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【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選

クラシック音楽の原点であるバロック時代から愛されてきた楽器「バイオリン」。

ときに優雅に、ときに情熱的な旋律を奏でる表情が豊かなバイオリンの音色は、常に私たちの心を癒やし続けてくれます。

本記事では、独奏楽器として、さらにはオーケストラやアンサンブルでの花形として親しまれているバイオリンの魅力をたっぷりと楽しめるクラシックの名曲をご紹介します。

作曲時の時代背景や作曲家に関する豆知識もあわせてご紹介しますので、クラシック初心者の方もぜひお楽しみください!

【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選(61〜70)

揚げひばりRalph Vaughan Williams

Hilary Hahn – V. Williams “The Lark Ascending”
揚げひばりRalph Vaughan Williams

イギリス出身の作曲家、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズが、同じイギリス出身のバイオリニストであるマリー・ホールの協力を得て1920年に完成させた作品が『揚げひばり』です。

1914年の時点で草稿は書き上げられていたそうなのですが、作曲者が戦争に従事したことでその時点では完成に至らなかったようです。

最初はピアノ伴奏のバイオリン独奏として初演され、その後は現在でもよく知られている「バイオリンと管弦楽のためのロマンス」として改めてロンドンにて初演されたというエピソードがあります。

また、イギリスのインターネットラジオ「Classic FM」が毎年行っているクラシック音楽を対象とした「栄誉の殿堂」にて、史上最多となる11回の最高傑作に選ばれたそうです。

どこか牧歌的な旋律は、どこまでも広がっていく青空や大地を想起させますね。

ぜひ、実際にコンサート会場で体験してほしい作品です!

美しきロスマリンFritz Kreisler

Maxim Vengerov – Schön Rosmann – Kreisler
美しきロスマリンFritz Kreisler

『愛の喜び』と『愛の悲しみ』を含めて、フリッツ・クライスラーが手掛けたバイオリンとピアノのための作品の3部作として紹介されることも多い『美しきロスマリン』。

クライスラー自身がコンサートのアンコール曲としてこちらの3作品を好んで演奏しており、現代の演奏会においても、多くの演奏家がアンコール曲としてプログラムに組み込んでいます。

4分の3拍子で展開していく『美しきロスマリン』は、他の2作品と同じく上品かつ優美な旋律が心地良く、ピアノ編曲バージョンはバレエのレッスン曲として使われることもあるのだとか。

クライスラー本人が演奏した録音も残されているので、興味のある方はCDやレコードを探してみるのもいいでしょう。

レチタティーヴォとスケルツォ・カプリス Op.6Fritz Kreisler

ウィーン生まれのバイオリニスト、フリッツ・クライスラーが1911年に完成させた無伴奏バイオリンのための名曲。

緊張感ある動機から始まり、即興的なスタイルで展開する前半部分と、冗談めいたスタイルが現れる後半部分の2部で構成されています。

カラフルな和声、クロマチックな展開、トリルなど、バイオリンの全音域を駆使した技巧的な表現が特徴です。

クライスラー本人が親交のあったウジェーヌ・イザイに捧げたこの曲は、バイオリンの魅力を存分に引き出す傑作。

高度な技術を要しますが、演奏する喜びを味わえる1曲です。

12のファンタジーGeorg Philipp Telemann

Georg Philip Telemann – 4 Concerti for 4 Violins, TWV 40
12のファンタジーGeorg Philipp Telemann

ドイツ・バロック期最大の人気を誇った作曲家、ゲオルク・フィリップ・テレマン。

この『無伴奏バイオリンのための12のファンタジア』は、バイオリンのさまざまな技法を徹底的に駆使し、4楽章構成で緩急を取り混ぜたファンタジアが12曲収められています。

そのスタイルは、創意工夫と変化に富んでいる魅力的な1曲と仕上げられています。

バロック音楽の良さを引き立てた、清々しい印象を与えつつも演奏技巧を演奏者に存分に発揮させる作品です。

華麗なるポロネーズ第1番ニ長調Henryk Wieniawski

Polonaise de concert, Op. 4 (Arr. Jacobsen for Violin and Piano)
華麗なるポロネーズ第1番ニ長調Henryk Wieniawski

ポーランドのバイオリニスト、ヘンリク・ヴィエニャフスキによる「華麗なるポロネーズ第1番ニ長調」。

ポロネーズは「ポーランドのような」という意味で、4分の3拍子の1拍目に16分音符が入るなど躍動感のある独特のリズムを持った舞曲です。

ヴィエニャフスキは超絶技巧で知られていますが、ギャンブルが大好きな人物で、演奏スタイルも豪快だったとか。

華麗で豪快なこの曲、聴いているだけで明るく楽しい気分になれますね!

2つのバイオリンのためのデュオ 2番Louis Spohr

あのシューマンと親交があったシュポアが作曲したアンサンブル曲。

冒頭はユニゾンで堂々と始まり、2つのバイオリンが交互にメロディを奏で合うので、とても刺激的で聴きごたえのある曲です。

ピアノ伴奏などは特についていないため、2つのバイオリンの響きを感じながら堪能できる作品です。

亜麻色の髪の乙女Claude Debussy

【癒し】亜麻色の髪の乙女 ドビュッシー Debussy La fille aux cheveux de lin
亜麻色の髪の乙女Claude Debussy

既成概念にとらわれない自由な作曲で、世界的な支持を集めた音楽家、クロード・ドビュッシー。

印象主義音楽と称されることの多い彼ですが、本人は否定しており、テクストやテーマは象徴主義に近いものを感じさせます。

そんな彼の代表的な作品の一つである、こちらの『亜麻色の髪の乙女』は『前奏曲』の1巻の第8曲に位置する作品で、変ト長調に定まった旋律に仕上げられています。

今回は次元のちがう実力で人気を集めた、史上最高のバイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツさんの演奏をピックアップしてみました。

バイオリン協奏曲ホ長調・作品64.MWV O 14:I.アレグロ・モルト・ヴィヴァースFelix Mendelssohn

メンデルスゾーンが1844年に作曲したヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。

明るい華やかさ、幸福感と憂愁の両面を併せもち、穏やかな情緒とバランスのとれた形式、そして何よりも美しい旋律で魅力的な一曲となっています。

ベートーベンの作品61、ブラームスの作品77と並んで、3大ヴァイオリン協奏曲と称される程の名曲です。

愛の喜びFritz Kreisler

クライスラー “愛の喜び” 長尾春花&奥村友美 @UMF2012 “春の祭典”
愛の喜びFritz Kreisler

オーストリア出身の世界的なバイオリニスト、フリッツ・クライスラーさん。

ヤッシャ・ハイフェッツさんが現れるまで、トップクラスのバイオリニストとして君臨しており、演奏家としての活動はもちろんのこと、作曲家としても、いくつもの名曲を残してきました。

こちらの『愛の喜び』は、そんな彼の作品のなかでもとくに人気の高い作品で、ウィンナ・ワルツの要素を盛り込んだ親しみやすいメロディーに仕上げられています。

ぜひチェックしてみてください。

バイオリンコンチェルト 第5番Wolfgang Amadeus Mozart

最後はモーツァルトのバイオリンコンチェルト第5番です。

「トルコ風」とも呼ばれ、当時、はやっていたトルコ趣味を取り入れたコンチェルトです。

この作品を作曲したときモーツァルトは19歳だったのですが、古今のバイオリンコンチェルトと比べても遜色がないほど完成されていて、現在でもさまざまな場所で演奏されています。

【バイオリン】時代を越えて愛され続けるクラシックの名曲・人気曲を厳選(71〜80)

4つのバイオリンのためのコンチェルトAntonio Vivaldi

Vivaldi: Concerto in B minor RV.580, for four violins – Pham/Gjezi/Darmon/Tudorache – OCNE/Krauze
4つのバイオリンのためのコンチェルトAntonio Vivaldi

「四季」などでおなじみのバロック時代の作曲家ヴィヴァルディによるコンチェルトです。

4人の独奏者による旋律の重なりがとても美しく、時間を忘れさせます。

同時代の作曲家ヨハン・ゼバスチャン・バッハによるチェンバロへのアレンジ版も必聴です。

バイオリン協奏曲 第1番 ハ長調Franz Joseph Haydn

Aubree Oliverson | Haydn – Violin Concerto no. 1 in C Major
バイオリン協奏曲 第1番 ハ長調Franz Joseph Haydn

宮廷の楽師だったハイドンが作曲したバイオリンコンチェルトは、宮廷内で演奏されやすいように考えられているからか、コンパクトな編成のオーケストラでも披露しやすいように作られています。

一見すると、シンプルな音の構成ですが、ソロバイオリンは何気なく技巧的なパッセージが度々加えられています。

夢のあとにGabriel Fauré

この曲はもともと、フォーレが作曲した歌曲集「3つの歌」の第1曲です。

歌詞は、イタリアのトスカーナ地方に古くから伝わる詩を、フランスの詩人ロマン・ビュッシーヌがフランス語に翻訳したものです。

詩の中では、夢で出会った美しい女性と幻想的な世界が描かれ、夢から覚め現実に残された主人公の哀しい叫びが響き渡っています。

その悲痛な叫びが、チェロの深く温かい音で表現されています。

バスク奇想曲Pablo de Sarasate

「ツィゴイネルワイゼン」や「カルメン幻想曲」で最も知られているサラ=サーテですが、他にもバイオリン曲を数多く作曲しています。

中でもこの曲は著名なヴァイオリニストの間でよく演奏されます。

左手の技術を要する曲でもあるので、普段は聴けない音色も楽しめます。

聴くだけでも非常に新鮮な曲です。

シャコンヌTomaso Antonio Vitali

1700年代から1740年代の半ばにかけて活躍した、イタリア出身の作曲家、トマソ・アントニオ・ヴィターリ。

父であるジョヴァンニ・バティスタ・ヴィターリやアルカンジェロ・コレッリから影響を受けた音楽性で知られており、バイオリニストとしても高い評価を受けていました。

そんな彼の名曲として名高い、こちらの『シャコンヌ』は、技巧的なバイオリンの作品として、何人もの有名なバイオリニストによる名演が残されています。

ハバネーズ・オープニング.83:アレグロCamille Saint-Saëns

サン=サーンスが1885年に、ヴァイオリニストのアルベルティーニとともに演奏旅行に出かけた際、初冬のブレストで雨に降り込められ泊まったホテルの、真っ赤に燃える暖炉の前でこの作品を着想したと言われています。

完成後は旅行の思い出としてアルベルティーニに献呈されました。

ハバネラのリズムによる民謡のような旋律と、技巧的な旋律が楽しめます。

バイオリンソナタ 第21番 ホ短調 K.304Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトのバイオリン ソナタの中でわりとよく演奏された曲です。

モーツァルトが母親とマンハイムを旅行していた頃に作曲されたので、わりと初期に見られる曲構成でしょう。

この頃はまだ、バイオリン中心のソナタが完全に確立されておらず、どちらかというとピアノ中心だったので、ピアノソロにもとらえられます。

ツィゴイネルワイゼン作品20Pablo de Sarasate

Zigeunerweisen, Op. 20: I. Moderato – III. Un poco piu lento
ツィゴイネルワイゼン作品20Pablo de Sarasate

サラサーテといえばこの曲、バイオリンといえばこの曲!

といっても過言ではないのでは?というくらい超有名な「ツィゴイネルワイゼン」。

劇的な派手さと哀愁をあわせ持つこの曲は、ピチカ―トにグリッサンド、ハイポジションでの重音と超絶技巧のオンパレード。

これでもかというくらいにバイオリンを堪能できる名曲中の名曲です。

ソナチネ 作品100Antonín Dvořák

ドヴォルジャークは19世紀に活躍したボヘミア出身の作曲家。

彼は幼少から楽才を発揮し、早くから父の宿屋や村のダンス・バンドでヴァイオリンを弾いていました。

この曲は、彼が当時15歳だった愛娘と10歳だった息子トニークの音楽的能力を育てていくために作曲されたと言われています。

アメリカ先住民族の民謡や黒人霊歌を基にした旋律主題が使われており、シンコペーションのリズムや5音音階であるペンタトニックが曲を特徴付けています。

バイオリンソナタ 第2番 イ長調 Op.100Johannes Brahms

Augustin Hadelich and Orion Weiss play Brahms sonata no. 2 in A Major Op. 100
バイオリンソナタ 第2番 イ長調 Op.100Johannes Brahms

ロマン派音楽の大家として知られるヨハネス・ブラームス。

1886年の夏、スイスのトゥーン湖畔で作曲されたバイオリンとピアノのためのソナタは、彼の3つのソナタの中でももっとも抒情的な作品として評価されています。

優雅で幻想的な響きが特徴の本作は、ブラームスが幸福な時期に作曲されただけあって、明るくのびやかな雰囲気があふれています。

穏やかで柔らかな旋律が広がり、耳に心地よい響きをもたらすこの曲を聴くと、豊かな感情を呼び起こされることでしょう。

自然豊かな風景に囲まれた作曲環境が、音楽を通して表現されているかのようです。