細かい部分に意識を向けられると、よりすてきな演奏に仕上がるでしょう。