【男性向け】ミックスボイスの練習曲、参考になる曲
ミックスボイスというワード。
皆さんも一度くらいはお耳にされたことのあるワードでしょう。
この記事にたどり着いた方なら、常日頃から「ミックスボイスを習得したい!!」と強く思われている方も多いかもしれないですね。
実際、僕のところにボイトレのレッスンに来られている生徒さんの中にも「ミックスボイスができるようになりたいです」というご要望をお持ちの方も非常に多いです。
では、ミックスボイスって一体どんなものかというテーマで発声法について説明すると本が一冊書けるほどの内容になってしまうので、ここでは世間の多くの方の認識に倣って「地声とファルセット(裏声)の中間の声」ということにしておきますが、そのミックスボイスを習得すると、地声成分と裏声成分の混ぜ方を微妙にコントロールして成分比をコントロールすることで、さまざまな歌唱表現ができるようになり、また歌える楽曲の幅も広がってきます。
本稿では、そんな現代の楽曲を歌うための必須テクニックとも言えるミックスボイスの習得に役立ちそうな曲を集めてみました。
各曲の紹介記事の中には、ごく簡単にですが『歌うためのアドバイス』的なことも含めているので、それもご参考にされた上でぜひ日頃の歌の練習にお役立てください。
【男性向け】ミックスボイスの練習曲、参考になる曲(71〜80)
Cry BabyOfficial髭男dism

Official髭男dismのデジタル配信限定シングルで、2021年5月7日リリース。
楽曲の中での転調がとても印象的な作りになっていますが、その複雑に展開する楽曲メロディに合わせるように、ボーカルの発声もさまざまに切り替えて歌を表現する必要があります。
この曲で使われているミックスボイスは、いわゆる地声ベースのもので、突き抜けるようなハイトーンを実現しています。
それだけにミックスボイスの練習素材としては、かなり上級者向けのものとなると思われますが、これを習得したときには、きっとあなたもシンガーとして確実にランクアップできると思います。
WHITE BREATHT.M.Revolution

T.M.Revolutionの6枚目のシングルで1997年10月リリース。
この曲はテンポも速く、使用されている最高音もhi Bと非常に高いので、これを歌うにはミックスボイスの習得が必須となるでしょう。
また、ミックスボイスと言ってもR&B系の曲などでよく使われる、ファルセット(裏声)寄りのソフトなミックスボイスではなく、声帯をしっかりと締めて息漏れを少なくした地声寄りのミックスボイスを使う必要があるので、発声の基礎がある程度身についている中上級者向けの練習曲と言えると思います。
しっかりと上体と声を腹筋で支えて、いわゆる「喉声」にならないよう注意しながら練習してくださいね。
鋼の羽根RADWIMPS

RADWIMPSの通算6作目の配信限定シングルで、2021年4月5日リリース。
シンフォニックなアレンジのされた、まさに正統派なバラードと言える楽曲で、その美しい楽曲の中で、野田洋次郎さんのさまざまなハイトーンボイスを巧みに使い分けた歌声がとても活きています。
本稿のテーマである「ミックスボイス」にしても、Aメロ、Bメロなどで使われるソフトなファルセットベースのものから、サビでの朗々とした地声ベースのミックスボイスまで、多彩に使った歌唱表現がなされています。
まさに「ミックボイスの見本市」と言っても過言でない歌唱の披露されている楽曲なので、ミックスボイスの練習にも最適な一曲だと思います。
ご本人の通りにコピーしてみるもよし、歌う人それぞれの表現や発声で歌っても楽しめる一曲ではないでしょうか。
【男性向け】ミックスボイスの練習曲、参考になる曲(81〜90)
ハッピーエンドback number

back numberの16枚目のシングルで2016年11月リリース。
映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』の主題歌に採用されています。
とても美しいロックバラードソングに仕上げられていますね。
ミックスボイスがテーマの本稿で紹介していますが、実はこの楽曲でミックスボイスで歌われている箇所はほとんどありません。
ただ、サビなどの高音箇所を中心に地声とファルセット(歌声)を巧みに切り替え、使い分けして見事に歌唱表現されていますので、この発声の切り替えを習得することで自動的にミックスボイスも使えるようになるのではないかと思って、今回、ここでご紹介させていただきました。
原曲のボーカルパートをよく聴いて、どんな部分でどんな発声が使われているか、よく研究して練習してみてください。
きっと得られるものは大きいと思いますよ。
心音福山雅治

福山雅治さんの12作目のオリジナル・アルバム『AKIRA』の収録楽曲で、アルバム発売に先駆けて先行配信リリースされました。
日本テレビ系水曜ドラマ、『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』主題歌にも採用されています。
この福山さん、個人的にはなんとなく低いチェストボイスにとくに魅力のあるシンガーさんだと思っているのですが、この曲では高次倍音成分を多く含ませたミックスボイスによる、とても優しい歌唱を聴かせてくれています。
歌い出し部分のミックスボイスの使い方は非常に巧みで、高い音への音飛びの幅の多いメロディを決して刺激的な声にならずに見事に表現されていますね。
この曲の最初の8小節ぐらいはミックスボイスの練習素材として最適だと思います。
ぜひ研究して身につけてみてください。
LA・LA・LA LOVE SONG久保田利伸 with NAOMI CANBEL

久保田利伸さんの16作目のシングルで、1996年5月13日リリース。
久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL名義でリリースされています。
1990年代に社会現象的な注目を集めていた月9枠の中でもとくに好評を呼んだ、フジテレビ系テレビドラマ『ロングバケーション』主題歌にも採用されて大ヒットしましたね。
久保田さんと言えば、ジャパニーズR&B界でも屈指の実力派シンガーとして知られていますが、この楽曲でご披露されているミックスボイスも見事と言えるものだと思います。
おそらく声の高次倍音成分を少し抑えめにして柔らかくミックスボイスを出すために、普通なら鼻腔共鳴を使うところを声を軟口蓋に当てて上顎洞共鳴を効果的に使われているものと思われます。
一曲通してよく聴いて、声の高次倍音成分の変化をしっかりと研究することで、ミックスボイスの効果的な使い方の参考曲、練習曲としてとても秀逸な一曲です。
GIFTMr.Children

Mr.Children(以下ミスチル)の通算32作目のシングルで2008年7月リリース。
NHK北京オリンピック・パラリンピック放送テーマソングに採用されているほか、当時、いくつかのCMソングに起用されていました。
ミスチルでボーカルを務める桜井さんといえば、どちらかと言えばパワフルな歌唱が特徴的な印象で、あまりミックスボイスの使い手という印象はないかもしれませんが、この曲のAメロ部分の比較的高音で歌われている箇所やサビの高音箇所などでは、非常に効果的にミックスボイス的な発声が使われていて、その歌唱がこの曲の訴求力を非常に高くしている気がします。
注意深く聴いていないと聞き逃してしまうかもしれないので、原曲をよく聴いて研究してみてください。
ほんの一瞬出てくる柔らかいハイトーンの重要性がお分かりいただけることと思います。
もちろん歌唱を習得することで得られるものはとても大きいですよ!