【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選
クラシック音楽の原点であるバロック時代から愛されてきた楽器「バイオリン」。
ときに優雅に、ときに情熱的な旋律を奏でる表情が豊かなバイオリンの音色は、常に私たちの心を癒やし続けてくれます。
本記事では、独奏楽器として、さらにはオーケストラやアンサンブルでの花形として親しまれているバイオリンの魅力をたっぷりと楽しめるクラシックの名曲をご紹介します。
作曲時の時代背景や作曲家に関する豆知識もあわせてご紹介しますので、クラシック初心者の方もぜひお楽しみください!
【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選(21〜30)
ツィガーヌMaurice Ravel

ドビュッシーと並び近代フランスを代表する作曲家、モーリス・ラヴェル作曲の『ツィガーヌ』は、ラッサンと呼ばれる遅い部分と、フリスカと呼ばれる速い部分から成るチャールダッシュの形式の曲です。
曲の冒頭4分ぐらいはバイオリンのソロだけで演奏され、重音やフラジオレットなどヴァイオリンの技巧が駆使されます。
東洋の雰囲気のある印象的な主題がいろいろな技法を駆使されて変奏され、最後はさらに華麗な雰囲気になり盛り上がって終わります。
バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.77Johannes Brahms

ドイツロマン派の巨匠が力強い旋律を紡ぎ出した名曲。
バイオリンの独奏とオーケストラが織りなす豊かな音楽の風景は、聴く者の心を揺さぶります。
力強く情熱的な第1楽章、抒情的な第2楽章、そして華やかで勇壮な最終楽章と、変化に富んだ構成が魅力です。
1879年1月1日にライプツィヒで初演されたこの曲は、当初は「演奏不可能」と評されましたが、今や多くのバイオリニストに愛されています。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、バイオリンの魅力を存分に味わいたい方にもおすすめの1曲です。
シャコンヌTomaso Antonio Vitali

ヴィターリはバロック時代と呼ばれる17・18世紀に活躍した作曲家。
父のジョバンニ・バティスタ・ヴィターリも有名な音楽家であり、父とともにエステ家の宮廷に仕え、宮廷楽長を務めました。
彼の生前、この曲は世に出ておらず、19世紀のバイオリニストであるフェルディナンド・ダヴィッドが編曲し発表したことによって、広く知られるようになりました。
高い技術力が必要な格好良い曲でありながらも、深くもの悲しく美しさも持つ魅力的な1曲です。
バイオリンソナタ イ長調 FWV 8 第4楽章César Franck

フランクが1886年に作曲したヴァイオリン・ソナタの第4楽章。
始まりの自然で滑らかに流れるきれいなメロディーと、中間部の力強く激しいメロディーの対比がおもしろい曲です。
最後を飾るにふさわしい輝かしく華々しいフィナーレとなっています。
単なる伴奏という領域をこえた、ヴァイオリンと掛け合うピアノにもご注目ください!
ヴァイオリン・パルティータ第2番・二短調・BWV 1004:I.第1楽章アルマンドJ.S.Bach

バロック音楽を語る上では外せない音楽家、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ。
西洋音楽の基礎を作ったとも言われており、その偉大な功績から日本では「音楽の父」と称されています。
こちらの『ヴァイオリン・パルティータ第2番・二短調・BWV 1004:I.第1楽章アルマンド』は彼の有名なバイオリンの作品で、全5曲が収録されています。
現在はバイオリン以外の楽器でアレンジされています。
そちらと聴き比べてもおもしろいかもしれませんね。
バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61Ludwig van Beethoven

長い歴史のなかでも、とくに重要な音楽家として知られている、ドイツ出身の作曲家、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。
日本でも非常に有名な作曲家ですね。
耳が聞こえなかったという部分で注目されがちですが、ベートーヴェンの魅力はなんといっても古典派音楽の集大成ともいえる、完璧な作曲です。
こちらの『バイオリンコンチェルト』は、そんな彼の作品のなかでも、とくに人気を集めたバイオリンの作品で、現在にいたるまで多くの有名なバイオリニストによって演奏されています。
カルメン幻想曲Pablo de Sarasate

サラサーテの1曲。
ビゼー作曲のオペラ「カルメン」の旋律を引用し超絶技巧をふんだんに盛り込んだのが「カルメン幻想曲」です。
サラサーテ版のほかにワックスマン版も存在し、どちらも非常に難易度の高い楽曲として親しまれています。
バイオリン協奏曲 第1番 ト短調Max Bruch

ブルッフ作曲『バイオリンコンチェルト』。
いろいろな奏者が演奏されていますが、諏訪内晶子の演奏もすばらしいです。
諏訪内は日本を代表するクラシックバイオリン奏者です。
この曲はブルッフが一番はじめに作曲したコンチェルトで、代表作ともいわれています。
ト短調、短調は暗いという意味ですが、暗さの中にはげしさと優雅さ・おだやかさがあり、すばらしい作品ですね。
演奏会で聴いてほしいオススメのコンチェルトです。
バイオリンの低音から高音まですべての音を楽しめる『バイオリンコンチェルト』ですよ。
バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35Pyotr Tchaikovsky

今日の演奏会でおそらく最も演奏されているバイオリンコンチェルト、それがこの楽曲です。
「四大コンチェルト」のひとつで、技巧的な難易度はもちろんのこと、華やかで感情の豊かな旋律を合わせ持った完成度の非常に高い作品です。
ヴォカリーズSergei Rachmaninov

ラフマニノフが1915年に作曲した「ヴォカリーズ」。
ヴォカリーズとは歌詞を伴わずに母音のみによって歌う歌唱法を意味する言葉で、この作品はもともとピアノ伴奏付きの歌曲でしたが、後に管弦楽用に編曲されました。
ロシアの哀愁と、グレゴリオ聖歌やバロック時代のアリアのスタイルといった古典様式を併せ持つ甘美な曲となっています。
【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選(31〜40)
2つのバイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043J.S.Bach

18世紀、ドイツで大活躍した作曲家、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ。
ドイツの3大Bとしても知られ、日本の教科書にも登場するので、ほとんどの方がご存じだと思います。
さまざまな協奏曲はソロ、つまり一人で演奏されることが多いですがこちらの『2つのバイオリンのためのコンチェルト』はバイオリン2パートによるデュオの魅力を引き出した良曲で、バッハのバイオリンの曲として非常に有名な作品です。
対位法という複数の旋律をそれぞれの独立性を保ちながらミックスさせる手法をもちいたメロディで、現在でも根強い人気をほこっています。
華麗なるポロネーズ 第1番Henryk Wieniawski

19世紀を代表するバイオリニストの1人であるポーランドの生まれのヴィエニャフスキ。
彼はギャンブルやお酒が大好きという豪快な人柄だが、その演奏もまた豪快で超絶技巧の持ち主でもありました。
曲名にもなっている「ポロネーズ」とはポーランド起源の舞曲形式であり、ヴィエニャフスキの故郷への思いが感じ取れます。
この作品はバイオリンとピアノのための作品ではありますが、スタッカートで弾かれる重音の連続や、上昇しきった高音の美しさ、厳しい跳躍といったバイオリンの技巧が一番の聴きどころです。
無伴奏バイオリンパルティータ 第2番 シャコンヌJ.S.Bach

言わずと知れた「音楽の父」J.S.バッハによる無伴奏バイオリンパルティータのシャコンヌです。
「シャコンヌ」というのは変奏曲の1種で、はじめに演奏されるテーマが延々とさまざまなアレンジを施され繰り返されていくものです。
バッハのシャコンヌはその美しい旋律と、技巧的な難易度が評価され今日でも親しまれる名曲となっています。
バイオリンコンチェルト 第4番Wolfgang Amadeus Mozart

続いてはモーツァルトのバイオリンコンチェルト第4番です。
この作品は別名「軍隊」とも呼ばれ、その名の通り冒頭のバイオリンソロは勇ましいリズムを持ち活気にあふれたコンチェルトです。
モーツァルトの遊び心が随所にみられる1曲です。
バイオリンコンチェルトJean Sibelius

シベリウスは北欧のフィンランド出身の作曲家で、「フィンランディア」などで知られています。
彼の残したコンチェルトはまさに北欧の情景を連想させる絵画のようなコンチェルトです。
一楽章の美しいバイオリンソロは必聴です。
バイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35 第1楽章Pyotr Tchaikovsky

叙情的な旋律で人気を集めた、ロシア出身の作曲家、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー。
メルヘンやロマンチックな曲調が印象的で、同性愛の許容や、小動物への愛情など、優しいメッセージ性が作品の多くにこめられています。
こちらの『バイオリン協奏曲 第1楽章』は、そんな彼の名曲として知られています。
当初はその難易度の高さから日の目を見ませんでしたが、ヤッシャ・ハイフェッツさんやエフレム・ジンバリストさんといった、実力派のバイオリニストが演奏をさせたことで支持を集めました。
愛の悲しみFritz Kreisler

オーストリア出身の世界的なバイオリニスト、そして作曲家のフリッツ・クライスラーが手掛けた『愛の悲しみ』は、同じくクライスラーによる『愛の喜び』と対を成す作品であり、さらには『美しきロスマリン』と合わせて3部作として語られることもあるバイオリンとピアノのための楽曲です。
落ち着いた三拍子のリズムに合わせて、優雅でいてどこかメランコリックな旋律を奏でるバイオリンの音色が実に美しいですよね。
クライスラーと親交があったというロシアの著名なピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフによるピアノ独奏用に編曲されたバージョンでも有名です。
また、人気漫画作品『四月は君の嘘』にこちらの『愛の悲しみ』が登場しますから、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
バイオリン協奏曲 第3番Wolfgang Amadeus Mozart

ここからはモーツァルトのバイオリンコンチェルトを3つご紹介します。
第3番のコンチェルトはモーツァルトのバイオリンコンチェルトとしては初のヒットソングで、当時の聴衆にも好評だったようです。
第一楽章はモーツァルト自身のオペラからの転用で、華やかな印象が特徴です。
モーゼ幻想曲Niccolò Paganini

後のバイオリニストに多大なる影響を与えたイタリア出身の作曲家、ニコロ・パガニーニ。
現在では貴重な価値を持つバイオリン、イル・カノーネを使用した圧倒的な演奏技術で名声を得ました。
彼が管弦楽のための作品として制作したのが『モーゼ幻想曲』。
さまざまな表情をみせるヴァイオリンの音色と、リズミカルなピアノで構成されており、豊かな広がりをみせる明るいメロディが印象的な楽曲です。
彼の音楽ならではのテクニカルなバイオリンの奏法もじっくりと味わってくださいね。
旋律のようにJohannes Brahms

ヨハネス・ブラームスの友人クラウス・グロート詩による作品で、包容力がある温かさが特徴的です。
フレーズ内の音程の広さや、巧みな転調が曲に繊細さと深みを与えています。
詩の内容と深く結びついた旋律は、言葉では表現しきれない感情や思考を音楽の力で表現しようとする試みが感じられます。
幅広い分散和音的な進行から始まり、息の長い美しい旋律線を描く本作は、音楽を通じて心の奥底にある感情を探求したい方におすすめです。
1886年に作曲され、1888年に出版されたこの歌曲は、ブラームスが53歳のときに生まれた作品で、多くの演奏家や聴衆に愛され続けています。